俺の担当女神、バカなのですが
こんにちは。タルトです。初めて書く小説なので、とても緊張してます。
これから読んくださる皆様、ありがとうございます。
では、僕の書いた小説で少しでも皆さんに笑顔が出来たらいいなと思っています。
1.異世界転生をしよう!!
「佐藤 晴斗さん。ようこそ女神の部屋へ。晴斗さん、あなたは死んだのです。」
俺は、唐突にそんな事を告げられた。
なんだろう。何がなんだか分からない。一旦落ち着いて考えるとしよう。
俺、佐藤 晴斗は、日本で高校生の男の子だ。残念ながら引きこもったせいで高校生らしい生活はしていなかったのだが。
日本・・・・・・。俺の生まれ育った国の名だ。最低限の生活が保証されており、そこで俺は毎日毎日自室で退廃的な生活をおくっていた。
「あれ・・・・・・?おかしいおかしいここどこだよ。自室・・・・・・じゃないよな・・・・・・?」
俺の部屋は基本電気はつけず、カーテンもしめきっているのでこんな自己主張の激しい光なんかの入る余地はない。光以外の観点からも俺の部屋でないことは容易に理解出来る。
他観点から言えば女の子がいることとかこんな広くないこととかだろうか・・・・・・。
女の子・・・・・・。俺はそんなものとは無縁の存在だった。もしこれが自室で女の子がいるとかいう激アツ展開ならどれだけよかっただろう。
あぁ。厳密に言えば2次元嫁はいたのだが・・・・・・。
「ここはさっきも言った通り女神の部屋よ。そうね、わかりやすく言うと死んだ人がくる場所ね。」
そんな事を考えていると話しかけてくる女の子。
・・・・・・とても可愛いです。
そんなことよりも目の前の女の子は対話する意思は持ち合わせているらしい。女の子と話したのはいつぶりだろう。2年ぶりぐらい?
いやいや、そうじゃない。それよりも、女神・・・・・・?
女神。そんなにわかには信じ難い単語でも、目の前の女の子からはそう納得させるものがある。
女神様はまさに『完璧』と言って差し支えないような風貌だ。透き通るような金髪と紫色の瞳。スラリとした手足。
そして・・・・・・大きいのだ。何がとは言わないが。
1番目を引くのはその整い過ぎている顔だろう。2次元嫁?アイドル?世界三大美女?そんなものと比べられても余裕で勝てるであろう顔だ。地球で言うと黄金比(1:1.618)であれば美しいと言われるが、それが関係しているのだろうか?機会があれば測定してみたいが。
そんな完璧な女神様の部屋に俺はいるらしい。本来であれば、とてもラッキーと言え、この空気をそのままお持ち帰りしたいところだが、なんか変なことを言ってた気がする。
そう、確か。
「死んだ人が来る場所・・・・・・?」
「そう、あなたは死んだのよ?」
女神様はしっかりと『死んだ。』そう告げた。
「死んだ・・・・・・? いやいや、死んでないだろ、俺は。現に動いて喋れるじゃねーかよ!」
「思い出せないの? まあ、死んだ直前の記憶は抜ける人多いからねー。思い出してみてーー。」
あれ?軽くね?この女神様。彼女の容姿は見とれるほど美しいのだが、なんか中身が残念そうだな・・・・・・。
『完璧』その評価が少し揺らいだ。まあいいか。可愛いし。
「思い出してみてーってどうすればいいんだよ?」
そうぼやくと。
「ん? 頑張るのよ。」
「・・・・・・。」
こいつはアホなんだろうか? どうすればいいのかに対する答えが頑張れなんて・・・・・・。なんがこいつ、本気で残念そうだな。
そして俺は先程の記憶を頑張って思い出そうと・・・・・・。
俺は普段はジャージという引きこもりの正装を来て家でゲームをしている廃人だが、今日は外出をした。
今日発売の人気ゲーム『ファーストストーリーⅡ』が出るためだ。Ⅰは販売すると同時に速攻で売れてしまった為、開店前から並ぶことを決心したのだ。
「朝7時に起きて往復4時間の移動時間経てやっと手に入れた! 家に帰ったらゲーム三昧だぜ。」
そう、俺はゴロゴロする時間を犠牲にしたがしっかりと店舗にてゲームソフトを手に入れたのだった。久しぶりの外出なので、少しくたびれてしまったが、新作ゲームを手に入れられたので良しとしよう。
ちなみに引きこもりの俺の主な収入は親からの毎月3000円の小遣いだ。今回はお金が足りなかったので投資で増やした。毎日が暇な俺にとっては調べ物とゲームが日課だ。投資で少し増やすぐらいは造作もない。
引きこもりと言う職に就いてから無駄に器用になった気がする。
