第九章 合宿②
パロ多めです。
☆キャッスルオンザビーチ☆
2日目。今日は朝から亀有さんも生徒会のみんなもいる。
すごいこの眺め。すごいよ! 水着パラダイスだよ! ウェーイ! 王様になった気分だ。
くるみ会長の水着は、髪の毛と同じピンク色のビキニで、その上コアラヘアーのせいで子どもっぽく見えるけど、すごく可愛い。
美咲風紀委員長のは白地に水色の水玉模様のホットパンツタイプのビキニ。これまたメチャカワ。
そんな2人が一緒に遊んでいる。
何をしているんだろうと思ったけど、砂遊びしているみたい。子どもだねぇ。
「何を作っているの?」
僕は尋ねた。
「お城ですわ」
「作ってみるか?」
会長はニッコリ答えて、美咲委員長は僕にプラスチックのシャベルを向けた。
会長は言葉を継いで、
「すごく大きいのが作りたいんですわ。。こーんなくらいの!」
手を大きく広げてその大きさを表現した。
――ゴゴゴゴゴゴゴゴ
「だが断る!」
「「なにッ!?」」
「この桜田樹が最も好きなことの一つは、他人がお願いしてきて、やってあげそうな雰囲気を作っておいて結局断ることだ!」
「「そ、そんなぁ」」
2人はガッカリして項垂れた。
「ご、ごめん嘘。ただ言ってみたかっただけ」
とにもかくにもぼくは美咲委員長からシャベルを受け取る。
「これは設計図?」
ラミネート加工されたA4の紙には事細かに寸法まで書かれたお城の設計図が書かれていた。
「この通り作ります」
会長は作業の手を休めることなくそう言った。
すると、
「何やってるんだ?」
そこには大きな亀がいた。
いや、亀ではない。亀の着ぐるみを着た亀有さんだ!
『スタンドも月までブッ飛ぶこの衝撃!』
僕とくるみ会長と美咲委員長の言葉が見事にハモった。
「逆に何やってるの!?」
くるみ会長も美咲委員長も不思議そうな顔をして亀有さんを見つめている。
「私と言ったら亀、亀と言ったら私。ってなわけで着ぐるみを着てみたんだ!」
「亀嫌いだったじゃん」
「何を言っているんだお前は。私は亀がとても好きだぞ!」
たしかに昨日はぽんたろう(先日行われた宝探しゲームの景品の鼈)を水槽ごと旅館まで持ってきてたけど(今は部屋でお留守番しているみたい)、それまでは嫌いじゃなかったっけ?
「まあいい。面白そうだから私も混ぜてくれ」
亀有さんはそう言って地面に刺さったシャベルを抜いた。
「まじですか?」
「すごく助かるっ!」
くるみ会長と美咲委員長も嬉しそうだ。
――ドォーン!
全員が協力して作業し、最後に亀有さんは亀の着ぐるみをお城の屋根に配置すると、全員がそれぞれに感嘆の声をこぼす。
「おっきいです!」
「全部砂だもんね」
「なな、すっごく頑張ったの〜」
真希、希望、七海ちゃんは額の汗を拭いながら砂のお城を仰ぎ見た。
「わーい! 美咲、やったね! 」
「うん!」
くるみ会長と美咲委員長も手を握りあって喜んでる。実は仲がよかったんだね。
「ま、こんなもんかしらぁあん」
「デュフフ。ずごい!」
「我が宿の新たなシンボルになるな」
「ブラボー! おお……ブラボー!」
「オレが乗っても崩れなかったのは感心する」
ゲイーズ青戸、ガチロリコン板橋、爺さん目白、涼太、番人も達成感に満ちているようだ。
ゲイーズ青戸とロリパワーEXを発動したガチロリコン板橋は力作業を、爺さん目白は日本刀で繊細な彫刻を、涼太と番人は砂の運搬作業を行っていた。
