episode2.5 死神との遭遇
お姫様視点の話になります。
なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか
私エミリアは、王国の姫であり隣国である帝国の皇太子様の怪我を治す為に帝国へと呼ばれ、騎士団の方五名と従者であるスカレーットと共に帝国へと赴きました。
皇太子様が、迷宮探索の際に大怪我を負ったと報告を受けて、帝国の聖の魔法の使い手では怪我を治すことができず一刻を争うとのことでした。
自慢ではありませんが、私はこのエルノー大陸では聖の魔法の使い手としてはトップクラスの使い手なのです。
どんな怪我をしようと生きてさえいれば治すことが出来るという
噂から私が呼ばれました。
勿論それは噂でしかありません、たしかにどんな怪我でも治すことは出来ますが限界だってあるのです。
内心では、もの凄い緊張していましたが従者のスカーレットが色々と話をしてくださって何とか落ち着くことが出来たのです。
それからの馬車での移動中は、何事もなくゆっくりと時間が過ぎていきスカーレットと一緒にお話をしたりお茶をしたりとしている間に帝国へと着きました。
帝国に着きお城まで趣き、皇帝陛下に謁見して皇太子様の怪我を見せて頂きましたが、それはとても酷く正直申しますと、治せるかも凄い不安で、今でも思い出すと倒れてしまいそうなものでした。
それでも、少し時間は掛かりましたが皆様のお力添えもあり何とか皇太子様を治療する事が出来きました。
治療しているときは、本当に緊張しました。傷はなかなか治りませんし、周囲の方もその為か焦ってしまい魔法が途切れたりしてしまって一時はどうなるかと思ってしまいました。
治療が終わった後は、皇太子様はぐっすりとお休みにられたので皇帝陛下や様々な方々からお礼の言葉を頂き、帝国を出て王国へと帰る途中に襲撃にあったのです。
目の前では護衛として来てくれていた騎士団の方々が、襲撃してきた盗賊の人達を迎撃すべく戦ってくれています。
しかし、一人、また一人と盗賊の手によって殺されていくのを私は只恐怖に震えながら馬車の中から見ている事しか出来ません。
倒された騎士団の方々の鎧を剥ぎ、武器を奪い何度も何度も何度も剣で突き刺していくのです。命乞いをする方も腹部を裂かれ臓物を抉り出されているのに、盗賊の人達はそれを楽しそうに、まるで劇を見ているかのように笑っているのです。
「うぅッッ!」
「姫様!見てはなりません!」
その凄惨な光景を直視してしまい気持ち悪くなり吐き気が襲って来ました、隣にいる従者であるスカーレットが目を塞いでくれたおかげで吐き気は少し収まりました。
「なぜ……こんな事になってしまったのでしょうか」
「姫様。今は一刻も早く逃げましょう!こちらに注意が向いていない今が好機です」
「そう……ですね。行きましょう」
差し出されたスカレーットの手を掴み、私達を守ろうと戦ってくださった方々に感謝しながら馬車から出ようと扉を開けた瞬間に、目の前に長剣が突きつけられました。
「ひっひっひ!逃がすわけないでしょうよ」
「頭!これはなかなかの上玉っすね!」
現れたのは頭と呼ばれた男とその側近と思われる男。
二人は、私の体を舐め回すように眺めながら下卑た笑みを浮かべております。 そんな視線を受けた時には全身を寒気が襲ってくると同時に自分の未来が見えた気がしました。
この後、私とスカレーットは盗賊達に終わることなく犯され続け、性奴隷のように毎日この男達の慰め物になってしまう未来が脳裏を過り震えが止まりません。
「さぁ無駄な抵抗しないで馬車から降りて貰おうか。変な行動したらどうなるか解るよな?」
盗賊の主に長剣を突きつけられたまま、言われた通りにスカーレットと共に馬車を降りると、側近に手足を縄で縛られ身動き取れない状態にされました。
それを囲むように盗賊達がおり、皆下卑な笑みを浮かべております。
この後の事が嫌でもわかってしまう。体も心も壊されてしまうのだと思うと涙が溢れそうになりますが、ここで泣いてしまったら盗賊たちを更に喜ばしてしまうのだと思い最後の抵抗として、涙だけは見せないようにと堪えました。
「さぁお前ら!お楽しみの時間だぜ!今回は二人とも上物だからな壊すんじゃねぇぞ」
「「おおぉぉぉぉ!!」」
「じゃあ先ずは俺から楽しませて貰おうか、な!!」
「い、いや!止めてください!」
「姫様に手を出すな!」
盗賊の主が、私に近づくにつれ周りの熱も上がっていっているのが嫌でも理解してしまいました。
盗賊たちの主が目の前に立つと、私の着ていたドレスを縦に切り裂くと胸が盗賊達に晒されました。
両手を縛られており、隠す事が出来ず羞恥に顔を染める事しか出来ない私を見て、盗賊達は沸き上がっています。
「なかなか良いもの持ってるじゃねぇか、ひひっ、それじゃ気持ちよくさせてもらうかな」
「そんな汚らわしいもの見せないでください!」
目の前の男が下着を脱ぎ、汚らわしいモノを私に見せつけるように目の前に持ってきましたが、両手両足を縛られているので逃げることも、遠ざけることも出来ないので目を閉じる些細な抵抗しか出来ませんでした。
「初めてかぁ初めてが俺で良かっ」
「ぎゃぁぁぁ!!」
「ひ、ひぃぃぃ!」
「な、なんだ!どうした!?ッッ!だ、誰だてめぇは!?」
度重なる盗賊達の悲鳴に思わず目を開けてしまい、目の前のモノが視界に入ってしまい直ぐに目を背け、なにが起きているのかを見ると
黒き大鎌を持った不気味な仮面を着けた人物が、盗賊達をその大鎌で殺しているではありませんか。
その人物は盗賊の主に向かい合い、こう言ったのです
「どうですか?強者と思っていたのに、弱者になり狩られる立場は?」