第二章 オカルトゲーム①
オカルト人生ゲームのルール
①ルーレット(1〜10)を回して出た目だけ駒を進める。
②止まったマスの指示には基本従う。しかし、回避値(マスに書かれている数字)よりも自身やパートナーの戦闘力が高ければその効果を無視することができる(ストップマスには必ず止まらなければならない)。
③戦闘力はバトルゾーン(通常ゾーン以外の場所)で他のプレイヤーと同じマスになったときに使用し、より戦闘力が高かった方が勝ちとする。また、負けた方は勝った方に自分の所持する全てのアイテムを献上する。
④バトル時の戦闘力=戦闘力・(サイコロで出た数+ルーレットで出た数)である。また、攻撃力の一時増加{(戦闘力+???)で戦闘力が表示されている場合の「???」の部分の追加}やクリティカルアタック{(戦闘力1または戦闘力2)で表示されている場合に戦闘力を戦闘力2にする}は確率で行われる。
⑤プレイヤーと友達関係(ゲームの中の世界で)になると金銭やアイテム、パートナーを共有することができ、片方がゴールするともう片方も自然と上がることができる。
⑥最初にゴールに辿り着いたプレイヤーの勝ちとする。
以上
☆オカルト人生ゲーム☆
フードファイト対決のその次の日の放課後。真希と希望はオカ研に正式加入した。
「さて、じゃあ人生ゲームを始めよう!」
亀有さんがそう言うと、
「数あるゲームの中からそれを選んだか」
涼太は人生ゲーム盤をテーブルにドカンと置く。
「2人は初めてだからしっかりとルールを説明するね」
僕は人差し指を立てる。
「そんなの知ってますよ」
「何回かしたことある」
2人はそう言うが、
「これは普通の人生ゲームじゃないんだ」
真希は目をぱちくりさせている。
「オカルト人生ゲーム!」
僕はその題名を叫んだ。
「「オカルト?」」
2人は同時に首を傾げた。
それに涼太と亀有さんは、
「俺らオカ研で開発した世界に一つだけの人生ゲームなんだ」
「ああ、題名通りただの人生ゲームではない」
「最初は僕だね」
「次が俺だな」
「……」
「希望の次は私だ」
「……最後……です」
順番は僕、涼太、希望、亀有さん、真希の通りである。
そして遂にオカルト人生ゲームが開始された。
盤上は至って普通な感じだが、マス目に書かれている内容は普通ではない。
僕はルーレットを回す。
「5か。1、2、3、4、5」
僕は自身の駒を五つ進める。
「えーっと。空から魔法少女が降って来た。これからは行動を共にする」
初っ端からラッキーマスだ!
「おお! な○はちゃんだ! やった! えっと、ある日フェレットを救った女の子はロスト〇ギア・ジュエル〇ードを集めていると、乱気流に揉まれて地面に落下。そんなときにとある男の子の上に落ちてしまった」
僕がなの○を引いて喜びながら説明文をひとしきり読み終わると、
「くっそー! 早速いい手を引きやがってー!」
「全くだぞ」
涼太と亀有さんは何故か拗ねた。えー……まだゲーム始まったばかりなのに……。
「まあいい。じゃあ俺な……。って1かよ! んーとなになに? 空からおばさんが降って来た。これからは行動を共にす……ってコンチクショウ!」
涼太はムンクの『叫び』の様な顔をして絶叫しながらおばさんカードをもらう。
ちなみにおばさんカードはハズレカードで、後々何にも役立たない。
「いや、待てよ! こいつ、ただのババアじゃねぇーゾッ!」
涼太の声は非常に怯えていた。やがてガクガクと震えだし、
「UFOだ!」
『UFO!?』
僕達4人に雷が落ちた。そして愕然とした。
「ああ、そうだ。そのUFOだ。」
UFOまたの名をウルトラファイアーおばさんはただのおばさんではない。安い野菜を求めるが故に高い戦闘力を身に付けた戦闘系おばさん、またの名を戦闘民族スーパー野菜ヤ人なのだ!
