リノンの冒険
今日は休みの日。
年末年始はバイトだったけど、お客さんの入りも少なく、楽をさせてもらった。特別手当もついたので、本当に良いのか疑問にも思えた。
のんびりしながら、リノンの返事を待っていた。
そうしていると、交換日記はあわく光り、返事が来たことを知らせる。
僕は優しく広げる。
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リノンの日記 最強魔法、その名も……!!
大好きなユウスケへ☆
……ぎくっ……(;´・ω・)
……な~んてね♪
実は、私、ユウスケの世界ってところも少し調べてみたの。
ユウスケの好きな水族館ってどんなところかな……って。
展示してあるお魚を見るだけの場所なんだね。
……私の「魚好き」は食べるほうだけど……(´・ω・`)
でも、ユウスケの好きなこと、私も理解したいと思うんだ……。
だから、私も連れてってねー☆
そして!
なんと、レベル75になって、最終魔法を覚えたのー(^_-)-☆
その名も、「ファンファーレ・レイ」!!
仲間の魔力×100倍の攻撃をする魔法で、魔王をこれで仕留めると、裏エンディングなんだって~☆
これで、私もチーターかな?
じゃあ、またね~☆
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「最終魔法……かぁ」
僕は独りつぶやく。
リノンの物語は、もう終わりに近づいている。
「でも……」
ツッコミを入れたい事。
「剣士って、魔力あるんだっけ?」
仲間は女剣士のシルビィだけのはず……。きっと不発に終わる……。
……てか、裏エンディングって何? 表は!? チーターって、リノンの世界にもあるの??
ツッコミも置いといて、僕は前半の部分を読む。
「……」
リノンの世界にも、こちらの世界が見えるのだろうか? そして……調べることが出来るのだろうか……。
魔法がある世界だから、それもわかるのかも知れない。
けど……なんだか不思議な感じ。僕にとってはリノンの世界は、空想でしかない。きっとリノンの世界でも、同じなのかもしれない。
交換日記を閉じ、魚料理のアイディアを考える僕だった。
・・・・・・
交換日記を開き、僕はリノンへの返事を書いていた。
魔法の事……気になるし、聞いてみよう……。
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……その魔法なんだけど……。
大好きなリノンへ。
水族館……そう考えてくれてたなら、僕もうれしいよ……。
リノン、ありがとう……。
僕は魚を見るのが好きだから、一緒に見れると嬉しいよ。
……食べる話は禁止だからね……。
冬休み中はシーズンで高かったので、冬休み開けてから行くことにしたよ。
行ったら、報告するね。
……その魔法なんだけどさ……。
仲間の魔力って今いくつなの?
仲間って、シルビィだけで女剣士だよね?
……ひょっとしたら……今って使えないんじゃないかと、思ったから……。
じゃあ、またね。
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水族館……本当に一緒に行けると嬉しい。
でも……まだ、どちらの世界に誰が行くかも決まってない。
それに……。
「……いや!!」
また、僕の中で否定したい言葉を打ち消す。その可能性は、考えたくない。
僕がそっと交換日記を閉じると、なだめるように光り、リノンに届けられたことを伝えてきた。