「これしき、会長に命令されればいくらでも……!」
T高田も会長の指示の伝達係として頑張ってた。
くるみ会長と美咲委員長、僕、亀有さん、真希と希望、七海ちゃんは砂を固めてどんどん形を作っていった。
椿先生は監督役。
砂のお城の大きさは縦横およそ12m、高さは8mの巨大なものだ。
みんなで中に入ってみたが、普通に全員が座れる位の広さがあって、天井はすごく高い。壁を触っても崩れる気配はさらさらなく、むしろ頑丈だ。
窓もあって、その先には美しいコバルトブルーの海原が広がっている。
中にはいくつかの部屋があって、屋上に出る梯子とか、 地下室に繋がる階段まである。
とても砂とは思えないだろうが、実際にこれは砂しか使っていない。
「はい、じゃあ撮るよー」
僕はカメラのボタンを押してから、砂のお城の前に並ぶみんなのもとへ向かう。
「そこ〜ちょっと〜。し・トゥ・れいィィィィィ! ってあ、ちょ!」
ふざけていた僕は後ろから押されて前に倒れかけてしまう。
――カシャ
「涼太押さないでよ!」
僕は涼太に言う。
「違うランチーが!」
「なわけないだろ! そもそも番人がデカすぎるのが悪いんだ」
2人とも罪を他人に擦り付けている。
「オレ、立ってただけなのに……。やれやれだぜ」
「まあいいじゃないのぉおん! みんなでこんなふうに集まって写真を撮ることなんて滅多にないんだし。その写真が大人になって見返して、笑えた方がいいわぁあん」
珍しくいいこと言うな、ゲイーズ青戸。
ってなわけで、もう1枚の写真は全員ジョジョ立ちで撮った。
☆ダンジョン☆
さて、僕達は今、砂の城の地下を掘ったときに発見されたダンジョンに潜入しようとしている。
メンバーは僕、涼太、ゲイーズ青戸、ガチロリコン板橋、爺さん目白、番人、T高田――つまり男全員だ。
女子チームはバーベキューの準備をしてくれてる。
「熱海迷宮……」
僕は腐りかけの木材に書かれた掠れている字を読む。
「まさか地下にこんなところがあるとは」
「一体いつかはあるのかしらぁあん」
涼太、ゲイーズ青戸が辺りを見渡しているのを他所に、ガチロリコン板橋は鼻を鳴らす。
「ま、まさか先生!?」
T高田は尋ねた。
「うずいろりのにおいがずる。ごっぢだ」
ガチロリコン板橋はダンジョンの道を進んでいく。僕達はその後に続く。
さすがガチロリコン板橋! おれたちできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ!
嘘です。シビレないし、あこがれません!
しばらく歩くと、2本の分かれ道に差し掛かった。
「どっちに行けばいいんだろう」
「オーノーだズラ」
僕は呟き、ゲイーズ青戸も頭を抱える。
「ガチロリコン板橋、どっち?」
板橋はしばらく鼻を鳴らすと、
「わがらん! いだるどごろがらロリのにおいがずる。がべにじみづいでいるんだな」
しかし、
「こっちだ」
そう言って右に歩き出したのは爺さん目白だった。
「分かるんですか?」
僕は尋ねた。
「クラピカ理論だ」
爺さん目白は半分だけ振り返ってそう言った。
「たしかにクラピカ理論は疑えないわねぇえん!」
「オレもそう思う」
ゲイーズ青戸に番人も気道が塞がったような声で賛成する。
その後もクラピカ理論を信じて全ての別れ道を右に進むと、細い道を抜けた先に巨大な空洞が現れた。クラピカ理論、優秀過ぎるッ!