「スーパー野菜ヤ人だと……! そんな! もう終わりだぁー!」
亀有さんは頭を掻き毟りながら叫ぶ。言い換えれば絶望している。
「そ、そんなに強いんですか?」
スーパー野菜ヤ人について何も知らない真希は大きな目をパチパチさせながら問う。希望も首を傾げてこちらを見つめている。
「強いなんてもんじゃない。チート並の戦闘なんだ! 戦闘はサイコロの出た目とルーレットで出た数の和と初期戦闘力を掛けたものだから、魔法少女系では勝機がないんだ!」
「「サイコロ? バトル?」」
2人はふにゃふにゃして頭上にハテナマークを浮かべている。
「バトルゾーンってのがあるんだ。そこの中で他のプレイヤーと同じマスになるとバトルになるんだ。戦闘力の大きな方がバトルに勝つんだけど、負けた方は手持ちの全てのアイテムを勝者に献上しなければならないんだ。サイコロはそのバトルのときに使うものなんだ」
そう、この人生ゲームは先程も言った通り、ただの人生ゲームではない。その命を削り、血で血を洗い、互いを陥れるゲームなのだ。
「じゃ、じゃあ戦うためのカードが必要なんですね」
「そういうこと」
ちなみに○のはの戦闘力一定360なので、戦闘力900〜1200のおばさんに勝つことができない。
「と、とりあえずカード来て欲しいです。えいっ!」
真希はそんな可愛い声を出しながらルーレットを回転させる。
「やった! 10です! 道端に落ちていたヘビの皮を手に入れる? これなんか意味あるんですか?」
真希はヘビの皮カードを入手した。
うーんと、なんだっけな。作ったのだいぶ前だったから僕も忘れちゃったなぁ。
「そんなもん、無駄無駄無駄無駄ァ!」
亀有さんはそう言ってルーレットを回し、8マス進めた。
「よし! 当たりマスだ。ある朝、超能力に目覚める。ふはは。これは来たな……」
亀有さんはそう言って額に手を当てた。そして特殊能力カードを無作為に抽出。
「力の大きさと向きの操作……! くはははは! 神は私に味方した!」
亀有は天を仰いで叫んだ。
力の大きさと向き……つまりはベクトル操作か!
「くっそ! 学園都市最強の能力だと……!」
それまで鼻歌を歌っていた涼太の声音にも余裕がなくなる。
特殊能力はプレイヤーの戦闘力(100)に能力による戦闘力をプラスできるものだ。
たしか力の大きさと向きを操作する(ベクトル操作)能力の能力値は900プラス200。つまり亀有さん自体は1000もしくは1200もの戦闘力を持つことになる。つまり戦闘民族・スーパー野菜ヤ人のおばさんといい勝負なのだ。
な、何なんだこいつら! 強運スギィ!
続けて希望はマイペースにルーレットを回し、
「……7」
希望は7マス進んだところに駒を置いた。
「左隣の人と友達になる」
希望はそう読み上げた。
「左隣ってことは、僕と希望が友達になるってこと?」
「うん」
希望はそう言ってこちらに無表情を向けた。
「お友達。よろしく樹」
希望は僕の顔をジーッと見つめている。
「え? 何? なんか付いてる?」
「ううん」
希望は首を横に振る。
ところで友達ってなんだっけ? えっとたしか金銭とかの貸し借りができたんだっけか?
「そ、そっか。じゃあ僕のターンだね」
ルーレットは8を示した。
「んーと、パートナーがいる場合は……。パートナーが入っていたお風呂を覗いてしまって1回休み。てかなんでお風呂を覗いただけで休むの!?」
僕達オカ研で作ったマスについつい文句を言ってしまう。つまり、僕はなの○ちゃんがお風呂に入っていたところを覗いたわけか! ごめんなさい!
