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仲間大切に

 僕はいつものように、早く家に帰り交換日記を楽しみにする。

 今日はどんな内容が返ってくるか……そんな楽しみ。

 心おどらせながら、交換日記が光るのを待つ。


 交換日記が光るのは、大体同じ時間。

 その時が来るのを、待ってる僕。最初に交換日記を始めたころとは、全然変わってきている……僕の生活の一部になりつつある。

 そうしていると、交換日記は光りだしたので、僕はすかさず交換日記を手にする。


 ------

 私は焼き魚が好き~☆


 こんにちわ~☆

 ユウスケは刺身?っていうのが好きなんだ?

 刺身って知らないなぁ……どんなの?

 ユウスケはどんなお魚が好きなの?

 私は「カワカミ」ってお魚が好きなの~☆

 塩焼きにして食べるとおいしんだよ♪


 うん、今日でシルビィがレベル10になったから、明日クエスト行ってみるね~。

 クエストはね、洞窟のダンジョンなんだ~。

 シルビィも明日行くって、張り切っているわ!

 装備買っちゃったから、今金欠……( ;∀;)

 明日はダンジョンで少し稼いでくるって感じかな?


 じゃあ、またね~☆

 ------


 「……魚の食べ方に食いついてる……」


 ちょっと予想外。魚の食べ方でページの半分を使っている。やっぱり刺身は通じなかったようだ……。刺身について伝えなきゃな……。カワカミという言葉も知らない。やはり、交換日記の世界では、僕たちの世界とは違うようだ。

 それと、やっとクエストに行く気になったみたい。物語の続きが読めると、僕は期待する。仲間……シルビィの装備も気を遣っているみたいだ。これならクエストも簡単にこなせるだろう。


 明日に備えて、僕は返す言葉を選びつつ、眠りについた。


 ・・・・・・


 今日も足早に帰宅する。

 そして、交換日記の住人宛てに、返事を返す。

 とりあえず、刺身の説明を……。それと、僕の好きな魚も書いておこう。


 ------

 シルビィ助けてあげてね!


 こんにちは!

 えっと……刺身は魚をさばいて生で食べるものだよ。

 「カワカミ」はこっちには居ない魚かな?

 僕が好きなのは「ジンベイザメ」って魚なんだ。

 大きくて、雄大で……大好きなんだ。


 この日記を見るころはダンジョンからの帰りかな?無事だった?

 シルビィのレベルとか大丈夫だった?

 シルビィに装備買って金欠だったんだね……。

 でも、シルビィは強化されてるから、大分楽じゃない?

 リノンは回復魔法使えるから、シルビィがピンチの時は、助けてあげてね。


 じゃあ、またね!

 ------


 せっかくできた仲間の事が気になる。今までの内容からすると、独りで無茶してるからだ。仲間に無茶をさせて、パーティーから外れてしまっては、元も子もない。

 僕はクエスト・ダンジョンの話が聞けるかもと思い、心躍らせながら、交換日記を閉じた。また交換日記は光り、中の住人に届いたことを知らせる。


 この時、僕は大きなミスをしていることに気が付かなかった。

 それが……今後の運命を左右されるとは知らずに……。


 そうとも知らずに、のんきに僕は眠りにつく。


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