表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/39

番外編1「ダンジョンのないダンジョンコア」

ダンジョンコアの心境(プロローグ編)です。

セリフ等は基本同じです。

 ダンジョン№74251のダンジョンコアです。このダンジョンは開発予定のまま放置されたダンジョンであり恐らくここがダンジョンとして機能する事はないでしょう。私がただの置物として地面に転がっていても全体通信だけは受け取ってしまいます。


 ダンジョンコアだけの集会、ダンジョンマスターを集めたパーティー、ダンジョン研修や様々なイベントの通知が一応届きはしますがどれも私にとって無縁の物です。


 興味がないと言えば嘘になります、私も生み出されたからには、他のダンジョンコア達と同じようにダンジョンコアとしての役割を果たしたいです。


 しかし、このダンジョンは魔王様の手違いで初期DPが0。何度か報告はしましたが忙しいからか対応されていません。


 これ以上は言っても無駄でしょうね。いいのです、初期のダンジョンコアには感情はありませんので……私は悲しくありませんよ。…………突然連絡が入りました。私のダンジョンにマスターがやってくるようです。一体どういう事でしょうか? 


 恐らく誤報だとダンジョンコアは思います。初期DPを何度確認しても0のままですから、ここはダンジョンとして機能しませんよ。ダンジョンコアはまた眠ろうと思います。


……


…………


………………


「おぉ、売ったら高く売れそう」


 目を開けると私のコアを握りしめている者がいます。……データを照会すると新しいマスターのようです。本当にこのダンジョンで良いのですか? 

 私は嬉しいですがマスターが困ると思うのですが……これは、確認が必要ですね。ただこのまま返答をしないとコアが売却されてしまいそうなので返事をします。


「売らないでください、マスター」


「どわぁあ!?」


「私はドワーフではありません、マスター」


 目の前で驚いているのは見た感じ冴えない男の人ですね、一言で表すなら平凡という言葉がお似合いです。しかし口には出しませんけどね、マスターを不快にさせかねない言葉を言う必要はありません。


「いや、そうじゃなくて……君は?」


「ダンジョンコアです、マスター」


「君がダンジョンコア!? 確かに可愛い……けど何で下着姿なの?」


「この世界のダンジョンコアは、マスターが服を購入しない限り下着のままです」


「恥ずかしくないの……?」


「特に恥ずかしくはありません、マスター」


「じゃあ……いいか、このままで」


 まさか放置されるとは思いませんでした。別にいいですけどね、恥ずかしくないのは本当ですし、ただ少し服という物を着てみたい気持ちはあります、しかし服に使うDPがないのはわかっているので何も言いません。


「所でダンジョンコア、ダンジョンに入りたいんだけど。入り口どこ?」


「その件なのですがマスター。悪いお知らせと悪いお知らせがあるのですがどちらから教えましょうか」


「どっちも悪いんだ!? 凄い悪いとかでもなく、ただ悪いんだ!?」


「では、悪いお知らせその1ですが」


「しかも、マスターの了解も得ないで話し始めたよこの子!?」


 私としても話したい事ではないのですが事実なので仕方ありません。この世界は世知辛いのですよ、マスター。


「この世界で転生を司る上位存在がいるのですが、手違いで開拓済みの空きダンジョンがないのにダンジョンマスターに転生させてしまったようです」


「なにしてんだ!!! ウキウキで転生しちゃった俺はどうなるんだよ!!」


「そしてもう1個の方ですが」


「もう既にかなり萎えてるんだけど……なんでしょう?」


「なにぶん、この世界には無数のダンジョンがあり管理してるのは魔王様なんですが。このダンジョンは、ダンジョンポイントが初期値0になってますね。恐らく魔王様がポイントを振り忘れました」


 ……唖然としているマスター。申し訳なく思いますが私にもどうしようがありません。またタイミングを見て上に報告してみようとは思いますが。


「え……という事は……どういうこと?」


「はい、頑張ってダンジョンを作る事から始めてください。マスター」


「……ダンジョンってどうやったら作れますか?」


DPダンジョンポイントという物があるのですがDP1使う事で1マス掘る事が出来ます。ちなみに100GでDP1に換金が出来ますよ。マスター」


「……1マスってどれくらいの大きさ?」


「大体縦横2mくらいですね。マスター」


「それもう手で掘った方が早くない!? え、この世界って時給いくらなの?」


「そうですね、大体1日働いてよくて100Gくらいでしょうか」


「1日働いて2mなら手で掘った方が早いじゃん!!!!」


「ダメです、手で掘った物はダンジョンとしてカウントされません。ただの落とし穴です」


「DP使って1マス掘ってもただの落とし穴だと思う!!」


 DPが0のダンジョンコアなんて私が史上初だと思いますしマスターも史上初のダンジョンマスターですね。史上初コンビですね。


「とりあえず、マスター。働きましょうか」


 DPがないと何も出来ませんからね。頑張って稼いでくださいマスター……、私も出来る限りの援助はします。約束です。


『これから一緒に頑張りましょうね、マスター』


次回の投稿ですが3/30ではなく3/31の21時に投稿とさせてください。

申し訳ありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