「じゃあ俺だな。……10マス進んで、突然竜巻に巻き込まれて2マス戻る。ウガーッ! なんじゃこりゃあ! おい、おばさん! どうにかできないのか!?」
たしかに戦闘民族・スーパー野菜ヤ人のおばさんの手に掛かればどうにかなりそうなものだが、それがこのゲームなんだよな。
「うるさい黙れ!」
亀有さんは吐き捨てるように言って、
「4……警察に変な容疑をかけられる。1ターン休み。はッ!」
笑い飛ばし、
「学園都市最強の行く手を阻むなどいい度胸だなァ! 全員まとめてぶっ殺すッ! つまりは能力使用だァ。舐めんじゃねェーぞ、この三下がァー!」
警察官達が宙を舞って儚く散った。
似ている。今の亀有さんのモノマネ、すっごく似ていて怖い。
「はわわわわ!」
「ひゃっ」
真希と希望は可愛らしい声を上げて、怖がって僕の後ろに隠れた。たしかに怖いよなぁ。
「警察さん達って殺せるですか?」
「??」
2人は僕の顔を背中側から見上げた。
僕は2人の方を向いて、
「各マスにはそのマスの効果を回避する回避値ってのがあるんだ。戦闘力が回避値を上回っていれば、警察官を殺すことは可能だよ。ここの回避値は700だから亀有さんは余裕で突破できるね。あと回避は何回でも、自分の好きなときにできるよ。でもたまに強制マスがあるから、そのときは絶対効果を受けるけど」
ちなみにさっき涼太が受けた竜巻は強制マスだから回避不可能
初めての人には色々ルールが難しいと思うけど、
「まあ、なんでもありって感じかな?」
「そ、そうなんですか。あたしも頑張ろっと」
続いては真希の番。
目を輝かせてルーレットに注目している。健気で可愛いな……。
「わーい! また10です! どれどれ? あれれ? ストップだ」
どうやら真希はストップマスに辿り着いたようだ。普通の人生ゲームでは結婚とかになっているが、キャラクターの設定が高校生となっているので、そうではない。
「ああ、誰もが必ず通らざるを得ない定期テストマスだな」
涼太が説明すると、
「この世界でも定期テストってあるの!?」
「テスト好きじゃない……」
2人ともあんまり勉強が得意じゃないって聞いたなぁ。
「そうだ。だが心配するな。これはあくまでゲームだ」
「定期テストってワード聞くだけで頭が……」
「……ずきんずきんする」
真希と希望は揃って頭を抱えながら台詞を割って言った。
こりゃ重症だな……。
「そこまでだったのか。済まなかった。だがルールだ。説明させて頂く。まず10回ルーレットを回して、その合計によって得られるものが変わるんだ。全部で2つの場合がある。1つ目は合計50以上だった場合。5マス先の無記入マスに進む。2つ目が50以下なら追試で2ターン休みだ
亀有さんは2人にそう説明する。
「なるほど……です。理解しました……」
「わかっ……た」
2人とも頑張って耳を傾けていたみたいで、すごく疲弊している。
そんな中、真希は懸命にルーレットを回した。
1、5、9、3、7、2、2、8、10、6が出た。合計で53。つまりは1つ目のケースである。
「5マス進むんだね」
真希は、5マス先の無記入マスに駒を進めた。
続いて希望はルーレットを回した。
「……4。1、2、3、4。目の前のおじさんが百万円を落とす。届けてキラキラした宝石を貰うか、そのまま百万円をゲットするか。どっちにしよう……」
百万円!? 何故落とす!?
