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苦手な方はご注意ください。

海を歌う愉快な黒板

七転び八起きのごとく

作者: 海之本

多種多様な後悔を

誰もが抱えている世界で

真っ直ぐ前を見続けるには

きっと

猛烈なエネルギーが必要で

時に燃料不足で

息も絶え絶えに

這いつくばってでも

進まなきゃいけない

そんな日もある


投げ出すにも

背負い続けるにも

勇気や忍耐は必要で

死にそうな程のダメージ

受ける時もある


だけど

真剣に心底悩んだって

間違えることもある

やってみて初めて

失敗だったと気づくこともあるから


大事なのは

後ろを振り返ることじゃない

たとえ

間違えたって

失敗したって

そのせいで

重たいもの抱え込んでも

いま立っている場所で

どれだけ自分を出し切れるかどうか

最高の努力尽くせるかどうか

それが

歩く道の先を変えていく


だってそうだろ?

あの日 あの時

いいかげんな思いでいたわけじゃない

あの日も あの時も

自分の精一杯を尽くしていた


だったらそれでいいじゃないか

何も悔むことはない


もしもたとえ

軽はずみな自分を呪っていたとしても


大事なのは

それでも起き上がること


歩いてきた道は

変えられないけれど

これから歩く道は

変えられる

選ぶこともできる


後悔 悔しさ 恥ずかしさ

自分の弱さや無力さ

そんなどうしようもないものに

体中蝕まれて

力が奪われても


何度だって

起き上がってやる

負けてやるもんか

無慈悲な足に踏みつけられても

言葉の刃で刺し通されても

歯を食いしばって

諦めることだけはしたくない





燃料が切れて 歩けなくなって 気づけば血だらけの自分 泣きたいのに泣けなくなるほど心が無感覚で 期待することも 信じることも もう疲れた 楽になりたい 分からないけど ただ 無気力な疲労感から解放されたい 力が出ない もう歩けない 歩きたくない 歩く意味も分からない 頑張ったのに 努力したのに どうにもならない 何も変わらない 否定ばかりされ 批判され 見下される 間違ってないのに 信じること貫きたいのに 思いも夢も愛する人も簡単に踏み躙られ 知りもしないくせに 理解しようともせずに 自分が正しいと 定規からはみ出すものを悪とする人よ 優しい人だと思っていたのに 理解してくれていると思っていたのに さらけ出した無防備な心抉られて 無事なわけないだろ? 分かっていて刃を突き立てた殺人者に ナイフ胸に刺したまま 無理矢理笑って見せたけど 家に帰れば床に崩れ倒れた なんて狭苦しいセカイなんだ まだこの四畳半の方が宇宙に近い 痛み 怯え 息苦しく うずくまった体から力が流れ出てゆく 今までのことは無駄だったのか 無意味だったのか 昨日まで笑いあっていたあの人が怖い 委縮する自分が情けない 誰もかれもが凶器を持って襲いかかってくる もう もう 何を 誰を 信じればいいのか 自分すらも 分からない





ねえ だけどそうだろ?


だってあの日 あの時

いいかげんな思いでいたわけじゃない

だからもう

誰が何と言おうと

どう思われようと

どうでもいいことなんだ

例えもしも

それが過ちだとしても

ナイフ振りまわすあいつらだって同罪だ

負けてやるもんか


人は変えられなくても

自分は変えられる

疲れても 弱りきっても

どんなに時間が掛かっても

また起き上がって見せる


大事なのは

諦めないことなんだ


失望だと思えば

力は失われていく

けれど

己の何かを強く変える時だと思えば

根性見せつけてやりたくなる


失望だと思えば

怒りが湧いてくる

けれど

人の弱さを知る時なのだと思えば

何かを許せそうな気がしてくる


失敗だと言われても

それがたとえ

本当に失敗なのだとしても

大事なのは

真っ直ぐに前を見て

これからどこをどう歩くか

見極めること


壊れそうな心に言い聞かすんだ


あんな言葉

そんな気持ち

捨ててしまえ

もう考えるな

お前はあの日あの時

精一杯やった

それでいいんだ


嫌がる心の泥沼かきわけて

楽しかったこと

嬉しかったこと

やりたいこと

無理矢理にでも思い出せ


傷ついても

傷つけられても

お前の価値が下がるわけじゃない

存在の意味が消えるわけじゃない


不格好でも起き上がれ

道の先を見よう

こんなところで負けられない

そうだろ?

確かにお前はよくやっている



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