夢見の魔法
……。
思い出せないけど、なんか変な夢見た……。
なんか……汗びっしょりで……。
なんとなく、リノンの夢だった……ような気がする。
けだるさを抱えながら、僕は学校に向かう。
「よっ! 雄介! ……って、顔色悪いぞ?」
「う~ん……ちょっと、ね。大丈夫だから」
大樹に声をかけられ、気怠そうな顔を見せてしまう。
心配されながら、校門をくぐった。
・・・・・・
……眠い……。
ちょっと、夢見が悪かったせいだろうか……。とても強い眠気が襲ってくる。
先生の声が心地よい子守歌に聞こえる……。
「……なので……になる。じゃあ、ここの問題を……新田!」
「は、はい! ……すみません、聞いてませんでした……」
「珍しいな……どうした? 体調でも悪いのか?」
「いえ……大丈夫です」
……先生にも心配されてしまった……。
今日は調子が悪いらしい。
・・・・・・
帰宅。
少し調子が悪いので、今日は一休みしてから、交換日記を見ることにした。
こんなに眠いなんて……久しぶりだった。
授業中にうとうとするなんて……。
少し寝て起きたら、少しスッキリしていた。
交換日記を開いてみると、もう返事が届いているようだった。
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……ユウスケのエッチ!!!
大好きなユウスケへ☆
やだ! 何想像してるのよ!! エッチ!!!
……でも、ユウスケになら…(/ω\)
そういえば、クエスト何だったかしら?
経験値稼ぎだったような?
……ん~っと…長老だったな? 聞いてみるね~☆
もうレベル55になったから、次の街に行く事にするね。
先に進めば、ユウスケが言ってたように、もっと効率良いかもしれないし。
最近、私の事ばかりだから、ユウスケの事も聞きたいな……。
学校の事とか聞かせてくれると嬉しいかも?
じゃあ、またね~☆
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「……」
前半、何言ってるのかわからない……。なんで、エッチなんて言われないといけないのだろう……。
てか、冒険の趣旨とか色々忘れてる!?
ただ……先に進むことを選んでくれたのは嬉しい。
学校の事かぁ……何書こう……。
あまりネタが無いような……。
起きたばかりだったけど、眠気が来たのでベッドで横になる。
そうしていると、自然に眠ってしまった……。
・・・・・・
すでに夕方。
僕は交換日記とにらめっこしていた。
さて……どう返そうか……。
そうだ! ちょっと自慢話でもしてみようか?
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ちょっとだけ自慢話し(笑)
大好きなリノンへ。
……なんかごめん……。
でも、ドレス姿のリノンの姿も見てみたいな……。
……クエスト、忘れたらだめだと思うよ……。
あと、使命も……。
もし、忘れてたらもう一度、始めの街に戻ってみたら?
僕の方は…学校の事かぁ……。
あんまりネタが無いかもしれないなぁ……。
先生の授業を聞いて、眠くなって……。
……あの先生も眠りの魔法を使うのかもね。
学校では一応成績は良い方で、たまに僕の事「優等生」なんて言ってくる奴もいるんだ。
……ちょっとした自慢話(笑)
じゃあ、またね。
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ドレス姿のリノンを見たいのは本当。
勉強も、本当。だって、いつもの日課でやってるから。
眠りの魔法……ネタを入れてみたけど、どう反応来るかな?
今回は反応が気になる内容を、盛り込んでみたので明日が楽しみ。
交換日記を閉じると、優しい光でリノンに伝えられたことを示す。




