変わる日常 3
早く投稿するつもりでしたが、
某百合小説の金字塔を読みかえし、
自分の書いているものとのレベルの差に唖然
としてしまいました。
こんな下手な作品ですが面白くなる様に努力
したいと思います。
とにかく沢山書いて地力をつけたいです。
「あら、一条さん。部長さんに話を通してないのね?」
美しいお顔に微笑を浮かべながら、内藤先輩は一条さんから目を逸らした。
それは私にでも分かるような明確な意思表示、話にならないとでも言うような余裕さえ感じさせる動作だった。
「ぐっ、それは……相談する時間も惜しかったからよ! 部長には当然報告するつもりだったわ」
「そこで解答に窮するようでは、まだまだ甘いよ。一条さん」
口を挟む部長を一条さんはキッと睨みつける。
「美人が怒るとこわいねぇ」
「部長は余計な一言が多いんです!」
スッと私の後ろに引っ込む部長を窘めておく。
一条さんからはさっき迄の叩きつける様な勢いが感じられない。
部長に許可を取るという事は多分、新聞発行の為の決められた手順なんだろう。
それにしても、先輩は新聞部の部長さんに話を通してないと何処で気づいたのだろうか。
この小学生の様な女子生徒の会話を受けての発言に見えたんだけど……。
「監督不行届じゃない?部長さん」
「えーーーー!」
私は慌てて口を両手で塞ぐ。あまりの驚きに口が勝手に反応してしまった。
部長と呼ばれた女生徒以外が一斉に視線を私に向ける。
「すいません、大きな声を出してしまって」
皆の注目から逃げるように取りあえず謝ってしまった。
まさかこの女生徒が、新聞部の部長だとは夢にも思っていなかった。一年生は小さくて可愛いなと思っていたくらいだ。
女生徒は小さくため息をついたあと私に向き直ると、
「いいんですよ、馴れていますから。えっと、中学生に見えるかもしれないですけど、新聞部の部長やっています。三年、朝霧 優と言います」
ぺこりと頭を下げて丁寧に挨拶をされた。
中学生どころか小学生に見えているとはとても言えない。
「す、すいませんでした。二年生の渚 沙耶です」
私の名前を聞くと朝霧さんはその小さな手を胸の前で合わせると、
「ああ!貴女が亜香里さんが話していた脚本家の卵さんですか!」
うちの部長はどこへ行っても私の話をしているんだろうか、一体どんな説明をしているのか不安になって部長を確認すると、案の定苦笑いを向けていた。
「聞いていたより可愛い方でびっくりです。今度取材させてくださいね」
弾ける様に微笑む朝霧さんに心が和む。可愛いって言われるとやっぱり嬉しいもので気恥ずかしくて頬をかいた。
「話が逸れてしまったけれど、この記事の事でお邪魔したのよ」
少し強めの語気で内藤先輩は破れた新聞を朝霧さんに手渡した。
「これは……新聞部の物ですね」
受け取った新聞に真剣に目を泳がせる朝霧さんも気にはなったが、私が話の腰を折ったことで内藤先輩の機嫌が一層悪化している様な気がした。
内藤先輩の隣に移動し小声で伝える。
「あの、すいません。話の腰を折ってしまったみたいで」
先輩は一瞬目を閉じたあと、
「……いいのよ、私も少しイライラしてたの。渚さんのおかげかしらね、怒りのテンションが少し落ち着いたわ」
確かに、先輩の表情は先程よりも幾分か柔らかくなった様な気がした。
「渚さんは朝霧さんの事知らなかったの?あの容姿もあって校内では有名なのよ」
「えーっと、なんと言っていいのか。私って興味の無いものにはとことん無頓着なんですよね」
「そうなの?じゃあ私の事も知らなかったりしたの?」
「いえいえ!内藤先輩の事は知っていましたよ」
知っているどころかずっと見てましたから。
「そうなの?何故私を知っていたのかしら、理由が気になるわね」
これは困った展開になった。本当の事なんてとても言えない。
「あ、はは、それはですねぇ」
脳をフル回転させて上手な言い訳を探す。
一秒間程度で浮かんだ数個の案は残念ながら不採用だ。
ああ、本当にこういう時だけは部長の脳と取り換えたい。普段は絶対嫌だけど。
テンパっている私を救うかの様なタイミングで、新聞から目外すことなく朝霧さんが声を発した。
「……一条さん……」
呟く様なその声はその声量に反して、その場全員の注目を瞬時に集めた。
声に込められた殺気とでも言うのだろうか。最も過剰に反応したのは当然だけど名指しを受けた一条さんだった。
「は、はい!」
お読み頂き本当にありがとうございました。
読み辛い点や、話のテンポが悪い等色々あると思います。
頑張りますのでまたよろしくお願い致します。