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2次元じゃなきゃ許されねぇからな!  作者: 一色音斗
Prolog
4/13

君をトップに立たせたい


大変遺憾なことこの上ないが、彼は唯一人気投票でライバルキャラに負けるのだ。攻略対象5人、ライバル3人。幼馴染は負け属性?誰だそんなこと言ったやつは。


私がなんともないと知って落ち着いたのか、彼はもう一度テレビに向き直る。あ〜かわいい〜。しんどい。天使。正しくアイドルになる為に、なるべくして生まれた風貌だというのに。


本編でも周りとの差に落ち込むシーンがあったりするんだ、これが。周りの目は節穴か?こんなに愛らしいのに!

確かに彼は唯一庶民の出身で、芸能界の掟や人間関係に疎かった。それに加えて、エンディング間近になると、ヒロインとのスキャンダルがある。(これはどのキャラにも言えることだけれど。)

プレイ中、何度憤りを覚えたかは計り知れない。付き合うにしても隠せよ、アイドルとマネージャーだろう君たちは!


そこでふと、とある考えが頭に浮かぶ。


もし、もしも、だ。前世の記憶持ちなんていうチート属性の私が彼のサポートをしたら、どうなるだろう。

プレイヤーとしてではなく、「虹咲 雛」として、一人の人間として手を貸したら?恋愛感情一切無しで、ただひたすら彼の背を押したとしたら…

彼をトップに担ぎ上げられるのではないか?


待ってましたかとでも言うように、テレビはCMに、舞台となる学園のコマーシャルが始まる。


「ねぇひなちゃん、ぼく、ぼくね、」


キラキラと、目を輝かせて、彼は言う。ゲームと1文字も変わらずに、私を、虹咲雛を、物語へと誘うその台詞を。


「ぼく、あいどるになりたい。」


私も返す。1文字も変わらずに、彼をあちら側に引きずり込むきっかけになる言葉を。


「それなら、私が1番最初の、1番近くにいるファンになりたい。」


それを聞いて彼は、花が咲くように笑った。


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