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3. 金色の犬と妖精の母




「シド、あなたは犬なの?どうして言葉が喋れるの?」


「私はただの犬だよ。私が喋れるのは、ここが魔法の森だからさ。私と主人も、この森に迷い込んでしまった。一緒に帰りたかったのだけど、主人は居なくなってしまった……。だから私はあの家で、主人の帰りを待っているんだ。」


 芝生の丘を歩きながら、シドは教えてくれました。




「あそこが妖精の一家の家だよ。」


 見ると、丘の上に赤い屋根の家が有りました。


 屋根の上には、こんもりと緑の葉っぱが茂っています。


 家の外には、黄色い生き物が何匹もいました。




 黄色い生き物は、耳の垂れた犬でした。


 つやつやの長い毛が光を受けて、キラキラと黄金のようです。


 犬たちはオリとシドに気付くと、こちらに走ってきました。


 オリに近づくと、しきりに匂いを嗅ぎました。


 冷たい鼻がほっぺに触れて、オリは首をすくめます。




「こんにちは、シド。この子はどうしたんだい?」


「こんにちは、チャック。リーナがいたずらをしたせいで、ここに迷い込んでしまったらしい。ティータに会わせてくれないか。」


「そりゃ大変だ!さぁおいで。」


 犬のリーダーは、チャックという名前でした。


 チャックに案内されて、オリとシドは赤い屋根の家に近付きました。




「ティータ!お客さんだよ!」


 チャックが吠えると、扉が開きました。


「うるさいよ!チャック!ピートが起きてしまうじゃないか!」


 中から出てきたのは、ふっくらとした大きな女の人でした。


 頭には、花と蔓で出来た冠を被っており、丸いほっぺはほんのり赤くて、快活そうな人でした。




「おや、シドじゃないか。一体どうしたんだい?」


「こんにちは、ティータ。この子を助けてくれないか。」


「この子?おやまぁ!人間の子供だね!」


「リーナのいたずらで、迷い込んでしまったみたいなんだ。」


「なんだって!あの子はまた!やれやれしょうがない。さぁ、とにかくお上がりよ。お茶でも入れてあげよう。」


 シドとチャックが説明をしてくれたおかげで、オリは何も話さずにすみました。




 オリは、ほっと息を吐きました。


 初めて会った相手に、少し緊張していたのです。


 それに、とてもお腹が空いていて、喉も渇いていたのでした。





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