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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勢いシリーズ

悪堕ち勇者は悪じゃない

ノリと勢いのみです。

「オエエエエエエエエエ!!!!」


 龍斗は盛大に吐いた。


 この国のためにと必死に頑張りながら、彼女やその友達のために帰還方法を探していたがもう知らん。

 俺はもうこの国を捨てる。そして潰す。


 そう決意した龍斗は手早く荷物をまとめ、『勝手にしろ!もう知らん!』と書いた手紙を机に残し、部屋を後にした。



 *****



 一年半前、龍斗達とある高校三年三組の三十人は異世界に呼ばれた。

 魔王を倒して欲しいと言われた龍斗達は、幼馴染で彼女の薫の不安そうな顔と自身に宿っている勇者の称号を理由に、内心不安いっぱいのまま快諾した。

 だが、召喚されたクラスメートや彼女にはロクな称号が無く、所謂チートと呼ばれる状態なのは龍斗だけだった。

 それを知らずに勝手に龍斗が快諾しやがったとクラスメート達は龍斗を責め、やりたきゃ勝手にやってろと言い、龍斗に全て押し付けた。


 結果、その分も龍斗は一人で頑張った。ホントはやる気がなかったが、薫に言われたから一人で頑張った。


 頑張って、頑張って、頑張って、頑張った。


 他の者が向こうでは法律で飲めないワインをがぶ飲みして二日酔いにあっていた時、泥水を啜りながら森を彷徨った。


 他の者が異世界特有のフルーツ盛り合わせを食べていた時、毒が効かないからと、魔大陸の毒リンゴのようなものを食べていた。


 他の者が国の娯楽施設で遊びほうけている時、世界樹にいるハイエルフにボッコボコにされながら帰還方法を模索していた。


 他の者が国内の武闘大会で腕試しをしながら楽しんでいる時、獣人国による命懸けのバトルロワイヤルに参加していた。


 こうして一年半、我武者羅に薫やクラスメートたちの為に過ごしていた。



 だがそんな生活をその日彼は捨てた。

 死にかけながら、魔王四天王の一人を隷属魔法で国に連れ帰った満月の夜のことだった。


 一ヶ月ぶりのマトモな食事を腹いっぱい取り、薫に会いに行こうと中庭を横切ると、噴水の所で二人の男女がイチャついていた。

 俺も早く薫に会いたいと足早にそこを立ち去ろうとした時、見てしまった。

 その男女が濃厚な口づけをしているのを。

 そして気づいてしまった。

 月明かりと仄かな街灯に照らされていたその二人が、薫とこの国の第一王子であることを。


 いつの間にか龍斗は自室に戻っていた。そのことに気がついた龍斗は自室のゴミ箱に盛大に吐いた。


 こうして冒頭に戻る。


 龍斗は一目散に城から逃げ出した。



 そして龍斗は決意した。


 この国を潰すことを。


 彼女が王子に取られたのはこの国の王族が召喚したからだ。

 王族、つまり国が悪い。

 だから潰す。ぶっ潰す。

 かなり精神が摩耗していた龍斗はそう思考してしまっていた。


 その時、龍斗の称号が変化した。


 勇者から悪堕ち勇者へ。


 この日、この世界に、最悪の勇者が誕生した。



 その最悪の勇者はついでに召喚した原因の魔王も潰すことも決意した。




続きは書かないパターンのやつ。

気になる方は……想像してみよう。


ヒント︰主人公のみチート

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