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バイト始めました

 翌日。


 僕は、バイトの面接を受けていた。

 冬休みにはちょっと早いけど……。もし、リノンがこっちの世界に来た時の軍資金が欲しい。

 バイトは夏と同じ、ファミレス。


 「おう! 雄介! 元気だったか?」

 「おかげさまで」


 ……面接と言うのだろうか? 前回バイトしたこともあって、店長とは顔見知りになっていた。


 「最近見ないから、心配していたぞ?」

 「いや、学校ですから……」


 店長は気さくに話しかけてくる。


 「で、休日と放課後2時間でいいか? あと冬休みも……」

 「え? もうですか?」

 「雄介なら、前に働いた実績もあるし、即採用だよ! なんだったら、ずっと働いてくれないか?

 「ずっとはちょっと……」

 「そっかぁ……」


 店長は少し、残念そうな顔をする。

 そんなに僕、上手く働けてたんだっけ?

 シフトの表を店長から手渡され……って、電話で面接を申し込んだだけなのに、もう準備してあった!?


 「……店長?」

 「期待してるぞ!」


 ……何のための面接だったんだろう……僕は、肩透かしを食らった気分になった。


 ・・・・・・


 面接から帰宅し、僕はベッドで横になっていた。

 頃合いから、そろそろリノンからの返事が届く時間。

 ぼーっと、交換日記を眺めていると、リノンから返事が来たことを知らせる。


 僕は、交換日記を手に取り、新しいページを読む。



 ------

 最大レベルは99だよ~☆


 大好きなユウスケへ☆

 うん、経験値良い感じなんだもん♪(^_-)-☆

 強くなるって快感がたまらなくて……ね?


 武器は変えるわけないじゃない!

 だって、ユウスケがアドバイスしてくれた装備だよ?

 それに……このドレス、お気に入りなんだ~☆


 レベルの最大?

 えっとね、99だよ。


 魔王はね……ご先祖っていうのかしら?

 前の勇者パーティーは5人で、平均53だったって聞くわよ?


 私、人見知りだから、シルビィとの2人が限界……( ;∀;)

 それに、私の装備で挑むなら、もっとレベル上げなきゃ♪


じゃあ、またね~☆

 ------



 「あはは……」


 相変わらず、ツッコみだらけの返事。

 レベルにしても、仲間にしても、装備にしても……。リノンらしいと言えば、そうなる。


 「僕のアドバイスなんて、聞いてないくせに……」


 独りつぶやきながら……少し笑いながら……。

 ……もう、魔王と戦えるレベルまで、成長していたんだね……。


 「相変わらずの縛りだなぁ……」


 ほぼ初期装備。本気でこの装備で挑むようだ。

 リノンの世界では、シルビィ含めた二人に託されたみたい。

 なんとなく……この天然勇者に翻弄されている世界が、気の毒にも感じた。


 「僕の彼女が、ご迷惑おかけしてます……」


 そうつぶやいて、僕はベッドに身を委ねた。


 ・・・・・・


 バイトから帰り、リノンに返事を書く。

 出来るだけ……こっちの世界の話を出来るように……。



 ------

 またバイト始めました!


 大好きなリノンへ。

 ……やっぱり、99まで上げるつもり?

 そんなに上げたら、魔王逃げてかない?(汗)

 ……いくら何でも、逃げはしないかな……。


 ……装備については、それ以外に色々とアドバイスしてる気が……。

 ……いいけど。


 こっちはもうすぐ冬休みになるよ。

 また休みと学校終わりに、バイトして稼ごうと思う。

 僕はファミレスが板に着いちゃったらしいから、同じところにバイト行ってるんだ。

 うちの料理は結構評判だから、リノンがこっちに来たら、案内してあげるね。


 じゃあ、またね。

 ------



 「本当に来れたら……約束するよ……」


 僕がリノンの世界にいくのか、リノンが僕の世界に来るのか、まだわからない。

 いや……本当に逢えるのかもわからない。

 でも……もし、こっちに来たのであれば、色々と案内したい。

 そう……いろいろと……。


 僕は交換日記を閉じる。

 僕達の願いは叶うだろうか? 優しい光りと共に、リノンに届いたことを示す。


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