逢いたい気持ち
僕は昨日の事を思い出していた。
もしかすると……リノンがこっちの世界に来られる……そんな希望が。
でも……イメージと違って、嫌われたりしないだろうか?
……いや、それを考えるのはまだ先。今はとりあえず、リノンの冒険を見守りたい。勇者なんだから……魔王を倒す使命があるんだから……。
そうやって、ぼんやり考えていると、交換日記が光りだす。
リノンからの返事が来たみたい。
僕は、交換日記に手を伸ばす。
リノンは……僕達が逢える可能性を、どう考えているんだろう?
そう思いながら、日記を広げる。
……僕は、冒頭が目に入り、絶句する。
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優等生さん♪
大好きなユウスケへ☆
あはは☆
怒った~☆
ちょっと、ユウスケ怒らせてみたかったの♪
最近ね、モンスターが弱くて退屈だったの……。
少しでもユウスケに見てほしかったし……。
……。
ごめんなさい……。
世界を渡る方法だけど、そっちの世界よりもこっちの世界に、なんかヒントがありそうな気がするの。
だって、この日記、こっちの世界のものだから。
また、そっちの世界の話聞かせてね~☆
だから、ユウスケはしっかり勉強してみて。
……ね? 優等生さん☆
じゃあ、またね~☆
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「た、退屈しのぎ!?」
どっと、疲れが出る。
そりゃ……そんだけレベル上げりゃ、モンスターと戦うのも退屈だろうなぁ……。某RPGでも、前半にレベル上げすぎたら、モンスターも歯ごたえなくなるし……。
でも……リノンはリノンなりに、逢うヒントを探してるみたい。
交換日記……やっぱり、リノンの世界のものだったんだ……。魔法もある世界だし、不思議ではない。
こちらの世界には当然、魔法なんて存在しない。だから……ここはリノンに任せたいと思う。
いろいろな想いを巡らせながら、僕はベッドで寝入った。
・・・・・・
「ねぇ……ユウスケ? 起きて?」
優しい女の子の声がする。
「ん……」
「あ、起きた!」
僕の目の前には、小柄で見知らぬ女の子が居る。
「誰?」
「……ユウスケ、ひどい!!」
女の子は、頬を膨らませて怒る。
「私……ユウスケの世界に来ちゃった!」
僕は状況が整理できなく、頭の中でぐるぐるとめぐる。
「私だよ……私は……」
「リノン……」
僕は目が覚めると同時に、つぶやいていた。
・・・・・・
僕は昨日の日記を眺めながら、返事を考えていた。
……からかわれたし、仕返しがしたい。
僕は、日記を綴りだす。
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早く世界を救ってね。僕も祈るよ。
大好きなリノンへ。
……あまりからかわないでほしいな……。
……本気で怒るよ?
そっかぁ…確かにこっちの世界だと魔法とかはないからなぁ……。
じゃあ、こっちの世界にリノンがくる方法調べてほしいな。
そういえば、手下の城はどうなったの?
あんなに期待してたみたいだけど……もしかして街の周りで経験値稼ぎ?
今度のはあまり放置したらダメだよ?
だって、そばに魔王の手下がいるんでしょ?
住民たちはきっとおびえてると思うよ。
だから、僕もリノンが平和な世界を早く取り戻すことを祈ってるから。
じゃあ、またね。
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「僕はこうして、応援しかできないのだろうか……」
自分の不甲斐なさにジレンマを感じる。
「……逢いたいな」
今朝の夢もそう。
僕は……逢える可能性が見つかったことで、逢いたい気持ちがだんだん募っていく。
交換日記越しでしか見えない彼女……リノン。
僕は交換日記をそっと閉じた。
僕の想いを、のせてくれたのだろうか……優しく光り、リノンの元に返事が届いたことを告げる。




