表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/39

第十五話「作戦会議」

 どうも、どうやらこのダンジョンに傭兵団が向かってきているらしいです。突然傭兵団とか言われても話に付いていけないわけで……どういう事になっているのかダンジョンコアに説明を求める。


「それで……何で傭兵団がうちのダンジョンに向かって来てるの?」


「同じ地域にいるダンジョンコアから情報を何とか集めましたが、この地域にいる有名な貴族が冒険者の息子を殺された恨みで傭兵団を金で雇ったらしいです」


「……はい? 貴族の息子を殺された恨み……? それにうちのダンジョンと何の関係が……」


まったく思い当たる節がなく困惑してしまう。うん……? 待てよ。ふと、クロの方を見てみる。クロと目が合うがクロは首をかしげている。


「クロ……この前冒険者2人斬ったよね……どんな2人だった?」


「この前の2人ですか? よく覚えていませんが装備は結構派手だった気がします」


「それだー!!!」


 いつの間にか30DPに変換されていた冒険者2人を思い出す。恐らくそのうちの1人が貴族の息子なのだろう、それ以外に考えられない。


「どうしよう……蘇生とか出来ない? メイの所に蘇生装置があるみたいだしそこに何とか……」


「残念ながら蘇生に必要な亡骸は、時間が立ちすぎたためダンジョンに吸収されていると思われます」


「……謝って許してくれたりしないかな? 30DPで花束とか買って送るとか」


「その花束は息子のポイントで出来た物だと知られたら挑発行為にしか思われないでしょうね」


 つまり平和的な解決は不可能という事か……。正直争い事は嫌いなんだが戦いは避けられないようだ。まぁ、でもこれでようやくダンジョンマスターらしい事が出来るのではないだろうか。


「も、申し訳ありません……私のせいで……」


「落ち着くのじゃクロ、冒険者を殺す事は我らにとっては常識。殺されるほど弱い方が悪いのじゃ」


「傭兵団だか何だか知らないけど蹴散らしてやりましょうよ、マスター様!」


 クロが落ち込んでいるのを慰めるシロ、グレーもやる気満々みたいだ……。傭兵団がどういうものかよくわからないけどこのメンバーならいけるんじゃないか?


「やれやれ、とんだ騒動に巻き込まれたものだね」


「……帰ってもいいんだぞ?」


「まさか、折角お仲間に会えたんだ。君の傍にいるとするよ」


「帰れー!」


 ブランとエミが何やらじゃれあっている。非常に微笑ましいのであの2人は放置しておくとするか。


「ダンジョンコア、その傭兵団ってどれくらいの数なの?」


「……具体的な数はわかりませんが、200か300ではと情報ではあります」


「多すぎない!?」


 傭兵団といっても精々多くて30人くらいかなと思っていたらかなりの数だった。数百人単位でダンジョン攻略するなんて聞いた事ないぞ。

 俺の考えていたよりも自体は深刻なのかもしれない、向こうの怒りは相当なようだ。死んで困るような息子を冒険者にするなよと思ってもどうしようがないため迎撃準備をする。


「とりあえず作戦会議をしよう……。このメンバーで300人の相手を倒せる?」


「向こうがどんな連中を雇ったのかわからんからのう……雑兵程度なら何とでもなるとは思うが」


「例え誰が相手でもマスターは守りきります!」


 クロとシロの2人なら上位の冒険者が来ない限りは大丈夫なはず、傭兵の数は凄いがきっと烏合の衆のはず……二人なら何とかしてくれるだろう。

 他のメンバーの顔を見渡すとグレーが真っ先に反応する。


「マスター様お任せください! 傭兵団の200や300くらい軽く蹴散らしますよ」


 凄い自信満々に答えるグレー、ある意味頼もしい。シロに負けたとは言えども5万DPクラスなのだから期待したい。そして視線の先には微妙な表情を浮かべている意外な人物がいた。