俺はゲームのベータ版やプロモーションビデオの情報を頭に流しつつ、最初のキャラメイキングやスキル構成など、今日のやることの順序を頭をフル回転させ考えていた。
ちなみにこのゲームはよくあるRPGゲームだ。多種多様な種族や様々なスキル、武器があり、やり込み要素が半端ないのだ。
『Ⅰ』では斧使いとして
「お母さん、あのお兄ちゃん1人で喋ってるよ。」
「しーっっ。だめよ、そんなこと言ったら。いい? ああいう人には関わっちゃダメよ。」
いきなりそんな言葉が聞こえてきた。
・・・・・・どうやら俺は周りが見えていなかったらしい。先程の自堕落宣言が親子に聞こえていたのだろう。
今更ながら状況把握に成功した俺は、
「くっっっ。」
今度は周りに聞こえないようにこぼし、自分の顔が羞恥心で赤くなるのを自覚しながら早歩きで歩き始めた。
すると俺の背後から大きな影が迫ってきて・・・・・・。まどろんだ意識のなか誰かの叫び声が聞こえて・・・・・・。
「あっっっ・・・・・・。」
俺は瞳から涙がこぼれ落ちた。いつか学校に行ってくれることを期待して引きこもってもなお学費を払ってくれた親に、自分の行いのせいで心に大きな傷を負ったであろうトラックの運転手に、
「ごめん、ごめんなさい・・・・・・。」
俺は、そう言って自分の親不孝ぶりと関係のない運転手を巻き込んだことへの申し訳なさからしばらく涙を出し続けた。
俺が落ち着くのを静かに見守っていた女神様は、
「思い出したの?」
そう聞いてきた。
「すみません、取り乱して。はい、思い出しました。俺はトラックにひかれて・・・・・・。」
「トラック・・・・・・?何を言ってるの?違うわよ?」
「え?いやいや・・・・・・? え、じゃあ俺の死因は・・・・・・?」
「熱中症よ。熱中症ってわかるわよね?」
「・・・・・・は?それぐらいわかるし・・・・・・。いやいや、それよりも、だって、俺死ぬ前に後ろから大きな影が・・・・・・。」
「ん?・・・・・・あーそれはね、雲よ雲。あなたは引きこもりでしょ?そんなあなたがよく寝てない状態で遠出なんてして炎天下の中活動するから倒れるのよ。」
「引きこもりいうな。ちょっとは反省してんだから!」
「 なにが反省よ。人間根っこの部分は変わんないの。これだから引きこもりのニートは・・・・・・。」
おい、何だこの女神様。すごく腹が立つ。なんだろう・・・・・・ボコボコにしたい。
「言うな。くそ女神。引きこもりは認めるがニートは認めない。」
そう、俺は高校生。ニートとは、成人したが働かないやつのことだ。俺は断じてニートではない。
いやいや、そうじゃない。ちょっと待ってくれ・・・・・・。
「ってかなに? 俺の死因って熱中症なの?!」
俺は熱中症という死因を今だ信じれていなかった。というか俺の死因は本当に熱中症なんだろうか。だとしたらさっき流した涙はなんだったのだろう。いや、親に対する謝意は正解だが。実際親不孝だったと思うし。
「そうよ、熱中症。あなたはつい先程熱中症で倒れたの。そうね、私の見通す目によると倒れたあとすぐに車に乗っていた人が救急車に連絡。その後病院に搬送。医者と看護師の治療虚しく死亡。ってとこね。」
「そうか、じゃああの叫び声は連絡してくれた人だったのか。」
俺は叫び声は最初トラックの運転手かと思ってていたが、どうやら違ったらしい。確かに考えて見ればトラックがいきなり後ろから突っ込んできて叫ぶわけがない。道端に倒れている人がいたら叫ぶだろうが。やはりそういう面からも俺は本当に熱中症で倒れたらしいな。
というか、
「ん・・・・・・?見通す目・・・・・・。じゃあ俺に死因思い出させなくても良くない?それとも俺の死因ぐらい見通せないような使えない目なの?」
「見通せるわよ。舐めないでちょうだいな。見通す目を使うの面倒くさくてねー。引きこもりになんて能力使いたくないじゃない。情報量が多くて結構疲れるし。しかもどうせくだらない死因なんだから使わずにさっさと天国行きにした方が楽じゃない。どうせもう一度人生を歩むなんて選択しないんだし。さっさと送還よ。」
なんだ、この女神。曲りなりにも死者を導く役職なのに寄り添ってくれもしねえ。なんなら煽ってきやがる。ほんとに女神かよ・・・・・・。しかもこいつ自分が疲れるから嫌だったとか、わがままだな。多分自分中心に世界が回ってるとか思ってるタイプだろう。やはり最初の『完璧』という評価は不十分だったらしい。『''顔は''完璧』という評価がいいだろう。
ん・・・・・・?そういえばなんか最後に変なこと言ってなかったか?
