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悪役令嬢シリーズ

『赤い竜と悪役令嬢』

『赤い竜と悪役令嬢』



□ドラゴン入店。

ゴォォォォオオオォ……!

灼熱の咆哮とともに、店の自動ドアがバキィィィィン!と悲鳴を上げてぶっ壊れた──否、開いた。


異世界コンビニ『ユグドラマート第十三店』の空気が、一瞬で灼熱地獄に変貌したその刹那。

ゴロリと天を突く巨体、鱗は溶鉱炉のように赤く煮え立ち、その目はマグマのごとき燃えたぎる金色。


──レッドドラゴン、入店。


ドンッ…ドゥオンッ…!と床が揺れるたび、商品棚がスローモーションでグワングワン揺れ、

レジ横の「おでん」がボコン! バコン!と汁を吹き上げる。

あまりの熱気に、モリモリ君コーナーの冷気がメルトダウン寸前だッ!


「……ピィィィィィ」


レジの自動音声が、か細く死にかけた。

でもレッドドラゴンは動じない。

頭を天井にめり込ませながらも、その口をわずかに開く。


「……ホットスパイシーチキン、在庫ハアルカ?」


ズオオオォオ……!

声だけで壁のポスターが燃え上がる。

煙をまとうように、後ろの尻尾がレジ袋を三枚ほど溶かしながらウネウネと蠢く。


店員のエルフ青年は、すでにフリーズ状態。

汗ではなく、魂ごと蒸発しそうな表情でカタカタ震えていた。


──だが、そのとき。


「いらっしゃいませ! ポイントカードはお持ちですかッ!!?」


バァァァン!!

奥から現れたのは、魔法耐性MAXのドワーフ店長。

手には輝くトング、腰には神鉄製のレジスター型魔導具。


さぁ戦い(接客)は、ここからだ──!


--


□悪役令嬢も入店。

カランカラァァン……


涼やかな鈴の音が鳴った瞬間、灼熱地獄のようだった空間がピタリと凍った。

と同時に、薔薇の花弁がどこからともなく舞い散る──そう、風もないのに。

まるで空間そのものが彼女の登場にひざまずいたようだった。


現れたのは、絢爛たる漆黒ドレスに金糸を織り込んだ美の暴君。

腰にはフリル、手にはシルクの扇子、瞳は夜空に浮かぶ氷の月。

その名は──


クラリッサ・フォン・ローゼンクロイツ=ド・ベルベット・グランディーヌ


「やれやれ……またこの店、焦がされているではありませんの?」


コツ……コツ……

彼女のハイヒールが床を打つたび、周囲の空気が冷え、壁のヒビが逆再生で修復されていく。

レッドドラゴンが目を見開いた。人族ごときに、熱をかき消されるなど……!!


「おかえりなさいませ、お嬢様ッ!!」

震えていたエルフ店員が、クラリッサの前でまるで賢者の石を拝むアルケミストのように敬礼。


「ええ、ただいま。今日も『黄金の女王プリン三段盛りプレミアム』、ありますわね?」


ズラリッ!

冷蔵ケースが光を放ち、神々しくプリンが降臨。

彼女はそれを手に、イートインスペースに優雅に腰を下ろし──


ぱくっ。


一口。

舌の上で甘さが踊る。

カラメルは琥珀色の呪文、クリームは天界の霧。

そして口元に浮かぶ、勝者の微笑。


「はあ……この一口のために生きていると言っても過言ではありませんわね」


キラキラァァァ……!

彼女の一口が、周囲の空気を浄化し、店内BGM『異世界J-POP vol.7』が流れ始める。


だがそのとき。



ゴゴゴゴゴゴゴ……!

レッドドラゴンがその巨大な首を低く垂れ、唸った。


「人間よ……その冷気、余の火を曇らせる……ッ!」

「ご褒美ケーキ中にうるさいですわね、トカゲ」


空気が裂ける。目と目がぶつかる。

甘味と灼熱、氷と炎、貴族と古代竜。


異世界コンビニ、ついに戦場へ


彼女はそっとスプーンを置いた。


「ふふ……“火遊び”がお好きなら、お付き合いして差し上げますわ」


--


□救世主、登場?!

