第一話 目覚めた集落
ガコン! ウ゛ゥゥゥゥゥゥン
「対象者の覚醒を確認、ーーへの輸送をー始。」
(聞こえずらい)
ウ゛ゥゥゥゥゥン
「対象者、リヒトー・ーーーーウェイ、意識レベル40、正ーな起床時の反応です。」
「システムマスター、アリア・ブラディへの許可を申請、、、、、受諾されました。」
ガコン、カチッカチッカチッ
「No.46 極地環境対応型汎用箱型防御装置・”棺” を再起動、、、、、棺を開きます」
「ん、」 (目の前がぼやける、どのぐらい寝ていた?)
仰向けの状態から手を使い体を起こし、暗闇の中を見回す
「えっと、そうだ! いつも寝てる場所だ。」
ゆっくりと体全体を起こし、少し伸びをする
暗闇の中、エメラルドグリーンの髪の毛を引きずりながら出入り用の扉に向かって真っ直ぐ歩き、扉に付いている取っ手に手をかけ、内側に扉を開く、外から光が入り、右手で目元を隠しながらそのまま歩みを進める
扉を出た先は、このドーム状の部屋を中心に家が囲むように並んでいる
「兄さん?」 扉を閉めたと同時にその声が聞こえた
「ああ、そうだぞ、おはようでいいのか?クリフ。」
縦に首を振り、少し息を吸って
「みんなー! 兄さん起きた!」
と、全ての家に届くように大きく叫んだ
「そんじゃあ俺は爺さんの所に挨拶しにいくな。」
そう言いながら、歩きだす
「兄さん用意は?」
その声に振り返らず
「緑のフードと百リールと魔法陣入りの服、あとムサシ。」
そう返した
トントン、ドアを二回叩き
「入るぞ?爺さん!」
ドアを開いたその瞬間
「グッドモーニーング! リヒトー今回は眠りが深かったようだねー! お爺ちゃん寂しかったよぅ。」
「アリアにでも教えて貰ったのか? 爺さん寝起きにそのテンションは付いていけないよ。」
華麗にハグをよけ、近くにある椅子に座った
「なあ爺さん、俺はどのくらい寝てた?」
リヒトーの反対側に座り、指で6と示した
「そんなに!?」
「残念ながら本当だよ。」
「まあな~戦闘が激しかったからな、妥当だな。」
その時、トントンとドアが叩かれる
「良いぞ。」
ロックがそう答えるとドアが開く
「リヒトー君が起きたって聞いたんだけど。」
腰まで伸びたアメシスト色の髪を揺らしながらたれ目の女性が顔を見せる
「マリーヌさん、おはようございます!」
「いつまでいるの?」
「できるだけ早く合流したいから、二日かな。」
「君も毎回毎回忙しいねぇ。」
ハァっと、ため息を吐き、髪の毛後で切ってあげるからね~っと言いながら部屋を後にする
「アイツら元気にしてっかな? 早く会いてぇな。」
それから二日間、リハビリがてら集落周りの森で狩りをしながら過ごし、旅立ち当日
持ち手が日本刀の様な、刀身の付いたトンファーを二つ背中に、それを隠すようにフードを羽織り
「準備万端!」
集落の出入り柵の前でそう一言
「兄さん、こんな早朝じゃなくても、、」
クリフがリヒトーの隣で話す
「アリスとリリーが泣いて離さないだろ? 俺はもう頭を撫でまくった、他には何も出来ん。」
「なだめるこっちの身になってよ、まったく、、ずっと離れ離れじゃあるまいし。」
「ハハハ、じゃあ二人をなだめといてくれ」
タン!! と言う音、後から来る風と視界を遮る砂ぼこり、ソコにはもうリヒトーの姿は無かった
「規格外だな~兄さんh、、、、、、今、このタイミングで、コレ、、、、兄さんの、、、。」
クリフは上を向きながら自分の家に戻り、朝食の支度に取りかかった
最後まで読んでくれてありがとうございます
初めての投稿で緊張しています