そう、確か。
「ん?え、女神様?もしや俺ってもう一度人生歩めちゃったりするの?」
「あら、さっさと天国に行って食っちゃ寝食っちゃ寝の生活を続けたいとか言い出すかと・・・・・・。まあいいわ、えっとねー。」
わざとらしく咳払いをして目の前の女神様は、
「若くして死んだあなたには人生をやり直す機会を与えましょう。もしあなたが人生をやり直したいと強く願うのならそれを叶えてさしあげましょう。あなたの人生の第2章の舞台、異世界に記憶を引き継いだまま転生させてあげましょう。異世界転生を選ばないのであれば、あなたは天国に行かせてあげましょう。」
いつもの口調とは違い、丁寧な口調であることからこれが本来の女神の仕事なのだろう。死者を導くマニュアルでもあるのだろうか…...?それにしても・・・・・・。
「異世界転生?!まじで、俺って異世界に行けんの?!
はい、はいはい行きます行きます!!!」
「異世界転生を選ぶのね。引きこもりのくせに。」
そろそろ殴るぞこの女神。いちいち煽んじゃねえよ。引きこもりは関係ないだろ。どんだけ目の敵のしてんだよ。
まあ、確かに食っちゃ寝の生活に惹かれない訳では無い。
が、それより異世界転生の方が惹かれる。
「そーだよ。貧弱な引きこもりが異世界で強くたくましく生きていこうとしてんの。そんな引きこもり引きこもり言うならいい能力の1つや2つくれよ。いいのか?俺がすぐ死んでも。」
情に訴えつつ、チート能力をねだってみる。やはり異世界転生にはチートが必須だろ。訴え方が少しみっともない気もしなくはなかったが。
「図々しいわね。別にあなたが死んでもどうでもいいわよ。だって引きこもりなんて送っても何の役にも立たずに死ぬのは当たり前だもの。まあチート能力はあげるけどね。この中から選んでねー。」
そう言って何枚かの紙を渡して来た。やばい、殴りたい。失礼だけど1発かましたい。煽らないといけないってマニュアルにあるのかよ。
まあ、ここで落ち着いて水に流すのが大人の対応ってわけよ。いや、決してチート能力貰えないのが怖いとかじゃないから・・・・・・違うから!!
「へーチート能力ってやっぱ異世界転生には必須なんだな。チートは今後の自分の人生を左右する大きな要素だ、慎重に選ばないと・・・・・・。」
そうだ、慎重に選ばないと実際すぐに死んでしまう。だが、しっかり選んだチートで活躍すれば「勇者様ー♡」なんてちやほやされ、異世界ハーレムなんて作れるかもしれない・・・・・・。
やべ、超やる気出てきた。ハーレムとか作ってみたい。前世ではハーレムのハの字もなかったからな。
俺は異世界での己の活躍を夢に見ながら紙を見る・・・・・・。
「あんた、びっくりするぐらいゲスいわね・・・・・・。引きこもりが期待しちゃったりしても無理だから。せいぜい雑魚モンスターにやられて終わりよ、終わり。」
「おい、夢を壊すなくそ女神。そしてちょっと黙ってろ、集中するから。」
あのくそ女神・・・・・・。なに見通す目で人の心見透かしてんだよ。ってか心まで見通せるのかよ。そんな性能高い目ずるい。あの女神の前では邪なこと考えないようにしないとな。見通されたらたまったもんじゃない。
・・・・・・あっ、大きいだのなんだのって見通されてないだろうな?見通されていたからあんなに強くあたられたのだろうか・・・・・・?
っと違う違う、今は俺の晴れ舞台のためにもいいチート能力を選ばなければ・・・・・・。
怪力に超魔力、聖剣『エクスカリバー』、粉砕するもの『ミョルニル』、それに全属性に対する完全耐性・・・・・・?なんだそりゃ?
