表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/81

交換日記が存在することに感謝

 ------

 現在レベル63だよ~☆


 大好きなユウスケへ。

 ……日記が消えることは忘れましょ♪

 今こうして日記が出来る事に感謝して…ね?(^_-)-☆


 もうすぐ冬休みなんだ……。

 こっちって季節があいまいだから、夏と冬が違うっていうのは、

 不思議な感じ……。


 こっちはね……そうね、手下の城のところからね。

 ……一瞬だった……。

 手ごわいイメージで居たんだけど、拍子抜けって感じだったの。


 で、今はクエストをこなして、転々と経験値効率が良いところ、探してるのだ~☆

 噂で聞いたんだけど、魔王城のそばには、あの固いモンスターの親分みたいなのが居るんだって♪

 今から楽しみなの~☆


 レベルは63だよ~♪


 じゃあ、またね~☆

 ------



 リノンからの返事。

 そう……交換日記が、こうして存在していることに、感謝しなければならない。今、僕達をつないでいるのは、これしかないから……。

 重ねていくにつれて、募っていく僕の気持ち……もう止めることが出来ない。

 僕達の物語が、悲しい結末にならないように、祈りながら……。


 「レベル63かぁ……」


 もうリノンの物語は、終盤なのだろうか?

 停滞していた、リノンの物語は急速に展開していく。

 もしかすると、リノンが魔王と倒すと……。


 「いや、考えないって、約束したんだ!」


 僕は、僕自身に向かって、ハッパをかける。

 明日……僕が書く内容を考えながら、僕は眠りについた。


 ・・・・・・


 そして、今度は僕が交換日記を綴る。

 リノンの世界……リノンの物語を、もっと聞きたくて……。



 ------

 最大レベルっていくつなの?


 大好きなリノンへ。

 ……わかった。

 今、日記があることを感謝するよ。


 ……相変わらず、経験値効率求めるんだな……。

 そんなに強くなってどうするの?

 武器とかは買ってる?

 もしかして……毒針2本とドレスだったりするの?


 レベル63かぁ……。

 ……もう、イメージができないかも……?

 そもそも、魔王ってどれくらいのレベルで倒せるかわからないし……。

 とあるゲームだと、結構楽勝だと思うレベルなんだけどな……。


 そういえば、最大レベルってどれくらいなの?

 99? 999? それとも無限?

 ……リノンの話を聞く限りだけど、999は無いかな……?


 ……ごめん、そっちの話ばかりになっちゃった……。

 また、教えてね。


 じゃあ、またね。

 ------



 「リノンらしいよね……」


 僕は独りつぶやく。

 最初っから。本当、最初っから、経験値を気にして旅をしている。


 「そんなに強くなって、どうするんだよ……」


 僕は、笑う。

 交換日記が消えてしまうことを、忘れて……。


 「まさか、装備は……変わってるよね?」


 いや、リノンの事だ……きっと、こだわって、変えてないに違いない。

 仲間……シルビィは大丈夫だろうか?


 僕は、交換日記が存在することに感謝しながら、そっと閉じる。

 感謝が通じたかのように、交換日記は優しい光で、僕に語り掛けてきた……そう思えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