表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの日の恋(×3)が終わってくれない!~思い出の美少女たちと再会したら、恋の続きが始まりました~  作者: 柚本悠斗@小説家
二章 一色夏鈴

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/78

第21話 ナンパ × ナンパ × ナンパ

「君、可愛いね」

「どこから来たの?」

「歳はいくつ? 大学生?」

「よかったら一緒にお茶しない」


 めちゃくちゃベタな台詞で気を引こうとする二人。


「…………」


 夏鈴は相手にするつもりはないらしく冷めた目で終始無言を貫いている。

 夏鈴みたいに綺麗な女の子がいたらナンパをしたくなる気持ちは同じ男として理解してやれるけど、しつこい男と空気が読めない奴はモテないぞと言ってやりたい。

 なにより、仲の良い女の子がナンパされているのを見るのは気分が悪い。


「すみません。その子、俺の連れなんです」

「りっくん——?」


 夏鈴を庇うように間に割って入る。

 すると、男たちは露骨に嫌そうな表情を浮かべた。


「連れって、この子の彼氏か?」

「いえ。彼氏じゃ——」


 ないんですけど。

 そうと言おうとした瞬間だった。


「彼氏です!」


 俺が否定するより早く夏鈴が叫ぶ。

 すると見せつけるように俺の腕に抱き付いてきた。


 瞬間、一度は落ち着いた下半身の生理現象が再発しかける。

 お互いに水着姿で触れ合う肌と肌の面積が多いからだろう。抱き着かれるのは初めてじゃないのに、ダイレクトに感じる肌の温もりと柔らかさに理性は崩壊寸前。

 ギリギリのところで保ちながら男たちと対峙する。


「嘘だろ? こんな冴えない男が彼氏?」

「キミみたいに可愛い子には不釣り合いだろ」

「そうそう。俺たちと一緒に遊んだ方が楽しいって」


 二人は彼氏(仮)がいようがお構いなしに夏鈴を口説き始める。

 積極的というか見境がないというか、たぶん俺が舐められているだけなんだろうけど、彼氏(仮)の目の前で彼女をナンパするとかクズ男にも程がある。

 悪いけど俺は寝取られ物じゃ興奮できない。

 さすがに苛立ちを覚えた時だった。


「ちょっと……黙って聞いてれば好き放題言ってくれるじゃない」


 夏鈴が怒気に満ちた声で言い放ちながら二人を睨む。


「あんたらみたいな奴に、りっくんのなにがわかるって——!」


 咄嗟に夏鈴の口を押えて黙らせる。

 こういう奴らを刺激するとなにをするかわからない。


「あんたらみたいな奴って、どういう意味だ……?」


 案の定、怒りを露わにしている夏鈴を見て二人の空気が変わった。

 女の子とお近づきになりたいくせに、女の子の気持ちもわからず怒らせるくせに、怒られたら逆切れかまして威圧するようなクズ野郎って意味だよ!

 そう言ってやりたい気持ちを抑えて下手に出る。


「連れがすみません。ところで二人は成人されてますよね?」

「……成人してたらなんだってんだよ」

「やめておいた方がいいと思って」

「やめておいた方がいい?」

「この子、大人びて見えますけど高校生なんです」


 そう伝えた瞬間、二人は露骨に気まずそうな表情を浮かべた。

 そのリアクションを見る限り最低限の常識は持ち合わせているらしい。


「大人が高校生に声を掛けることは問題ないんですけど、ナンパ目的やワンチャン狙いだとしたら色々まずいんじゃないですか? 最悪、社会的に死にますよ?」

「「………」」


 途端に黙り込む二人。


「今のご時世、毎日のように未成年淫行のニュースが流れていますからね。悲しむ家族がいるなら、そのあたり気を付けて声を掛けた方がいいと思いますけど」


 ここまで言えば引いてくれるだろう。

 あとは適当にあしらってさようならをすればいいんだけど、同性として女の子に声を掛けた勇気と努力を称え、俺からささやかながらのプレゼントを贈りたい。


「そんなわけで、法に触れない素敵な女性を紹介します」

「「素敵な女性?」」


 俺はサマーベッドに横になっている菫さんを指差す。

 その先で俺に気づいた菫さんが笑みを浮かべて手を振っていた。

 あれこれ異議はあるかもしれないけど、法に触れないのも美人なのも嘘じゃない。よく黙っていれば美人なんて言われる人も、美人であることに間違いはないじゃん?

 すると、男たちは嬉々として菫さんのもとへ駆けていった。


「よし。まずは一組」


 美少女を餌に罠にはめたようで良心が痛むけど菫さんのため。

 なにより俺の未来のためにも頑張ってほしい。

 なんて切実に願っていると。


「りっくん、ありがと!」

「ちょ、おい——夏鈴!?」


 夏鈴はさらに力強く俺の腕に抱き付いた。


「あの人たち、いくら断っても諦めてくれなくて困ってたんだ。りっくんが助けてくれなかったら面倒なことになってたかも。ほんとにありがとね!」

「お、お礼はいいから離れてくれ……」


 そう言って夏鈴が離れてくれたら苦労はしない。

 ていうか、悪戯っぽい笑みを浮かべているのを見る限り……。

「夏鈴、もしかしてわざとか?」

「せっかくの水着だからサービスしないとね♪」


 そこまで言われたら離れてくれって言うのも野暮だろう。

 心の中でお礼を言いながら触れ合っている肌に意識を集中。


「水着姿だからかな……肌と肌が直接触れてドキドキするね」


 いつも余裕一杯の夏鈴もさすがに恥ずかしそうにはにかんでみせる。

 そんな顔されると余計に恥ずかしくなるから勘弁してほしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