エアコンバトル
それにしても、今年の夏は暑い。僕の部屋でも30度を超える。流石に……耐えられない。エアコンが欲しい……。
「父さん、母さん」
「なんだ?」
「部屋にエアコンが欲しいんだけど……」
「ダメだ」
「なんで?」
「リビングでエアコンが効いているだろ」
両親に申し出るが、父さんにあっさり断られる。
こうなったら……自分のバイト代で……。でも、エアコンをつけるには、いくらかかるんだろう?
ぼーっと考えながら、リビングで宿題をこなす。
アルバイトも学業をおろそかにしないとして、了解をもらったところ。
時期としては、お盆明け。宿題は概ね半分を残すところとなり、終わりが見えてきた。
「ただいま」
「父さんお帰り」
気か付けば、父さんの帰る時間になっていた。
母さんは、食事の準備を始める。
「ねぇ、父さん」
「エアコンか?」
「うん、リビングだと落ち着かなくて……」
「ダメだ」
「なんで? 僕は僕の部屋で勉強をしたいんだ。そのためと思って投資を……」
「投資って、なんだよ」
そういっている間に、食事時になった。
「ご飯よ~」
僕と父さんの前に、食事が並ぶ。
「「いただきます」」
僕と父さんと、合わせて挨拶。
「僕のバイト代でエアコン買うのはあり?」
「それもダメだ」
食事中に話題を振っても、父さんは反対してくる。まあ、突然言い出したものだから、仕方ないといえば、そうなる。
「ごちそうさま」
僕は早めに食事を終わらせると、僕の部屋に向かった。
そう、交換日記が気になったから。
交換日記は、机の上で静かにしている。
「返事、来てるかな?」
恐る恐る、交換日記を開く。
そこには、返事が書いてあった。
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カジノ…ギクッ!!
こんにちわ~☆
夏バテって何ですか?
新手のモンスターですか? 強そうです。
ユウスケも負けないように、頑張ってくださいね☆
カジノ……お金……(/ω\)
ちょっとだから……ね? って、言っても、まだ先の話だからね~。
兵長だったんですか?
それに眠りの魔法が使えるんですね?
間違って自分にかけてるみたいなので、気を付けてくださいね!
……なんか、ユウスケが私のパーティーに居ればなぁ……(>_<)
そろそろレベル8になりそうなので、せかされてた村に行くね~。
またね~☆
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……。
夏バテも意味が通じないか……。どうもモンスターに襲われているとでも、思っているようだ。
しかし……カジノはリアルな話だな……本当、ゲームの世界に居るような、そんな気がした。
そして、兵長と思われたらしい。……ゲームの話なんだけどな……。本当にこちらの世界の事をわかっていないらしい。
「もし、AIだとしても、リアルだなぁ……」
僕は、まだ信じ切れては居ない。
突然現れた日記に、ファンタジーな世界とつながったなんて……普通理解できないだろう。僕も例外ではない。
僕は、返事は1日おきとして、この交換日記を続けてみることにした。
・・・・・・
今日はアルバイトの日。ファミレスのアルバイトをこなして、家に帰りついていた。
リビングで涼んでいると、父さんが帰ってくる。
「ただいま」
「お帰り」
短い挨拶を交わす。そして、僕は本題を切り出す。
「父さん、やっぱり僕の部屋にエアコンが欲しいんだけど……」
「贅沢だ」
「なんで? だって、夜に熱中症とかなる場合もあるんだよ?」
「……そう……だな」
「熱中症対策に、エアコンを!!」
「ちょっと考えてやる」
その返事に、僕は少しだけ安堵する。考えてくれるなら、一歩前進だ。こうなれば、また明日も交渉すれば、何とかなるかもしれない。
部屋にエアコンを夢見て、食事を終え部屋に戻る。
そして、交換日記に僕は綴る。
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両親と戦ってます!
こんにちは。
夏バテは最強クラスのモンスターです。
今の僕では太刀打ちできません。
対抗手段はエアコンなんですが、これが高くて手が出ません……。
今、両親と戦っています。
カジノ、散財しないことだけ祈ります……。
眠りの魔法は、出来れば先生に使いたいところです……。
どうしても、自分にかけてしまいます……。
僕がパーティーに入っても、お役に立てるかわかりませんよ?
あと、次の村のこと行けたら聞かせてくださいね。
レベル、やっぱり上がり辛そうですね……。
無理してやられないようにしてくださいね。
また返事しますね。
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とりあえず、夏バテという架空のモンスターを作ってみる。ゲーセンの話は、なんかややこしそうなので、一旦やめ。
あとは、向こうの状況を何とか引き出したい。
次の返事で、その事を書いてくれることを願って、僕は眠りについた。