「微妙な顔してるけど、どうしたブラン?」


「うーむ……いや、あんまり気が乗らないなと思って」


「まだ体調が悪いのか? 無理しなくていいぞ」


「いや……そうじゃなくてな……」


 どこか歯切れの悪い返事をするブランに俺は首をかしげてしまう。その様子を見かねたのかエミが話に加わってくる。


「もう来てしまっているものは仕方がないよ、倒さないと僕達まとめて討伐されてしまうんだしさ」


「……むぅ、仕方ないか」


 エミの説得? によりブランも納得したようだ、いつの間にかこの2人結構仲良くなってないか? 同じ種族だから気が合うのかもしれないな。


 そして配置とか細かい作戦を決めるために俺とダンジョンコアとシロそしてエミの4人で作戦会議を始める。


「とりあえず配置どうする? 最深部で待ち構えて来た敵を全員でボコボコにする?」


「こればかりは手の内がわからぬ相手じゃからのう……上級パラディンとかがいなければいいのじゃが」


「最初の一本道に1人置いておくのはどうかな? あの通路なら相対する時は1対1だろうし楽に戦えると思うよ」


 さすが医者をやっているだけあって頭が良いのか軍師らしさを見せつけるエミ。というかちゃっかりダンジョンの一員みたくなってるけどいいのかな。


「あぁ、大丈夫。行く宛も特に無かったし協力させてもらうよ」


 俺の視線から意図を汲み取ってくれたのかニッコリ微笑んでくれた。とりあえずエミの案を採用して地下1Fの毒矢を敷き詰めた通路にクロを置こうと思う。


「ダークナイトドラゴンを傍に置かなくて良いのですかマスター」


「数が数だし戦力を温存していられないと思うから早めに終わらせようと思う」


「それならグレーにでも護衛させると良い。マスターが倒れてしまっては困るからのう」


 本当はグレーも戦闘に参加させた方が良いのだろうけど、俺が殺されたりダンジョンコアが破壊されたりしたら全てが終わってしまうため仕方がない。


「あ、僕はブランに守ってもらうから大丈夫だよ。いざとなったら護身術くらいに近接戦も出来るから安心して」


 頼もしい軍師様だ。絶賛ここは土の中なためブランもきっと輝けるだろう……きっと。


「地下1Fにクロ、最深部の入り口をシロが塞いで。一応部屋の隅に他が自衛する配置かな……。」


 今更だが黒白二人の頼もしさは凄いな。正直300人来ても何とかなるんじゃないかと思えてくる。そしてこういう時に何も出来ないのは、やっぱり申し訳なく思えてしまう……何か呪文1つでも覚えようかな……。


「しかし、不安要素が1つありますね」


「何が不安なのじゃダンジョンコア、妾やクロの実力かえ?」


「いえ、二人の戦闘力を疑ってはいませんが……瞬間的に最深部まで来られると厄介だと思われます」


 瞬間的に移動……。そう言えばエミがポータルみたいなのを繋いでいつの間にか来ていたりしていたな……。何でも妨害装置を設置しないとつなぎ放題だとか。


「妨害装置が必要なんだっけ……それDPいくつ必要なの?」


「5000で1つ購入出来ますね。半径100マスを1個でカバー出来ます」


「半径5マスでいいからもっと安い奴ないですか!!」


「ないですね、これが1番安い奴です」


「何でそんなに高いの? 他のマスターはどうしてるの?」


「開発済みのダンジョンには、既存で設置されていますから……新規で拡張する分を買うだけで普通は良いですからね」


 ダンジョンが無かった影響がここにも発生していた、俺悪くないじゃん! どうするんだよ、うちのダンジョンのセキュリティ凄く最悪なんですけど……。


「じゃあ、最深部に入られ放題って事か……」


「むぅ、確かポータル生成技術はかなり高度な魔術だったはずじゃから大丈夫じゃないかえ?」


「え、そうなの? もしかしてエミって凄い魔術師だったりする?」


「特殊な魔術は得意だけど、戦闘系の呪文は苦手なんだ。役に立てなくてごめんね」


 舌をペロッと出して両手を合わせるエミ、仕草がかなり可愛らしい。


「……じゃあ、そんなに警戒しなくても大丈夫かな?」


「一応敵が飛んでくる可能性がある事は頭に入れて置いてくださいね、マスター」


「なーに、飛んできても妾がすぐに倒すから安心するがよいぞ」


 自信満々に腕を組むシロ。凄く頼もしい、思わず惚れてしまいそうになるがぐっと堪える。


「鼻を伸ばしている場合ではありませんよマスター、敵が迫ってきていますから」


 何故か当たりが強いダンジョンコア、ダンジョンに敵が来ると好戦的になってしまうのだろうか。

 全員に作戦……と言えるほどの内容ではないが配置の指示だけは出した。それぞれが持ち場に向かっていく中で俺は不安で仕方なかった。黒白の2人が負ける姿は想像出来ないけど何故だろう、何でこんなに不安になるんだ? 


 ダンジョンコアが自然と震えてしまっていた俺の手をそっと握ってくる。


「大丈夫ですよ、マスター……ダンジョンコアも居ますから」


 もうすぐ傭兵団がこのダンジョンを攻略するために攻めてくる。でも不思議と手の震えは止まっていた。

 ダンジョンマスターですがいよいよ戦闘開始です。


後もう少しで第一章が終わりそうです。

頑張って書き切ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