「うーん。迷う……。樹はどっちがいい」
「え? 僕!?」
希望は悩んだ結果、僕にその決断権を委ねてきた。あまりに突然だったから少しビックリした。
「これはゲームだよ? 1人で考えるべきだと思うけど」
「でも、樹さんとわたしは友達……」
希望は悲しそうにそう言って、無表情だが整っている可愛らしい顔を向けてきた。
「そ、そっか。そうだなぁ。でも実際このゲームってお金をとかあんまり必要ないし、それにそのきらきらした宝石もきっと何か役立つ……。よし、届けてあげて」
「うん、わかった」
それにより希望はキラキラした宝石をゲットした。
3ターン後。
色々ゴタゴタしていたけど、全員が無事に最初のストップマスを通過。
暫定順位順に全員の進度を説明する。
真希はどんどん大きい数字を出していくので、スタートから38マスの位置にいる。
僕は53でギリギリ追試にならなかったので、今はスタートマスから28マス進んでいる。
次は亀有さん。60と全然追試になることなく25マス進んでいる。現実みたい。
次は希望で、追試を50で回避して亀有さんのすぐ後ろに付ける感じで24。
最後は涼太で、何度も後ろに吹っ飛ばされ、ようやく着いたストップマスでも追試を食らっていた。
僕、涼太のターンは特に何もなく終わり、希望のターンが来て、ルーレットをくるくる言いながら回している。あら可愛い。
「キラキラした宝石の持ち主のま○かに出会う。これからは行動を共にする」
おお、ここで魔法少女か。だけど戦闘民族・スーパー野菜ヤ人のおばさんとか、亀有さんのベクトル操作とかには到底及ばない。
「ふんッ! 魔法少女風情がッ!」
亀有さんはそう言って希望にまど○を渡し、ルーレットを回す。
「空から隕石が降ってくる!? そんなもん壊すに決まってんだろォーがァ!」
亀有さんは再び彼の人物の声モノマネをする。
結構ストレス溜まってるみたいだね。
続いて真希のターンだ。
「えーっと、聖遺物を持っている人は英霊召喚の儀式を行って、英霊を呼び出す? 聖遺物ってなんですか?」
「聖遺物……英霊召喚……? ま、まさか! おい、嘘だろ!?」
亀有さんは驚愕していた。
「おい、何なんだよ一体」
「どうしたの? 亀有さん」
「?」
「??」
涼太と僕は尋ね、真希と希望は怪訝そうに亀有さんの顔を見る。
「え、英雄王ギル亀ッシュだ!」
『なぁーんだとぉー!?』
「ギル亀ッシュって、あのシュメール神話における古代メソポタミア・ウルク第一王朝第5代王のあのギル亀ッシュか!?」
「そ、そうだ」
涼太に亀有さんは怯えたように頷き、真希にギル亀ッシュカードを渡す。
「同じ亀属性なんだからこの私が持つべきもの……」
亀有さんの目は虚ろだった。てか亀属性って何やねん!
「わぁー! なんかこの男の人金ピカですね。ピカピカ〜」
真希は黄金男を好奇的に眺める。
英雄王ギル亀ッシュは、涼太のおばさんや亀有さんの能力である力の大きさと向きの操作(ベクトル変換)能力に匹敵するものだ。戦闘力は一定1100で、宝具展開には一定の条件が必要だが、展開されれば戦闘力は2000にまで登る。
そうなればこのオカルト人生ゲームに出てくるキャラクターの中でトップクラスの戦闘力になる。まあ、宝具展開確率は低いんだけどね。
そんな真希を見て亀有さんは親指の爪を噛む。
「ギル亀ッシュめ……! ここで最強格が3体が揃ったか……」
たしかに今まで何度かこのオカルト人生ゲームをやってきたが、このような展開になるのは初めてだね。
絶望的な僕だけど、まだ負けたわけじゃない! こっから巻き返してやる!
僕はルーレットを回して駒を進める。
「カレイドステッキを手に入れ、イ○ヤに出会って行動を共にする」
イリ○の戦闘力は初撃が500で、次からは260。少し特徴のある魔法少女だ。
「貴様らこれで3体目の魔法少女か……。ふッ! 所詮ガキだろォ? 三下がァ!」
「だがしかし、これで戦力だけで言えば俺らと並んだな」
涼太の言う通り、僕と希望は友達関係にあるので、もし2人の最大の戦闘力を出せたとしたら、ギリギリ勝つことができるレベルだ。
その後、何ターンかが経つ。
涼太は前に後ろに吹き飛ばされ、真希はギル亀ッシュと楽しくグングン進んで行き、亀有さんはたくさんの人を殺して、希望は人にたくさんの人に親切して遂にバトルゾーンに全員が到達した。
進度が早い順に近況を説明しよう。
真希。英雄王ギル亀ッシュ(戦闘力1100または確率で2000)。
亀有さん。力の大きさと向きを操作する(ベクトル操作)能力またの名を一方通行能力(戦闘力1000+200)。
