プロローグです
俺の名前は小鳥遊奏汰。何処にでもいる普通の高校一年生だ。俺はこの春から私立怒気時高校に通っている。今日は夏休み前の最後の登校日。今日こそは憧れの佐藤先輩を海に誘うぞ!
『おにーちゃん、早く起きないと学校遅刻しちゃうよ』
ドアから現れたのは俺の妹小鳥遊アリア。半年程前に親父が再婚して出来た所謂義妹だ。長い金髪をツインテールにしている姿はアリアが身長が小さく可愛らしい童顏なことも相まって子供っぽく見えるが、小さな体に不釣り合いに実った双丘、細く引き締まったウエスト、むっちりとしたお尻からなる、ボンッ、キュッ、ボンな体はもう既に大人の色香を醸し出している。
『ちょっと、おにーちゃん。聞いてる?』
どう答えようかな?
①『エロい体してるな。ヤらせろよ』
②『ずっと前から好きでした!俺と付き合ってください!』
③『えっ、なんだって?』
『えっ、なんだって?』
『もー。おにーちゃん人の話はちゃ…ん……t………』
『なんだよ、お前こそちゃんとしゃべーーー』
だけど俺の言葉はそこで止まった。なぜなら、アリアが倒れてその場に赤い水たまりができいていたからだ。
『なんだよ…これ』
『アナタが悪いのよ。アナタが私じゃない女にフラグを建てようとなんてするから。フフッ』
『お前…なんで……?』
『大丈夫。邪魔な奴らはみんなみんなみーんな、消したから。』
『これからはずーっと一緒よ。私だけの奏汰』
俺が最後に見たのは真っ赤な血を滴らせたまま、その美しい顔に笑みを 浮かべた幼馴染、如月音羽の姿だった。
BAD END
=======================
「なんですこのまぞげー」
つい、そんな感想が口から出てしまいました。それにしてもこのゲームは鬼畜すぎると思います。どの選択肢を選んでも即座に惨劇のサクリファイスエンドだなんて。バグでしょうか。バグでしょうね。さて、それでは早速ファンメールを送りましょうか。公式ページからでいいですかね。
そう思い、慣れ親しんだこのゲームのタイトルを打ち込みました。
「えーっと、『私を奏でて♡サクリファイスシンフォニー』っと。…おっ、早速スレたってますね」
他の人達の感想が気になり、寄り道ついでにスレを覗いてみました。
=======================
【サクリファイスシンフォニーがガチでサクリファイスだった件について】
1『幼馴染やばい』
2『全選択肢バッドとか…』
3『ていうかことりあそびくん何やったんだよw』
4『>>3
何って、ナニだろ』
5『>>3
これ』
6『今年一のクソゲーはこれできまりだな』
7『>>6
何言ってんだよ。サクリファイスなら回避できるぞ』
8『>>7
証拠はよ』
9『>>7
はよ』
10『>>7
よ』
7『おまいらがっつきすぎw』
7『選択肢出る直前のセリフから選択肢出るまでに画面右下にNOW LOADINGって出るだろ』
11『ふむふむ』
12『よろしい、つづけたまえ』
7『それクリックするだけww
あっ、ダブルクリックなw』
7『そしたらエクストラ選択肢ってのが出るから、それ選んでいったらクリア』
7『ちなルート分岐は音羽ちゃんエンドか、サクリファイスエンドの二つだけ』
7『途中でエクストラじゃないやつ選んでも即サクリファイスだからなw』
7『んじゃ、そういうわけだから』
=======================
「まじですか…」
思わぬところで思わぬ収穫がありました。びっくりです。大きい栗ではありませんよ。
急いでネット用PCからゲーム用PCに移動しました。選択肢直前まではさっさととばしました。
『ちょっと、おにーちゃん。聞いてる?』
出ました!NOW LOADING!これを〜、ダブルクリックっ!
どう答えようかな?
①『エロい体してるな。ヤらせろよ』
②『ずっと前から好きでした!俺と付き合ってください!』
③『えっ、なんだって?』
④『(無視)』
おぉ〜!出た!出ましたよ!エクストラ選択肢!にしても無視ですか。このことりあそびくん極端すぎませんかね。でもまあ、これでクリアのめどはたちましたね。名残惜しくはありますが明日も仕事です。もう明日になってしまいましたしさっさと寝て明日…ではなく今日に備えましょう。ふふっ、明日が楽しみです。