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【番外編】クリスマス茶話会 (『『絶望』少女と不思議の塔』編)

作者: 紺海碧

 はじめに。

 皆様、この度はお越しいただきありがとうございます。

 この短編は、筆者の別連載『『絶望』少女と不思議の塔』の番外編となります。

 先にそちらに目を通して頂いた方がより、この作品を楽しんでもらえると思います。

 また、会話劇のため、本文は会話文のみ、地の文なしとなっております。そして、どれがだれのセリフかの明確な指定がないのは仕様です。

 それでは、この先へお進みください。

 メモ


 親愛なる三人へ


 三人で(ガイドラインに抵触しない範囲で)自由にクリスマスっぽいトークをしてください。

 あと、ネタバレもしないでくれると嬉しいな!


 紺海碧


   *   *   *


 「はいはーい!

  皆さんお揃いですかー?

  点呼取りまーす!」


 「と言っても三人しかいないけどな」


 「ほんとだ」


 「別にいいじゃん、雰囲気作りだよ!」


 「でも、なんでこんなとこにオレたち集まってるんだよ」


 「あれ、なんかここに書いてる」


 「そっそっそ。

  あーちゃんの頼みで、今年はわたしたちになんかクリスマスっぽいトークしてって頼まれたの」


 「誰だよ、“あーちゃん”って」


 「“(あお)”だから“あーちゃん”だよ!」


 「あ、ここの署名に、“紺海碧”って書いてある。

  このメモを書いた人のことかな」


 「そう!

  苗字が“紺海”で、名前が“碧”なんだよ」


 「初耳だな」


 「うーん、普段スペース入れないみたいだし、間違われても特に訂正もしないから、知らなくて当然なんじゃあないかな」


 「そうそう。

  だからここで言ってくれって頼まれたんだけどね!」


 「前置きは分かったから、さっさと本題に移ろーぜ。

  このままじゃこいつの宣伝だけで終わっちまうぞ」


 「クリスマスかあ。

  なんだろ、お菓子が美味しい......、とか」


 「食いしん坊のコメントだな」


 「うっさい!

  ほんとなんだから、いいじゃない。

  そう言うナツは、どうなのよ」


 「ん~、オレか?

  ぱっと思いつくのは、今年のクリスマスは、某大人気アニメの映画の公開があるってことか」


 「今年って、2018年? それとも2021年?」


 「さあ、どっちだろうな。

  でも、そんな年の暮れに、わざわざなろうのこんな片隅に読みに来る奴なんていねーだろ」


 「自虐ネタだ」


 「そんなこと言わないでよー。

  でも、そんな夜には短冊に願い事を......」


 「「それは七夕」」


 「あ、だけど、クリスマスソングって、夜のイメージあるよね」


 「なんなら歌って確かめてやろうか?」


 「それされると垢バンされるのでやめてくださいってあーちゃんが」


 「ちっ」


 「はいはい、歌いたいのはわかるけど、そうなったらあたしたちの人生も終わるから」


 「そうそう!」


 「あとで夢の中に出て行ってやる」


 「やめたげて」


 「そうだ、クリスマスならではのイベントって思いつくのある?

