後編 これぞ肉の狂演!
ラノベとソレを原作にしたアニメの様に、こちらから情報は送れないけど閲覧・視聴・ショッピングが出来るスマホを貰った・・・が、念じるだけでタブレットや大型ディスプレイ一体型PCにも成る事が判明した。
おかげで映画やスポーツも楽しめてる・・・のだが、
「漸く初アーチ、初めての本塁打を敵方に取られて・・・行きたかったなぁ!」
「農業改革・・・建築改革・・・クソッ!女神さまには一台では無く数台用意して貰えば、今からでも脅迫して2~3台・・・・・・」
『ヤメテェ~~~ッ!主神様から今 言伝があって、脅迫なんかに屈して用意したらオシリ叩き200年追加だって・・・・・・・』
ちっ!
聞かれてたか・・・・・
『しゅ・・・主神様がチャンと見てるから悪い事したら駄目だよって』
『だったら主神様に伝えてよっ!こんな悪い事する奴を神にするなって・・・・・』
ボクは呆れながらタブレットをいじり帰れ無く成った故郷の情報を見ている・・・寂しさは覚えるモノの思ったほどショックは受けて無い、そもそも帰れ無く成る事を覚悟でリディアの望みを聞きコチラに来る事を決めたのはボクだ!
『それでも・・・地球のグルメ、特に和食とイタリアンそれにエスニックは再現しないと!』
それ位は出来無いと欲求不満が溜まって仕舞う・・・さて日本の季節はどうだろうか、コチラにも四季が有り今は夏に突入し切っている。
暑く成ると思い浮かぶのはカレーライスと素麺にバーベキュー、そして何よりシェラスコ料理だった・・・流石に取り寄せはアレだから、コッチで再現しようと思いスケさんに言い付ける。
そもそも料理自体は簡単で味付けだって岩塩を主体にジックリ焼くだけ、後は回転式ロースターが有れば便利だけど無くたって問題は無い。
「タカミザワの旦那、シュバイネハクセ作る時に回転ロースター造ったじゃ無いですか!アレを流用すれば・・・・・」
そうだった!
ボクは味付け等を吟味しあとはスケさんに任せる。
他にもブラジリアンに限らず南米の美味しいモノを・・・とタブレットを見てたら、昔お爺ちゃん達と行ったシェラスコのレストランが閉店したのを知った。
『潰れちまったか、マァ仕方無いよね・・・・・』
この店は経営者が日本人に代わって味が全く変わった・・・正直言うとボクには美味しいと感じられないし、ブラジル人の友達もアレはシェラスコ(実際アッチの人だと発音が違うけどね)では無いと言っていた。
ネットで叩いてる人も多く何と二度と大泉に来ないとか言ってるけどさ・・・たかが一店それも日本人が経営してる店に入って町全体に文句言うのはケツの穴が小さいにも程があるだろう!
実際そう言う奴らが押してる東京の店にも行った事が有るけど、もちろん美味しい店も有るけど逆に高い料金を取る割にはと言う店が多いこと多いこと・・・やっぱりチャンとブラジルの人が料理に関わってるシェラスコ屋の方が良い!
「ア・・・アチラの新しい料理を伝授して貰えるので?」
リディアの城の料理長がスケさんに連れられてやって来た、あくまでスケさんはボク専属の料理人だからね♪
「焼いた肉は温かい内に胃の中へ・・・置いといて冷たくするなんて愚の骨頂、肉に対する冒とくですよ!」
何人ものガウーチョが次々と肉の塊を持って来ると、それを好みの量だけ切り分ける・・・流石に王侯貴族相手なのでビュッフェ形式のバーは無く、希望を聞いてガウーチョが取りに行く。
ただしガウーチョが漏れなくスケルトンである所に異世界情緒が・・・冗談ですやり過ぎました!
でもボクが召喚出来るのは基本低位の魔物だけ、身の回りの事をさせるには人件費も掛からないし最高だから・・・勿論シェラスコを仕事として展開するなら今後は人間の仕事にして貰う!
「ウェイターでは無くガウーチョって言うのですか?」
「元々は牧畜する人の料理でガウーチョは牧童と言う意味、あの衣装は牧童の衣装を模してるんだ」
拘り過ぎたかな?
「う・・・旨いけど、もう食べられない!あぁ・・・パイナップル、焼きパイナップルも食べたかった・・・・・」
「豚バラのローストが旨い・・・あとイチボ肉も、もう一度頼む!」
「その串のハツを全部置いて行け!」
「何だコレは・・・スープいや白いトウモロコシの御粥か?あ・・・甘い粥なんぞ・・・旨いじゃ無いか!」
大好評の様である♪
ボクは手羽先を齧りながらリディアの頭を撫でてる、コイツ勧められた酒を飲んでKOされて仕舞ったのだ!
「まあノンアルコールのトロピカルドリンクと見分け付かないからなぁ・・・・・」
KOされながらも上機嫌で甘えて来るリディアを、良い根性してると感心しながらボクは来たガウーチョに注文した。
「イチボ・・・トリプルだ!あとお前もソーセージを2本置いて行け!それとヴィネグレットソースも頼む・・・・・」
お肉は今日も美味しい。