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投身自殺しようとする人とその場に居合わせた友人の話

作者: みーくん

何も考えずに書いたので、何も考えず読んで下さい。

空の色は澄み渡ったとても美しい青だった。

心地よい風が吹く屋上で落ちることを防ぐためそこにあるのであろう柵を乗り越える。

最後に今私の背後にいる、何よりも大切な私のたった一人の友人に別れを告げる。

「ねぇ晴、今までありがとう。ごめんなさい...。」


「さようなら。」



パターン1

飛び降りようと背中を向けると彼女の手のひらが触れた。

「?晴、何してるの?」

不審に思い顔だけ後ろに向けると、

「今あんたの背中に私の指紋をつけた!」

ドヤ顔しながら彼女は言った。

「そ、それがどうしたの?」

何がしたいのか正直分からない。

「あんたが降ちて死んで、その背中に指紋がついていたら?」

まさか。

「多分私が突き落としたと思われるだろうな。」

再びドヤ顔。

何でそんな事。

「私はあんたに死んで欲しくない!私を犯人にしたくなければ死ぬのやめろ!」

そんなふうに言われたら、死ねないじゃないか。


パターン1 背中に手を当てる。


パターン2

覚悟を決めた瞬間。

「あ。」

彼女が声を上げた。

「ねぇ!聞いて聞いて。私達が好きなアーティスト、今日夜7時時に重大発表するって!」

彼女は目をキラキラさせて言った。

「ねぇ早く帰ろう。そんなことしてる場合じゃ無いよ!」

私の腕をぐいぐい引っ張る。

痛い痛い。

正直重大発表めちゃくちゃ気になる。

なんか死んでる場合じゃない気がしてきて、私は柵を乗り越えた。

「早く帰ろう!」

てゆうか、目の前で友人が死のうとしてる時にあなたはスマホ見てたんだね。


パターン2 アーティストの重大発表


パターン3

飛び降りる前に過去を思いだしていた。

すると背後から声が聞こえた。

「『我は堕天使サタンを守護に持つもの。貴様を』」

「ちょっとまったああああああ!?」

なんで?どうして!

「晴が『それ』もってるの!?」

彼女が持っているのは私が中学生のときに書いた小説(笑)のノート。

「拾った。あんたの部屋で。」

それは拾ったって言わないよ!盗んだんだよ!

「もしあんたが死ぬってんならこれを、」

どうするつもりだ...。

「コピーして町中にばら撒く。」

「やめてください!!お願いします!!!」

ダッシュで柵を飛び越え土下座する。

「死なないなら良いよ。帰ろう。」

彼女は微笑んだ。

きっと彼女なりの優しさだったんだろう。

でも、

ノート返してください。


パターン3 黒歴史 公開


パターン4


飛び降りようとしたその瞬間、強く腕を引かれた。

「晴?止めても無駄だよ?だからはなして?」

彼女はいつもと変わらない無表情で言った。

「止めないよ。」

「えっ。なにして」

あろうとこか彼女は私の腕掴んだまま柵を乗り越えた。

「何してるの!?」

彼女はキョトンとして

「?一緒に降りようと思って。」

意味が分からない。何故彼女まで死のうとしているのか。

「だってあんたが死んだ世界で生きてても意味無いもん。」

もんって...。

「死ぬのは私だけで良いの。晴が死んだらみんな悲しむから、

晴は死んじゃ駄目。」

「みんなとかどうでもいいし。そんな不特定多数よりあんたと一緒にいる方が大事だし。」

何でそんな事言うかなぁ。

晴の事を大切に思ってる人は沢山いるだろうに。

「何で?何で私なんか。」

彼女は盛大にため息をついた。

「何でって、あんたが私の友達だから。

私があんたを一番大切だと思ってるから。」

彼女は満面の笑みを浮かべてそう言った。

きっと今の私は彼女とは正反対の顔をしているだろう。

頬を流れ落ちた水滴が、私が降りるはずだった場所に先に落ちていった。

「でもっ。私は晴に死んでほしくないっ!」

彼女は優しく微笑んだ。

「私に死んで欲しくないなら、死ぬのをやめて?

あんたが死ぬなら私も死ぬ。」

そう言って私の頬を拭って強く手を握った。

私達は柵を乗り越えた。

「さぁ明、一緒に帰ろう。」


パターン4 一緒に





おしまい。

ありがとうございました。

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