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パルディアの解放戦線  作者: アビス
魔族編
2/12

第二話 過去の因縁?

「えぇーっと、防御、、防御、、、どこッスか?」

背中に天使と悪魔の羽が描かれている盾、安物のように薄汚れた革の鞘にしっかり収まっている両刃の剣を背負った銀髪の少年が、魔道具屋で探し物をしている


「何を探しているんだい? 兄ちゃん。」

魔法巻物(マジックスクロール)の防御系と転移系を探してるッス。」

年老いた魔法使いの男の店主に声をかけられ、返答する

「防御系と転移系ね、わかった、、少し待ってな。」

「お願いしますッス」

店主は店の奥へ入って行く

「このお店、、初めて来たっすけど、、魔導具()よりも魔法具(剣や槍)が多いッスね。」

「あるだけ全部持ってきたよ兄ちゃん。」

店主が大量の魔法巻物(マジックスクロール)を持って出てくる

「うーん、、じゃぁ防御系は魔法壁系全部、転移系は全部くださいッス!」

腰に掛けられたポーチから財布を取り出す

「兄ちゃん()()()()だろ? 少しまけとくよ。」

「良いんスか?」

「良いも何も国のルールーだろ、、、全部で4万7千リールだよ」

「お釣り出るッスか?」

「ああ、出るよ。」

財布から10000と書かれた紙幣を5枚取り出す

「5万リールな、、、お釣りの3千リールな。」

お金を入れてある木箱を出して金額を数え、釣り銭を渡す

「ありがとうございましたッス!」

お釣りをもらい紙袋に入れられたスクロールをもらいお礼を言ってから店を出る




「あーー、暇。」

「我慢しろよ、リーフェ。」

「だって~、ここ最近ぜーんぜんモンスターの報告が無いんだもん!」

国の正門、見張り窓から街中をボーッと眺める、薄緑色の肩にかからない程度の短髪の少女と、正門まで続く道をしっかり監視する、黒髪を腰の少し上まで伸ばした女性が

そんな会話をしている

「確かに報告は少ないのは変だが、無いに越したことは無いだろ。」

「そうだけどさ~。」

そんな時、監視の目に緑のフードが目に入る

「む?」

「どうしたの? 神猟ちゃんしんりょうちゃん。」

「いや、ただの旅人だ。」

「警戒しすぎだよ? 神猟ちゃん。」

「警戒しなきゃ見張りの意味がないだろ?」




「思ったより早く付いたな。」今一瞬もの凄い視線を感じた、リーフェか?

そのまま歩き続け、門の前にきた

「はい、冒険者カード。」

カードを渡された男の門番は首をかしげる

「すまないが、このカードは使えない、別の物は無いのか?」

それを聞いてリヒトーは首をかしげる

「え、無理?」

「無理だな、そもそもこのカード、どこで作られたんだ?」

「どこって、ノルンですよ?」

「少なくとも私はこの、ぼうけんしゃ? とやらは聞いたことがない。」

リヒトーはカードを受け取り、「どうしたものか。」っと、腕を組み考える

「二百リールを払えば入国できるが。」

「二百!? え、いや、今百しかないんだが。」

「それだと入国出来ないな。」

「入国何て大抵60前後だろ?」

男は首を横に振る

「で、でも中に用事が、、、。」

「、、、決まりなんで。」

リヒトーは両肩をつかみ男の体を揺らす

「頼む!! どうしてもしなきゃならない事があるんだ!!」

「無理だ! しつこいぞ!」




「、、、何今の声。」

「下からだな、さっきの旅人か?」

「私、行ってくるね!」

窓から身を乗り出し、そのまま門へ向かう

「飛び出す前に言えよ、、」




「ヘイヘーイ! どうしたんだい、大きな声が聞こえ、た、、けど。」

「あ! リーフェさんこの人がどうしても入国出来ないかってしつこくて。」

「え? リーフェ居るの? ホントだ、なぁリーフェー助けてくれ~。」

「何やってんの? リヒトー君。」

掴み合いをしている二人に声をかける

「いやさぁ、この、、、あんた誰?」

「え!? ボブ・アドルフ・ライトニングです。」

少し考える、リヒトーが「どこで呼んだらいい?」っと返す

「ボブで。」

「このボブ君が冒険者カードが使えないとか入国に二百リール要るとか行ってくるんだよぉ。」

「もういい加減諦めんと捕まえるぞ?」

「プハハハハハハハ! 何それ? リヒトー君バカじゃないの?」

「何だと? お前に言われたくないわ!」

ビシッと、リヒトーがリーフェに指を指す

「だって今のこの国こと調べてこなかったでしょ?」

「今まで何にもなかったから、、」

リヒトーが肩をすくめる

「まあ、ここ最近でかなり変わったからね、ハンター命令でリヒトー君を入国させて。」

「え? あ、はい。」

「お前いつの間にこんな偉くなったんだ?」

「ただ役職が上だっただけ、これ1つ貸しだからね?」

「クソ、お前なんかに貸しは作りたくなかった。」

リーフェは「何だと〜? 殺るか?」っと言いながらリヒトーを見張り部屋に案内する

「戻ったか、問題なかったかって、問題だらけだな。」

「な、なにが?」

リーフェが震えた声で返す

「何で泣いてるんだ?」

「な、泣いてないもん!」

リーフェをどかして、リヒトーが神猟の前にでる

「お前が泣かせたのか?」

「原因は俺だな。」

「原因?」

リーフェが鼻をすすり、涙を手の甲で拭いながら話に割り込む

「あのね、このリヒトー君とはね、長い間会えなくてね、そのーね、うれし泣きと言うか。」

「だから原因ね。」

「下では泣かなかったのに。」

「さすがに立場があるからね。」

「お前も大変だな、、、、俺はリヒトー・スランウェイだ、よろしく。」

「私は宮本 神猟みやもと しんりょう、よろしく。」

神猟が右手を出す

「す、すまないが、握手はちょっと。」

「? そうか。」ケガでもしてるのか?

「お前もういい加減泣き止めよ。」

リヒトーが右手でリーフェの頭を撫でる

「?」ケガじゃない?

「リーフェ、他に誰がいる?」

「えっとね、アデルくんがいるよ、連れてくる?」

泣き止んだリーフェが明るく返す

「たのむ。」

リーフェは「OK!」っと言い窓から飛び出す

「なあスランウェイ、なぜ握手がだめなのだ?」

「、、、、、」

「言えないか?」

「そうだな、、、、確認なんだが、みや、、神猟、お前の親族に、み、、宮本武蔵むさしと言う、、」

リヒトーが言い終わる前に、神猟が持っていた日本刀を首の横スレスレまで抜刀ばっとうする

「貴様、何故外の者がその名を知っているのだ!!」

「、、、、、、。」

「言え!!」

「昔、助けられた事があって、、」

神猟の右腕の力が強まる

「馬鹿を言え! その名は初代当主の名だぞ! 二千年以上前だ!!」

「リヒトー君ー、連れてきたよー!」

リーフェが大きく手を振る

「おう! すぐ行く!」

神猟が刀身を鞘に収める

「、、俺は事実を言っただけだ。」

「、、、、、、もういい。」

「、、?」

「本来ありえない事だが、実際宮本武蔵と言う名前が現代に無いという確証は私には無い、今はしていないが昔は何人か罪人を国から追い出した事もあるらし。」

リヒトーは窓から飛び出し、「そうか、、」っと言い、悲しいような嬉しいような笑顔を見せる

最後まで読んでくれてありがとうございます


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