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前編

12月25日 7:50

つぶれかけている探偵事務所は北海道の雪で埋もれかかっていた。

「ふぅー。朝のコーヒーは最高だね。」

「ちょっと、ここ私の席なんだけど。」

「おぅ、気づかなかった。失敬。」

「へぇ。毎日毎日勘違いするなんてすごいわね。イ・シ・ジ・マ君。」

香は石島をおしてイスに腰かけた。

「自分だけずるいっすよ。俺らにもイス買って下さいよ。」

「森田はだまってて。このイスは高かったの。二人の分なんて買えないわ。」

「ちぇ。」

「森田、あいつの言ってることは嘘だよ。昨日、初キャビアだとかいってキャビアめっちゃ食ってたぞ」

「うわっ、キャビアなんてオレ食ったこと無いっすよ。」

「そっそれは、ちょっと・・・っていいの!自分の物は自分で買うのがあたりまえ!」

「ちぇ。」

プルルルルルッ プルルルルル

「はぁーい。もしもしこちら探偵事務所。」

[俺だ。高倉だ。]

「あぁ。高倉。っで?」

[あからさまにイヤな態度をとるな。今日、そっちに行ってもいいか?]

「いいけど。」

[じゃあ、いつもの時間に・・・]

「ラジャー。」

ガチャ

「・・・ふー。」

事件の話か、自慢話か、 どっちにしてもめんどくさいなぁ。

「誰からっすか?」

「この様子からだと高倉だろ。」

「当たり。いつもの時間に来るって。」

「めんどうだな。」

そういって石島は机にコーヒーをおいた。



12月25日 18:30

ガチャ

「よぉ。元気か?」

「元気よ。それより何?ここにきたって事は何か話があるんでしょ。」

「おぉ。やっぱり南はさえてるなぁ。」

「そんなの香先輩じゃなくても誰でもわかるっすよ。」

「おぉ、森田か、元気か?」

「元気っすよ。」

「っで今日は?事件でもあったの?」

みんながイスにすわった所で香が聞いた。

「んあぁ。12月24日に殺しがあってさぁ。」

「クリスマス・イヴに殺しっすかぁ。」

森田が言った。

「誰が死んだんですか?」

石島はコーヒーを机におきながらそう聞いた。

「んーと・・・確か・・・あったあったこれだ。」

高倉は、かばんの中からしわくちゃになった資料をとりだした。

「随分と雑なしまい方だったのね・・・。」

私はそう言いながら資料を受け取った。

「殺されたのは松本 愛華 16歳。」

「16歳ねぇ。」

「まだ若いのに、可哀想っすねぇ。」

森田が言った。

「殺された場所は1丁目の田中哲也の家だ。」

「松本愛華の家じゃないの?」

「そうなんだよ。松本愛華と田中哲也は幼なじみでなぁ。」

「じゃあ田中哲也が犯人っすねぇ。」

森田が自信満々に言った。

「いや、そうでも無さそうなんだよ。」

「どういうこと?」

「いやぁ、それがさぁ、窓ガラスが割れていたんだよ。」

「・・・となると、犯人は泥棒にきたけど見つかったから殺った・・・ってこともありえるわね。」

「そうなんだよ。泥棒が殺したってこともありえるんだよ。わかったか森田。」

それ今言った。

「へいへい。」



「ちょっと待って。何でこの子はサンタクロースの服を着ているの?」

私は資料を見ながら聞いた。

「クリスマスパーティーだとよ。若いなぁ。」

「クリスマスパーティ前に殺されるなんて・・・可哀想ね。」


「よいしょ。もう帰るよ。」

「早いわね。」

「明日仕事だからな。早く寝るよ。何か事件のことで思いついたら言ってくれ。おやすみ。」

「おやすみ。」

ガチャ

ふー。

とりあえず事件のことがニュースになっているか調べよう。

「森田。テレビつけて。」

「はいはい。」

森田は、ピッとテレビの電源をつけた。

[ニュースです。12月23日M小学校の男子生徒を誘拐した犯人がたった今つかまりました。]

「アイツつかまったのか。」

石島が言った。

「この事件、前からやってたの?」

私が聞いた。

石島が少し笑ったように言う。

「あぁ。ニュースでやってたんだ。このニュースはみんな知ってるぞ。キャビア食う前にニュースでも見たらどうだ。」

「うっ・・・うるさーい!」


・・・

「・・・このニュース12月23日に放送されたの?」

「あぁ。そうだと思うが・・・それがどうかしたのか?」

・・・・。

「ちょっとひっかかってね・・・。」







まだ前編ですが読んでくださりありがとうございます。


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