「わぁ! すごい!」
そんな声が漏れた。
「ロリのにおいがづよい。ごのぢがぐにロリがいる」
「本当ですか!? どこですか先生!」
板橋とT高田は相変わらずロリにしか興味が無いみたいで、この光景に目もくれてない。
「あらぁあ! 綺麗ねぇ……」
「すげー」
「素晴らしい景色だ……」
ゲイーズ青戸、涼太、番人も感慨に浸っていた。
そこには息をするのも忘れてしまうほどの絶景があった。
空洞の中心部分には大きな水溜りあり、そこに天井から太陽の光が差し込んできている。水溜りはスカイブルーに染まっていて、とても綺麗かつ神秘的だ。
「ロリばっげん!」
「本当だ! すごいです先生!」
「輝姫!」
ロリコンどもが興奮しているのを横に、爺さん目白は壁のへこみの間に隠れている幼女に近寄っていった。
「ひーじーちゃん!」
輝姫と呼ばれた幼女は、爺さん目白に走って行って胸に飛び込んだ。
そっか、爺さん目白はひいおじいちゃんだったのか。
「ひーじーちゃん! 久しぶり」
「久しぶりだな、輝姫。元気にしていたか? 学校の方はどうだ? 楽しいか?」
「うん! すっごく楽しいよ!」
輝姫ちゃんは七海ちゃんよりも小さいけど、一体何年生なんだろう。
「ひーじーちゃんは?」
輝姫ちゃんは無邪気な笑顔で爺さん目白に尋ねた。
「ああ、楽しいよ。彼らがひいじいちゃんの友達じゃぞ」
輝姫ちゃんは僕達に目線を向け、
「『誰だ?』って聞きたそうな表情してんで自己紹介させてもらうがよ。おれぁ目白清隆のひ孫の三宅輝姫! ハッピーうれピーよろピクねーェ! ハッピーうれピーよろピクねーェ! ハッピー! うれピー! よろピクねーェ!」
こ、この子は一体何者なんだ!? それは第一部と第二部のネタだぜェ? シブイねェ……。まったくおたくシブイぜ。
さーせん。目には目をでちょっと言ってみました。
そっか、なるほど。親の影響だな!? 絶対そうだ。その立ち姿は絶対にそうだ!
☆バーベキュー☆
僕達が地上に戻ると、バーベキューの用意は既にできていた。
椿先生が乾杯コールをしてくれるみたい。
「乾杯の前にィ。恒例のBBQまたの名をババァクエスチョ〜ン! イェーイ!」
黒毛和牛の肉塊串を両手に握った35歳女教師は声高らかにそう言った。
恒例とか言ってるけど、今までに一回もやったことないですがァッ!?
「ババァクエスチョンその1! デーレン!」
ババァ……じゃなくて、椿先生はウサイン・ボルトポーズを取る。
「これは黒毛和牛よ。なのに先生はどうして串1本で限界でしょうか? チクタクチクタクチクタク……」
そんなのしらねェーよ。
「チーン! 正解は! 胃もたれするからでした! はぁぁぁあああああい、ババァクエスチョンその2ィ! デーレン」
イナバウワー。でも身体が固くて出来てない。
「どうしてお米を食べないでしょうか?」
…………。
「チクタクチクタクチクタクチーン! そう、正解は! 太るからでした! そんじゃあ張り切ってババァクエスチョンその3! デーレン!」
ジョ、ジョジョ立ちだとォ!? 今日はみんなジョジョってるゥ!
「どうして先生は独身でしょぉおうか!? チクタクチーン!」
なんかシンキングタイムが短い。
「答えはァ〜! 知らねーよこのくそやろォー! 分かってたら今頃結婚してるわボケェエイ!」
なんだこいつ、急にキレ始めたぞッ。
「せんせぇーはぁ〜! 今年中に結婚したいんですぅ〜! 結婚するって決めたんですぅ〜!」
この女、完全に酔ってやがるぜ。酒に。自分に酔うよりはいいけど。
「IT社長と結婚するんですぅ〜!」
『無理です。諦めてください』
僕は、ただ単に椿先生に真実を言っただけなのに、他の全員と声がハモったのでびっくりした。
きっとみんなも同じことを思っていたんだね。
「「酒! 飲まずにはいられないッ!」」
そう言って爺さん目白と椿先生は缶ビールをプシュッと開けて、ぐぴぐぴ飲む。
「くァー! そう言えば白ちゃんってスマホとか持ってるの?」
椿先生が爺さん目白に聞いた。
「持っとる。息子や娘、孫とLINEすることもあるからな。特にわしが東京に来てからは、東京に住んでる息子と連絡することも増えたな」
爺さん目白は懐から玲瓏と書かれた扇子を取り出して広げ、扇ぎ始めた。
あ、昨日もらった扇子と今、爺さん目白が取り出した扇子で分かったけど、これは将棋の扇子だね。僕のが藤井四段ので、爺さん目白のが羽生永世七冠のだね。きっと将棋が好きなんだな。
「あたしぃわぁ! 小学生じゃぁ〜、ありません〜!」
ここにも酔ってるのがおった。真希だ。
一体何で酔ったの? まさかのコーラ!? コーラで酔ったの!?
「そーだそーだー!」
メロンソーダを飲みながら希望がそう言った。
「なんですかみんなそろって、小学生小学生って! あたしのどこが小学生なんですか!? 背が小さくて胸がないだけじゃないですか!」
いや、それだよそれ! どう考えてもそれだろ!