「なあ、女神。この、全属性に対する完全耐性ってなんなの?」
「あーそれはねー。あなたが行く異世界はね、火、水、土、風、そして光、闇っていう6属性があるのよ。そしてその能力を取得すれば完全耐性が貰えるの。簡単に言うと魔法による効果を一切負わなくなるってとこね。」
「へーすごいな。あれ?でもそれ取得したらバフや回復魔法が無意味になるんじゃないか・・・・・・?」
「知らないけど、そうなんじゃない?だって回復系は光の、バフはそれぞれの属性魔法だもの。」
・・・・・・適当だなー。チート能力の効果ぐらいしっかり知っとけよ。しっかし使えなさそうだな。回復なしバフなしとかどんな鬼畜仕様だよ。そんなの魔法を介さない打撃で1発K.Oじゃんか。
でも、回復魔法やバフに疑問を持たなかったことから魔法は存在する異世界なのだろう。せっかくの異世界なのだ。魔法なんかを使ってみたい。
他には ...…各最強の冒険者1名・・・・・・?
「なあ、女神ー。これ、どういうものなの?」
「あーそれはねー。あっちの世界には冒険者っていう職業があってねー。その冒険者の中でも上級職、そのなかでも『最強』とパーティを組めるってことなのよ。
ふむ、これには欠陥はない・・・・・・よな?パーティ組むだけなら何も問題は無いはずだ。 んーーー迷うな、せっかくの2度目の人生。今度は引きこもらずにイケイケの異世界暮らしをしたい。そのためには慎重に、慎重に選ばなければ・・・・・・。
「ねーーー、何をそんなに悩んでんのーーー。もう私さっさと送還したい気分なんですけどー。」
だるそうに頬杖つきながら女神はそんなことを言ってきた。
元はと言えば、デメリットをしっかり把握してない女神のせいでこっちが吟味しなくちゃいけないはめになってると言うのに。なんでそんなに偉そうにできるんだよ。
そんな気持ちから少しキレぎみで、
「あーうるさいなぁ!新しい人生の門出のためにも慎重に選ばないといけないんだよ!」
そう言って再び紙に目を落とした。
うん、やっぱり魔法使いたいし『超魔力』にするか!これはさしてデメリットはないとそう思ったが、慎重さゆえ問いかけてみた。
「なー。超魔力ってどのくらい強いの?」
「超魔力?あー確か初級魔法で焚き火に火起こそうと思って街中大火災になったり風魔法使って思いがけず街破壊しちゃったりしたぐらいよ。」
「街破壊?!?!!!。まじかよ。・・・・・・おい、魔法のコントロールってできるもんなのか ?」
威力はすごい。すごいのだが、思いがけず街でも破壊してみろ。警察的機構に捕まって内臓売るレベルの借金とか負いかねない。そうなってみろ、異世界生活楽しむどころじゃないぞ。
「分からないわよ。だって魔力値とコントロールは別物だもの。超魔力があってもそれを使いこなせるかは別問題よ。」
まじか、持ってるものを扱いきれるのも才能ってことなのか。じゃあこれは超魔力は無理そうだな。
あれ?・・・・・・ってことはもしや怪力も・・・・・・。
「マジですか・・・・・・。じゃあ怪力は?」
「怪力はねー。剣を強く振ったら半ばから折れたり怒って地団駄踏んだら家倒壊したりしたぐらいよ。」
「おい、使い勝手わるいな!怪力はコントロールできたりは・・・・・・?」
「しないわよ。だって筋力値とコントロー・・・・・・」
「聞いた!聞いたよ!」
欠陥ありまくりのチートだな・・・・・・。そうだな、上級職とのパーティ券にしようかな?。えーっと?職種は・・・・・・ソードマスター、ヒールマスター、賢者、シールドマスター、スナイパーぐらいが使えそうな職種かな?
