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49.2人の内緒

チターナがメイをおぶる。

私はムイに抱き上げられながら、全員増強の脚で帰途につく。


抱き上げられた脚の内側をみる。

数字は『117』…。

油断した…。自分の冷や汗を感じる。


最後に確認したのはハクレイ達の奇襲を退いた後だった。

そこから会っているのはアテラチームと黄昏棟の者達、そしてハクレイとその取り巻きか。

『この中で裏切るやつがいるかもな』ハクレイのその言葉が脳裏に浮かぶ。


かなりまずい状況になった。

アテラチームでこのタイミングは考えづらいような気がする。

しかし私に何のデュナミスをかける必要があるのか。


「…テラ、アテラ。」

ムイの声が聞こえた。

「はい。」

「大丈夫か?全然会話に乗ってこないじゃん。」

あれ、何かの会話を振られた?全く気付かなかった。


「疲れてしまいまして…」

「アテラ顔色悪いよ?今日は帰ってゆっくりしたら。」

チターナが気遣ってくる。もしチターナがやるとしたら回帰属。私を疑って相殺し続けているのだろうか。


「そうだな。じゃー一日オフということで行こうか。ウイはたくさん寝たから元気だろ。」

「はい、今日は3の日になりますしね。」

ムイとウイ。この二人はないと思う。感情的にも理性的にもやる意味がないはずだ。


「…アテラ元気ないね。」

リーネがそう言った。

メイは物理的に不可能だったからあとはリーネか。

リーネは最初から私を疑う素振りがなかった。

もし私にデュナミスをするとしたら色恋系か。まさかね。


「リーネ、後でアテラを看病してあげたら。リーネの回帰と干渉なら何でも治りそうだよ。」

チターナがリーネに言った。それは最悪のパターンだ。何とかやめていただかないと。


「大丈夫です。寝不足なだけですから。」

「そ、そっか…。」

リーネが少しがっかりした感じになる。チターナ嫌い。


念のため自分の内股を見る。『117』。

「アテラなに見てるの?お漏らし?」

「違います。怪我した気がして、みただけです。」

「リーネに…」

「チターナ、リーネを私だと思って暫く過ごしてください。」 

「う…」

主従リンクやってやった。暫く赦さないでおこう。


早速チターナがリーネの頭を撫でだす。

「じゃあオフにしときますか。」

私はムイからおり、残し少しの帰路を自分の脚で歩く。


部屋についたらすぐ、変化を自分にかける。

『122』

5回連続発動すると息が切れた。これを何セットできるか。

シャワーを浴びる。そして着替えを済ませてもう一度発動を試みる。

1…2…3…


「…アテラ大丈夫か?」

あれ?起き上がると周りはまだ明るい。


「床で寝てたのか?」

しまった…デュナミスの使いすぎか。

「すごく疲れていたみたいです。寝てしまっていました。」

「そうか。熱とかはなさそうだけど、アテラがんばったもんな。」

ムイは私のでこを触る。ムイの手はあたたかいから大丈夫だ。

よく寝てとてもすっきりした。


「ありがとうございます。もう大丈夫です。」

私は起き上がると食べ物を探しに男部屋を出ようとする。

「なぁアテラ。もしかして外観のコピーとかできるのか?」

そうだった…ハクレイとの交渉の時に変化使ったこと、弁解を忘れていた。


「はい。絶対に内密にしなければならないことです。

 私は外観を変えています。」

これまでは本当のことを言うべきか迷った。だがもはや言わなければならない。


「そうだったのか…。どれくらい変えられるんだ?」

「体格に大きな差がなければ何でもだと思います。」

「種族を変えたり?」

「はい。できます。」


私はムイから男のように扱われるのが正直気に入っていた。だから性別だけは…

「性別も?」

「はい。」

…聞かれてしまった。


「もしかして女だったりするか?」

「…。」

「いいや、聞かないでおく。ウイが繊細な話と言っていたのはそういうことか。…あのときはウイ寝てたもんなぁ。」

ウイは私を性同一性障害と思っている。

そしてムイは真実を知った。


「そんな顔するなよー。俺はアテラの心が男でも女でも…少しは変わるか。」

正直な奴め。

しかし残念だ…結構この部屋気に入ってたのに。


「あのさ、相談があるんだけど…。」

「な、なんですか。」

男にできなくて女にできる相談?

いい予感はしない…。


「メイってどんな男がタイプなんかな?」

へ?

あー…。


「メイは女の人が好きみたいです。例えばチターナのような。」

「そうか…。」

「でもぼくに気があるようなリーネは、ぼくが女だってことを知っています。だから性別なんて気にしなくていいんです。」

雑にまとめた。何せ私もよく分からない。

ノアテラにドキドキしたのも突然だった。


「そっか、ありがとう!アテラはやっぱり頼りになるなあ!」

「いえ、こんなぼくでもお力になれれば。」

少し空元気気味なムイだが、きっと大丈夫だろう。


「…俺はアテラと今まで通り接するよ。デュナミスのことは俺とアテラ、『男同士の』内緒でいこう。」

「ムイ…本当に助かります。」

ウイにも話さないと言っている。

ムイにとって女目線で恋愛相談ができる私がそこまでの意味があるのか。それとも私への気遣い?


「じゃあこれは朗報かな。メイは昨晩の記憶がない。つまり2人の内緒だ。」

「はい。ムイの恋話もですね。」

そうだった。

メイも口は堅そうだが見られたことを忘れていた。

どこかで思い出すかもしれない。脇を締めていかねば。


これでひとまず危機の1つは脱した。

次は重ねがけを効率よくする方法を考えよう。

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