「分かりみが深い! それほんとに分かりみが深すぎる!」
くるみ会長もコクコクと頷いている。
会長はまずそのコアラヘアーをやめよう! 子どもっぽいよ!
「ななもなの! ななはもっとナイスバデーになりたいの!」
いやいや、七海ちゃんはまだ大丈夫だから。
これは決して真希と希望とくるみ会長がもう手遅れだって言ってるんじゃなくて……。
「ンッまーいッ! うますぎて死ぬ! いや、もう既に死んでいるのではないか!?」
死んでたら食えないし、喋れないよなァ?
「うっぷ! これならご飯100膳行ける!」
涼太と番人はそんな会話をしながらバクバクとBBQを楽しんでる。いや、ここはカタカナでバーベキューの方がいいね。ババァクエスチョンになっちゃうから。
「身体にプロテインが染み渡るわぁあ!」
その横ではゲイーズ青戸が、ご飯掛けプロテインと鳥のささみをバクバク食べている。プロテイン掛けご飯じゃなくてご飯掛けプロテインなのがポイントだ。
「樹、お前も食べろよ」
「美味しいぞ」
「そうよ。アンタみたいなガリはダメダメよぉおん!」
「あ、うん。食べるよ。いただきます」
僕は黒毛和牛串をガブリ。
「お、美味しい!」
やはり高級なだけあって絶品だ! 舌がとろけるぜッ! これは取り寄せてくれたくるみ会長に感謝だね!
「ほら、これも食べなさいよぉおん!」
「いや食べないよ!」
ゲイーズ青戸はご飯掛けプロテインをグイグイ押し付けてくる。うわ、まずそー。
「いいか高田。もしお前がサバゲーに行くとしたらどんな武器で行く?」
「それは評価が高いので……」
「バカものぉおぅぅぅううううう! お前は人生を最初からやり直せぇぇぇえええええぃいいい!」
「す、すみません!」
こっちではガチロリコン板橋が弟子であるT高田に説教している。
「俺の装備であるKSGベレッタM93Rは可愛い小学生ガチマジ9歳小3ロリ、SCAR―Lは小学生中学生ああ~ロリラブ、VECTOR―SMGはベロベロエロ中学生ツルツルおっぱいロリ小学生マジゴッド! これくらいの意味を持たせないと駄目だろォがよォオ! ドゥーユーアンダースタンンンンンドゥ!?」
む、無理やりスギィ!
「はい! 心得ました!」
T高田はメモを書き書きそう言った。
なんだこいつら。
てか、銃のセレクトにそんな意味があったのか。知らんかった。
「どうだ? 楽しんでるか?」
「蘭は?」
「質問を質問で返すなーッ! 疑問文には疑問文で答えろと教えているのかァーッ!?」
「なんだこいつ。吉良吉影にでもなったつもりかッ!?」
なんなんだこの2人は。
「ってことはすごく楽しんでいるみたいだな」
「もっちろん!」
美咲委員長はニッコリ笑う。
すると、
――ヒュ〜、ドーン!
夜の空を見上げると、そこには色とりどりに花火が輝いた。
「うわ〜! 花火だ花火!」
「おっきくて綺麗!」
「すごいの〜!」
「あ、ハートです〜!」
真希、希望、くるみ会長、七海ちゃんは目をキラキラさせて天を仰ぎみている。
「女房と出会ったのも花火の夜だった。思い出すなぁ」
「ロマンチックねぇ。先生もそんな出会いがしたいわ」
爺さん目白と椿先生はしんみりと花火を眺めている。
「こうして2人で花火を見るのも久々だな」
「3年ぶり?」
「そうだな。中等部のときに隅田川の花火を見に行って以来だな」
亀有さんと美咲はかつてのことを思い出しながら語り合っている。
僕は高校からこの学園の高等部に入ったけど、中学校のときに比べて格段に忙しくなったから、花火大会なんてしばらく行ってなかった。
だから今日、こうしてみんなで花火を見ることができて本当によかったと思う。
食べることやロリ話に夢中になっていた四天王達もようやく花火に目を向けた。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまうもので、気づいたら朝になっていた。
僕達は椿先生と爺さん目白の運転で東京の学園に戻った。
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ジョジョパロ攻めしてしまいました。さーせん。