前世でも割と有名どころであった冒険者職に目星をつけ、そしてまた吟味する・・・・・・。
せっかくのパーティだからな。自分と相性のいい職職を是非とも選びたい。迷う・・・・・・迷うな。
俺は引きこもりで、ちょっと外出て熱中症で倒れるぐらいだ、異世界でコロッと死んだらハーレムどころじゃない。
それなら・・・・・・。
「よし女神様!『各最強の冒険者1名』でヒールマスターを指名するぜ!! 」
これからの異世界行きの嬉しさでテンション上がってしまった。これでやっと・・・・・・。
「やっと決まったのねー。じゃあこの門をくぐりなさいな。
門を抜けると初心者冒険者のまち『フスト』に出るわ。」
ここから俺の人生の第二ラウンドの開始だ!!!異世界では日本のような引きこもり生活にならないことを切に願いつつ門をくぐろうと・・・・・・して、はたと気付いた。
俺、英語嫌いだったけど、果たして異世界語ってどうなんだろうかと。ちゃんとした教師がいて、教科書があったにもかかわらずできなかったのだ。もし、教師も教科書もないならまずは先人の日本人を探す所からだ。そんなの考えるだけでもいやだな。日本からの転生民がどれだけいるかわからないが、そこまで多くはないだろう。先人の日本人に出会えるかつその人が異世界語を喋れ、親切な人で教えてくれるなんて確率は10連ガチャで最高レア度全部を10体引き当てるぐらいのものだろう。そんなの志半ばで死にかねない・・・・・・。というか、生活出来なかったら志半ばではなく半日で死ぬ。
これは由々しき問題だと思った俺は聞いてみる。
「なあ女神、俺ってあっちの世界の言葉って話せるの?」
「あー忘れてたのよ。女神の超すごい女神パワーで日本語の知識をそのまま異世界語に入れ替える事ができるわよ。」
なるほど、忘れてた・・・・・・。ざっけんなよこの女神。俺が思ったような異世界暮らしから始まってたらどうすんだよ。まあ、未遂で良かったと言うべきか…...。
えっと・・・・・・?日本語という概念をそのまま異世界語にするのか・・・・・・?それなら習得も先人探しもしなくて良さそうだ。
だが、うっかり記憶が抜け落ちちゃった!なんてなったら笑えないし、取り返しがきかない。聞いておくべきか。こいつならやりかねないし。
「めーがみー、入れ替えだけにとどまらず記憶消えるとかない・・・よね・・・・・・?」
「んーー大丈夫よ。私は女神なのよ! 失敗なんてしないわ!」
どうしよう、心配しかない。大丈夫も煮えきらなかったし・・・・・・。こいつ女神とか言ってるけどチートもしょうもない欠陥しかないし、大事なこと忘れるし、心中をそのまんま見通された見通す目の信憑性だけは認めるが・・・・・・見通す目?
そうか、見通す目。それで未来とか記憶入れ替えの成功率を見てもらえばいいのではないのか?多分できるのではないだろうか。
「女神ー、その見通す目とやらで成功するかしないか確認とかできないのか?流石に未来は見通せないのか?」
「出来るわよー。だって私女神だもの!全部は無理でも少し先の未来ぐらいはできるわよ。」
出来るなら最初からやればいいのに・・・・・・。いや、こいつバカそうだし忘れてたのか・・・・・・?これからはちょっとの疑問でも聞いていくとしよう。こいつは頭は残念だが、能力はすごいからな。聞けば重要なことが聞けるかもだしな。
「うん。見通す目によると大丈夫みたいね。まあ、私が失敗するはずないけど。あと、私の能力をそんなに褒めないでよね。これはあなたに授けれるようなものじゃないのよ。残念だったわね。」
・・・・・・忘れてた、こいつ心見通せるじゃん!ってか頭は残念ってのはノータッチなんだ・・・・・・。やっぱこいつ馬鹿だな。そんなことを考えつつ、できるといったことを信じ、
「女神さまー。じゃあ記憶の入れ替え頼みます。」
「はい、出来たわよ。これで、大丈夫なはずよ。」
・・・・・・'はず'なんだ。まあ確認の仕様がないし信じるとするが。
「実感無いな。まあ、なんにしてもこれでやっと俺異世界生活の始まりだ!」
本当に記憶は入れ替えれたのか、なにかしらの副作用や記憶の消去とかないのか、大事なことがまだあるのではないか等の心配は尽きないが・・・・・・。腕だけはいい女神のことだ、大丈夫だろう・・・・・・きっと。
そんな心配だが、異世界転生前の俺はそれを上回る期待があった。俺はそんな期待を胸に、俺は門に向けて歩き出した。
あ、そいえばあの女神様の名前聞くの忘れた・・・・・・。名前ぐらい聞けばよかった。俺に第2の人生を与えてくれた人なのに。次会った時にしっかり聞くとしよう。
そんなことを考えながら門を潜り数歩歩くと ・・・・・・。
「うっっ。」
視界が白く染まり、視界が色を取り戻したとき、目の前には知らない光景が広がっていた・・・・・・。
こんにちは。タルトです。初めて書いた小説どうだったでしょうか。少しでも面白いなと思っていただけると幸いです。
皆様が読んだ感想を教えてくださると嬉しいです。
ダメだしや、誤字脱字などでも、教えてくださいね。
皆様の感想は全て読ませて頂き、今後に活かしたいと思います。
ここまで読んでくださった皆さん本当にありがとうございました。