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91.降竜撃

「おおおお、降竜撃だーーー!」

天井付近から降下してくる金々のレーテは、そのように叫んだ。

なんて恥ずかしい子…。


「昇天の虎だー!」

同時にユスティアが全力で突き上がり、セシザに殴りかかる。



セシザは両手を広げて舞を踊るように、身体をゆっくり回転させた。

そして右掌(みぎてのひら)を上、左掌(ひだりてのひら)を下へ向けると、レーテとユスティアの軌道が逸れる。

軌道の逸れた二人はその疾風のような勢いのままセシザを通り過ぎた。


同時にミュミテの投げる石も軌道を変えて一周公転させると、今まで取り込んでいたガレキ共々まとめて、ミュミテに降り注いだ。

「あーだめだめいたいたたたた」


さらに通り過ぎたレーテ、ユスティアにおびただしい数の武器を放り飛ばす。

ユスティアは空中で体をひねりながらまた傷を受け、着地したばかりのレーテは武器の五月雨が殆ど直撃した。



こいつのデュナミスは異常に強い…。

周りの空間の重力を操作するのか、全てがひねられて何も届くことがない。


「ルレウ、チャームは…」

「わかってるけど、恐らくアテラのようにデュナミスの防壁が多重にかけられて全くだめ。」

セシザもやはり、増強などができない代わりに干渉を受けないように何重もデュナミスが施されている。



「無駄だ。俺の前ではいかなる物理攻撃も、精神攻撃も意味を成さない。」

そして恐らく戦闘慣れもしている。

唯一こちらに利があるのは、セシザが本気を出していない点だ。

恐らく彼は私達の実力を測りたいのだろう。



まだ試せることは2つある。


「ルレウ、増強をあれに。」

レーテの肉片に増強をかける。



「先ほどから指示ばかり出しているそこの小僧は何ができるのかな。」

ばれた。

ルレウの背後の羽織物にみせかけていたが、限界だったか。

私は元に戻る。


「私はこのように変身ができます。」

私はメモを書いてルレウのお尻のポケットに入れる

(読んでください)そう小声で伝えた。



「それはいいデュナミスだな。で、戦えるのか、戦えないのか。」

「戦えます。ここで。」

私はルレウから降り、行かせると、自らの頭を指さす。

ハクレイと同じタイプであれば知的好奇心などが早期の決着を邪魔するはずだ。



「ふむ、ならば行動で示してもらうとしようか。」

だめそうだった。

セシザは私に向けて武器の一つを飛ばす。


飛んできた槍は私の顔の横を通り過ぎる。

「アテラ!」

「ルレウ見るな!」

ルレウの言葉にかぶせるように私はそう言った。


セシザは無言のまま、2の剣、3の刀とこちらにとばす。

剣は私の左腕をかすめ、刀は回転しながら私の右脇腹を切った。


「避けないのか?」

デュナメイオンは殺したら退場。

さすがのセシザも急所は狙わないと考え、ならば私は避けないことを選んだ。


「避けた方が死ぬ確率は上がります。」

「ほう、じゃあこれは?」

ナイフのような武器が私に向かってくる。これは顔…


キイィン!


とそう思った時にはユスティアが防いでくれた。

「アテラ死ぬぞ。逃げるか?」

「ありがとう。もう少し…」


そう言いかけている間にも折れた剣の先や包丁、小刀などが降り注ぐ。

容赦なく私を狙うそれを、ユスティアは落ちていた武器で上手く弾くも所々に裂傷を受けていく。


「ユスティアごめんなさい。」

「いいんだよ。仲間じゃん。」


ユスティアはそういうと私を担いで回避行動に出る。

そこからしばらく攻撃をかいくぐったが、ユスティアはついに左太ももに短刀の直撃を受けて転倒した。


「子を背負う重みがわかったか、盗賊。」

セシザは訳の分からないことを言い出す。

なにかユスティアの過去をしっているのか。


「黙れ下郎が。」

暴言モードのユスティアは足にささる短刀を自ら外した。

さらに飛んでくる武器達。

ユスティアは転がるようにして攻撃をよける。何故か私へは飛んでこなかった。


セシザが右腕を横に伸ばし、おびただしい数の武器を集める。

脚の負傷で鈍いユスティアはもうもたない…早く…。


「…」

攻撃が止まる。


「…ぐ…やりやがったか。」

そのとき急にセシザの右腕が自ずともがれた。


セシザは事態を理解したのか、腕の付け根を自らの剣で切り直し、切断面を平らにする。

そしてもがれて取れた腕の方も付け根を切り、腕に持ってくる。が、さすがに接合はされない。


そして右脚も同じようにもがれそうになり自ら切断しだした。


「おい、再生の女。これ()めないと小僧を()るぞ。」

その言葉の先の剣山化したレーテから、無数の肉片がセシザにとびかかる。

しかしセシザはその全ての軌道をそらした。


「見えていればどうということはないが、迂闊だった。」

あらかじめ付着させられたレーテの微小な肉片はセシザの身体に付着したまま増殖し、その筋肉で腕や足をもいだのだった。


しかしセシザには痛覚がないのか。飄々としている。

右腕の右脚の出血を止めようと力を注いでいるのか、すぐに攻撃はしてこない。



そこへミュミテが天井から降ってくる。

セシザは例の如くミュミテの落下軌道を変えようとするが、

ミュミテは器用に分身と解除を行い軌道をコントロールする。


「つかまえた!」

ミュミテがセシザにしがみついた。

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