  プレゼント交換とか!」


 「アドベントカレンダーとかか?」


 「アドベントカレンダーとは何ぞや」


 「こう、カラフルな箱で、十二月になったら毎日一個ずつ、日付と同じ数字が書かれたドアを開けて、中に仕込まれたお菓子を楽しむ」


 「こんなやつだよ」


 「なんでここにあるの」


 「さあな」


 「あ、メモ。

  『イメージですがどうぞ』って」


 「うわ、すごーい」


 「ちなみにあいつは実物一回しか見たことないらしいぞ」


 「あ、シュトレンも食べたことないって言ってたよ」


 「まじか」


 「そんな奴がこれ書けるのか?」


 「なっちゃん、しー」


 「あたしたちは塔でユキさんに......」


 「ミサ、それこそネタバレなんじゃね?」


 「あっ」


 「クリスマスクリスマス......。

  雪だるま、かまくら」


 「雪だるまはクリスマスってより冬の風物詩だな」


 「雪だるま作ってみたい!」


 「わたしかまくらー

  あ、あーちゃんに頼んでみようかな」


 「でも、やつが作ったことないならオレらも出来ないんじゃねぇか?」


 「そこはあーちゃんに......」


 「あ、メモが来たよ。

  『前向きに検討します』、だって」


 「どこぞの政治家か」


 「ふふっ、楽しみだなあ」


 「塔で出来ないかな、学校の周りとかでは雪、積もらないから」


 「それなら、あーちゃんじゃなくて、ユキさんに頼めば......」


 「「あ」」


 「そういえば、ユキさん、来れなかったんだ」


 「あの人、歩くネタバレだから」


 「三人称ですら呼べないからな」


 「それを言うと、なっちゃんも同類なのでは」


 「あ、メモ」


 「今度はなんだ」


 「『ナツ、貴女も同類です』」


 「ほら、あーちゃんもそう言ってる」


 「......、やっぱギター持ってきて、一曲歌ってやろうかな」


 「後でにしてね、ここで歌うと洒落にならないから、ほんとに」


 「なろうに載せない分は歌って構わないから」


 「ちっ」


 「はい、舌打ちカウンター2」


 「なんだよそれ」


 「わかる人にはわかるやつ」


 「はいはい、二人とも、話脱線し過ぎですよう」


 「元凶はお前だろ」


 「あたしたち全員同罪だと思うけどね......」


 「はい、クリスマスと言えば?」


 「殺人事件」


 「おいやめろ」


 「キャンプ」


 「バンされるぞ。

  もっと、普遍的なものを」


 「サンタ」


 「その話深掘りすると物議醸すからやめよう」


 「トナカイ」


 「あ、そうだ、赤鼻のトナカイって、ほんとにいるのかな?」


 「そもそもあたし、本物のトナカイにお会いしたことない」


 「なんで微妙に敬語が混じってるんだよ」


 「トナカイ......、空飛べるかな」


 「......、怖そうだから、あたしは遠慮するよ」


 「オレもパス」


 「え~、楽しそうじゃん」


 「そこまで言うなら、ユキさんに......、あ」


 「「?」」


 「十二月二十四日......、ユキさんの、誕生日だ」


 「「あ」」


 「クリスマスイブ......、確かに、そうだったね」


 「じゃあ、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼント、一緒でいいよな」


 「それは......、かわいそうかと......」


 「ねえ、ミサ。

  何渡すのかな?」


 「......、ないしょ」


 「え~、教えてよう」


 「ネタバレだから!」


 「そういわれると、追及出来ねえな」


 「ほっ」


 「後でナツの演奏と共に訊いたげる」


 「やめてー」


 「おお、そうするとオレが訊けなくなるからな。

  オレのライブの前と後、どっちがいいか?」


 「どっちも嫌!」


 「ではでは、エンディングトークですっ。

  今回の反省点。

  わたし、点呼取り忘れました!」


 「それよりも、まったく『クリスマスっぽ』くないのが一番の問題だろ」


 「あたしは、どうせならユキさんも呼びたかったなぁ......」


 「来年は?」


 「来年......、そこまで生き残ってるのか、こいつ?」


 「それは......まあ......」


 「やるとしても、わたしたちが呼ばれるとは限らないかもって、メモが」


 「あ、ひょっとして、修学旅行で会った、隣町の学校の六人組......」


 「来年、あいつらがお披露目出来たら、か。

  これ、ネタバレだよな?」


 「『宣伝&追い込みの為、言っちゃって良かったですよ』って、あーちゃんが。

  ということは、いつか、十人で出来る日が来るかもね!」


 「ちょっと、それは、大変そう......」


 「それでは、今回、お届けしたのは、」


 「神崎 ナツ、と、」


 「あたし、花丘 心咲、と、」


 「わたし、有川 かえで、でした!

  それでは皆様、」


 「「「メリークリスマス、そして、よいお年を!」」」


 「来年もよろしくね! ......こそこそ」


 「こら、花丘、逃げるな」


 「ぐっ」

 この後の展開は、皆様のご想像にお任せします。

 皆様、筆者からのクリスマスプレゼント、楽しんでいただけましたか?

 この読みにくい仕様、決して、筆者が書いているうちにどれが誰のセリフか、分からなくなってしまった訳ではありません。はい。

 冒頭、筆者の宣伝を挟んだりしましたが、書いていて筆者自身はすごく楽しかったです。

 また、このような筆者が大暴れする番外編、個人的にすごく好きなので、自分でもやってみて癖になってしまいそうです。

 それでは、皆様、ぜひお帰りの際には、下のお星さまに触れた上で、足元に注意してお帰りください。

 よいお年を。

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