そのとき、コンビニの中央──「お菓子と洗剤コーナーのあいだ」で、

火焔と冷気がぶつかり合い、目に見える衝撃波がバゴォォォン!と飛び交っていた。


棚の「揚げものクン」と「乾電池」が混ざり合いそうな緊張感の中、

通路を挟んでにらみ合う二つの圧倒的存在──


レッドドラゴン:全身から立ち昇るマグマのような圧。吐息ひとつで「雑誌コーナー」が溶け落ちる。

悪役令嬢クラリッサ:腰に手を当て、扇子をふわりと仰ぎながらも、瞳は断頭台より冷酷。


バチィィン!!

視線がぶつかるたびに、空間が断続的にバグる。

天井からは意味不明なラテン語で「ペソッス…ヴァンドラ…!」と唱える神聖LEDライトが点滅。


「この場で火を噴くなら、チルドスイーツの損害金、あなたに請求しますわよ」

「ならば余は、チルドごと貴様を焼き尽くす……」


その瞬間──ッ!!


パキィィィィィィン!

天井の蛍光灯が粉々に砕けた!


そこから飛び降りた影──

全長わずか35センチ! スパンコールマントが夜空を裂き、足元にはスニーカー型魔導具!


「ストーーーーップ!!!お二人とも!!!」


登場:小人族の救世主(セルフ肩書き)

その名は──


“フリズビー・ティンクルスター三世”


「この店は! 争う場所じゃなくってよォォッ!!スナック菓子の聖域であり!!」

「おでんの社交場ッ!!」

「スイーツのユートピアッ!!!」


彼の声が放つ魔力は、コンビニ全体に奇跡のような静寂をもたらした。

ついにはレッドドラゴンの背のウロコがぴたりと静止し、クラリッサの扇子が空中で凍った。


「我が名にかけて、今こそこの争いをスイーツで裁定する!!」


――『伝説のプリン対決』、開幕。


・クラリッサ:『黄金の女王プリン三段盛りプレミアム』

・レッドドラゴン:『灼熱の溶岩カラメルプリン 激辛ver』


フリズビーは小さなスプーンを掲げ、コンビニの床を審査台に変えた。


「よし、きめるぞッ!!どちらが、この異世界コンビニの真の“看板スイーツ”なのかを!!」



次回、「審判のひとさじ」へ続く(?)


--


□意外な結末

審査台の上、胸を張る小人族の救世主・フリズビー・ティンクルスター三世。

その顔には確かな誇りと、

「俺こそが異世界コンビニの秩序の象徴だ!」という自信MAXの笑み。


クラリッサはプリンのスプーンを持ち上げながら、

その口元にふと、邪悪で上品な微笑を浮かべる。


レッドドラゴンの瞳にも、静かに灯る炎──「この小僧、やりすぎたな」という共感の焔。


沈黙。

0.1秒。

そして──


「ねぇ、ちょっと……」クラリッサが言った。

「この虫、うるさくありません?」


「余も、そう思っていた……ッ!!」



ゴオオォォォォッ!!!️

レッドドラゴンの鼻息ビームが炸裂!!

火炎じゃない。純・鼻息。それだけで店の壁がベコォォォォ!と波打ち、

フリズビーはスーパースローで吹き飛んだ!!


「ぎゃあああぁぁああああああ!!!!!???」


ビュオォォォ!!

棚をかすめ、おでん鍋の横を通過し、チルドケースを突破し、

レジ袋コーナーで“ビタン!”と突き刺さるように落下。


「ぷっ……!ふふっ……!」

クラリッサが手を口元に添えて笑い出す。


「この店では、結局“力”がルールなのね」


「……ふん。貴様とは一生相容れぬと思っていたが……案外、悪くない」

レッドドラゴンが片翼を広げ、クラリッサをかばうように囲う。


その瞬間、

バァアアアン!!とコンビニが一瞬だけ、浄化されたような光に包まれた。

氷と炎。スイーツと鼻息。

交わらぬはずの存在が、今だけ、重なった。


「では……また会う日まで。次は、スイーツバトルで決着をつけましょう」


「……よかろう。だがそのときは、“カレーパン”も持ってこい」


そして二人は、背中合わせに店を去る。


ドアは溶けてなくなっているが、

彼らの足元には、勝者のように静かな風が吹いた。



そして残されたのは、棚の間で逆さまになってピクピクしている小人族フリズビー。


「う、うそだろ……え、え、俺が……オチ……なの?」


風が吹き、コンビニのBGMが流れ始める。

♪~「イセカイ・コンビニ・パラダイス〜ユグドラmix」~♪



【完】

※この物語は「文章マシマシステム」(表現を盛るAIツール)を使用して執筆されています。

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