内容がカオス
僕は、バイトから帰り、リビングで一息ついていた。
夏休み中だけとの約束だったので、シフトは一杯入れてもらった。
ただ、勉強をおろそかにしてはいけない。部屋で勉強をしようとするも、暑さでどうも体が動かない。
リビングに場所を変えて、勉強道具を持ってきたけど、なかなかやる気が起きない。本当、自分の部屋で勉強出来れば、はかどるのに……。
そうこうしていると、すぐに夕ご飯になる。
夕ご飯をたべ、風呂に入って、僕は部屋に戻る。
……暑い……。
そして、交換日記を広げる。
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私もエアコン欲しい……。
こんにちわ~☆
ユウスケ、ダメだよ? 高い武器が欲しいからって、両親と戦っちゃ……。
そりゃ、経験値とお金が入るかもしれないけど……。
両親は大切にね☆
私もエアコン欲しいなぁ……。
エアコンあると、スライムとか楽に倒せそう……。
あ、もしかして、魔王も倒せちゃったりする?
そうそう、次の村に到着したよ!
周りはプチデビルばかりだから、経験値の効率も良いの♪
今日でレベル9になっちゃった☆
明日には魔法が使えるかも。
じゃあ、またね~☆
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……。
やっぱり、エアコンも通じないか……。
エアコンで魔王を倒す……想像すると、おかしく思えた。
どうやって倒すのかな……鈍器? いや、重すぎるだろ……。冷房で冷やして……そもそも電気なんてあるんだろうか?
そして、両親と戦って経験値とお金って……それじゃ、まるで不良息子だ。……って、両親倒して経験値って……。
そう思いを巡らせながら、僕はベッドに体を預けた。
・・・・・・
さて、武器にされたエアコン。どうしたものか……。そう考えながら、バイトに励む。
「こら! 雄介! 考え事なら、後にしてくれ」
ぼーっとしていた、僕に店長が怒る。
いけない、ちゃんとバイトに集中しなきゃ……。
「でも、雄介、悩んでるなら、俺にも相談してくれよな!」
店長は気さくに笑う。
見かけは、怖いおっさんだけど……。とても親身にしてくれる、良い人だ。アルバイトの面接でビビっちゃったことも、思い出しちゃったけど。
でもまぁ、異世界とつながったっぽい交換日記の事で悩んでます。なんて、口が裂けても言えないよな……。
「大丈夫です。何でもないです」
「おう! じゃあ、しっかり頼むぞ!」
こうして、バイトに忙しい今日は、終わりを告げる。
こうしていると、本当普通の日常なんだけどなぁ……。
唯一、おかしくなってきてること、それは……。
そう思いながら、筆を走らせる。
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ディベートなんです!!
こんにちは。
両親と戦う……って言っても、倒さないよ?(笑)
討論です、ディベートなんです!
ただ、経験値が入るかは、知らないけど……。
リノンは武器に頼ってはいけません。
エアコンは確かに魔王を倒すくらいの、破壊力があります。
けど、使用者が育ってないと、高価な武器も役に立ちません。
だから、リノンにはもっと成長してほしいなって、思ってます。
経験値効率よくなって、良いなぁ……と思います。
僕も経験値で成長したいな……とか。
レベル10到達楽しみですね!
また、返事しますね。
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この、交換日記だ。
いい加減、内容がカオスになってきた……。でも、良いことも言えたような気もする。
最近、なんだかこの交換日記も楽しくなってきた。ソーシャルゲームで『放置ゲー』とでもいうのだろうか? 僕が書いた言葉に、反応してくれる……そんなゲーム感覚。
交換日記を閉じ、僕は残った宿題に手を出してから、ベッドで横になった。