夏夜
(短歌七首)
喧嘩して
たったひと言、云ったとき
一瞬凍ってヒビ割れた愛
襟もとに
指を這わせてみたいなぁ
狐がコンと啼く指人形
なぜ逢った?
想い返してもっと好き
理想の姿を見せつけた人
できるなら
たったこの今、雲に乗り
回る世界をいっしょに止めたい
寂しくて
黄昏の街、想い出す
あのころふたりは重なりあってた
跳ぶ、夏夜
ねずみ花火に追いかけられて
ずいぶんはしゃいだ半分こどもで
丘の上
白い家から歌声が
流れる、早朝、緑葉、揺れてる