エピローグ
個人的にも銃が好きなので書いていきたいです。 月水金土日更新します。
「レオルド様、どこにいらっしゃいますか。レオルド様。」
その声で目が覚めた。どうやら考え事をしているうちにねてしまっていたようだ。 丘の下には執事のクレオールの姿が見える。
「クレオール、私はここだ。どうかしたのか?」
彼のは私の姿が目に入いるやいなかここに駆け寄ってきた。普段の彼の様子からは考えられない狼狽っぷりだ。
「大変です。レオルド様。スタンリー様の容体が急変しました。すぐに屋敷に戻ってください。 丘の下に馬がいます。それに乗ってください。」
私はクレオールに短い礼を言ってすぐに馬に乗った。ここから屋敷まで2キロ程だ。2分もあれば着くだろう。馬に乗って1分過ぎたあたりで玄関の前に誰かいるのが見えた。 たぶん、メイド長のクレアだろう。
門をくぐったところでクレアがこちらに向かって走ってきた。
「レオルド様、スタンリー様がお呼びになっています。」
「わかった。ありがとう。」
そう言って私はお爺様がいる部屋まで急いだ。 扉の前には医者がいた。 たぶん、クレオールかクレアが呼んだんだろう。
「とても言いづらいのですが、スタンリー様はもう長くないと思はれます。」
彼はそう言うと、扉を開けたままその場を去った。
「お爺様。失礼します。」
私はそう言って、部屋の中に入った。お爺様は見るからに弱り切っていた。 そばに来たのがわかったのか彼は目を開けた。
「レオルドか、呼んでしまってすまない。いつものところにいたんじゃろ。」
「あ、はい。でも大丈夫ですよ。」
私が、そう言うと彼はほっとしたようだ。
「私は、もう先が長くないだろう。たぶんこの命は後数時間で消える。だから、最後にお前と話をしたいんだ。 お前は、徴兵令のことで悩んでいるんだろ。」
お爺様には全部お見通しらしい。
「はい、受けるか、受けないで。」
普通ならこんなことで悩まないんだろう。しかし、この国では貴族は徴兵令が来ても受けなくてもいいのだ。
「こんなことで悩む貴族はお前ぐらいだぞ。だが、お前は受けるんだろう?私がダメと言っても。」
「いえ、そんなことはありません。お爺様の御命令ならば、受けません。」
私がそう言うと、彼はニヤリと笑った。
「本心に逆らうな。レオルドよ。お前はこの機会を心から待っていたはずだ。」
やはり、お爺様には敵わない。私の全てがわかるのだ。
「レオルド。いいか私があの日からお前を鍛え上げてきたのはこの日のためでもあるんだよ。お前の能力はすでに私以上だ。 この世界での生き残る力もすでに持っている。 だから、自分の本心に従いなさい。」
彼はそう言うと、眠ってしまった。会話するのにかなりの力を消費したのだろう。
私はお爺様の部屋を後にした。そして、丘から帰ってきたクレオールに明日から王都に向かうと告げた。返事をしたクレオールの顔は少しだけ誇らしそうに見えた。
翌日、お爺様は死んだ。不思議と涙は出なかった。私は、昔から人の死にかかわりすぎていたのだ。感覚が麻痺しているのかもしれない。 しかし、同時に吹っ切れた自分がいた。
お爺様の死から三日後、私は王都へと向かった。
レオルドの愛称はレオです。