僕(希望と同盟関係)。○のは(戦闘力360)、○リヤ(戦闘力初撃500、次撃以降260)。
希望(僕と同盟関係)。○どか(戦闘力350〜370)。
涼太。おばさんこと戦闘民族・スーパー野菜ヤ人(900〜1200)。
この通り非常に接戦で、誰が勝ってもおかしくない状況だ。
バトルゾーン内のマスには攻撃力の一時増加(プラス値を戦闘力に足す)やクリティカルヒット(戦闘力を最大にする)などがある。
どのマスで戦闘するかによって、勝敗が左右されるケースもあるのだ。
そしてそこへやって来た。
――トルネードエリア――
バトルゾーンの中に存在する円形の道だ。この円は20マスで構成されていて、3周しなければ抜けられない道だ。
そして、今の進捗状況から考えて全員がこのトルネードエリアに入ることになる。すなわち戦う確率が増えるのだ。
2人以上での戦闘は全員のターンが終わると一気に開始され、一番戦闘力が低かった人が抜けるという戦い方だ。2人の場合は高い方が勝ちとなる。
何度かターンが進むと、とある1つのマスに僕、涼太、真希、亀有さんの4人が集まったのだ。
4人のバトルが開始されるのだ。
「フハハハハ! 雑種風情がッ。ってギル様言ってます!」
「ゴチャゴチャうるせえーェんだよ。この三下がァー!」
「みんな、頑張ろうね?」
真希と亀有さんの寸劇(?)に僕も参加する。ちなみにこれは魔法少女達に準備確認してるって設定です。はい。
「樹を遠くからサポートする」
「おばさん! 行くぜ!」
僕達は気合いを入れた。
マスは何も書かれていないので、ここは基準値での対決となる。
僕はサイコロとルーレットを回す。
まずは希望の持つまどかの戦闘力を確定させる。350から370までを10刻みにして、1を350、2を360、3を370、4を350……としてルーレットを回す。
ルーレットは6を示したので、まどかの戦闘力は370に確定された。
続いてボーナス戦闘力を確定する。サイコロの目は最大値の4。ルーレットは9だ。
つまり僕・希望連合軍の総戦闘力はな○はの360+イ○ヤの5000+ま○かの370=1230。そしてこれにボーナス戦闘力の和を掛けるので、1230×(4+9)=15990だ。
続いて涼太は1000×(6+8)で14000。
真希は2000×(2+7)で18000。
亀有さんは1000×(5+8)で15000。
「お、おばざぁ〜ん!」
涼太はおばさんの死を嘆き悲しんだ。
「くそぉう! うわぁ〜ん!」
相当悲しかったのだろう。たかがゲームなのに、感情移入激し過ぎだ、こいつ。
「フハハハハ! 我が乖離剣を受けてもなお立ち続けるとは、褒めて遣わそう。ってギル様が言ってます!」
「悪ぃが、こっから先は一方通行だァ!」
「みんな怪我はない?」
僕は盛り上がる最強2人に便乗し、魔法少女3人の安否を確認する。どうやらみんな無事みたいだ。よかった。
ここで涼太は脱落し、僕達のバトルが再開され――、
「――スター○ラチナを手に入れる」
希望が淡々とそう言った。
そ、そうか。そうだ、バトルに参加していないプレイヤーはそのままプレイを続行することができたんだ!
『スタープ○チナだと!?』
スタ○ド・スタープラ○ナは亀有さんの力の大きさと向きを操作する(ベクトル操作)能力・一方通行能力に匹敵するものの1つであり、ルーレットの出た目✕10が初期の能力値(1050)に加算され、その後にボーナス戦闘力を掛けるというのが特徴である。
希望とスタープラチ○は僕達の戦場に駆けつけてきて、
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
ギル亀ッシュと亀有さんをぼこぼこにしてくれた。
いやー、にしても快勝だ。まさか最強格の3体に勝てるとは思ってなかった。
途中、僕は負けを確信したけれど、実際最後になってみないと分からないものだね。やっぱり諦めないことが大事なんだな。「あきらめたらそこで試合終了」って名言があるくらいだもんね。
「三下ごときにこの俺が負けただとォ……?」
「おのれおのれおのれおのれェー! はわわわわ! ギル様倒れちゃいました!」
「しっかり葬式あげますからね……」
亀有さんはその場で倒れ、真希はアワアワして、涼太はハンカチで涙を拭っていた。
――カンカンカーン
どこからともなく聞こえてきた試合終了のゴングが僕と希望の勝利を祝福してくれている。
とかくしつつ、白熱のオカルト人生ゲームが終了した。
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パロ多めでしたね。
次回も早めに投稿します。