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あの日の恋(×3)が終わってくれない!~思い出の美少女たちと再会したら、恋の続きが始まりました~  作者: 柚本悠斗@小説家
二章 一色夏鈴

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第8話 水着売場

 二階にある催事場へ到着すると同時に感嘆の声が漏れた。


「おお……すごいな」

「思ってた以上に揃ってるね!」


 目の前に広がっていたのは目が眩むほどのカラフルな空間。

 夏鈴と一緒にやって来たのは男子禁制、秘密の花園こと女性水着コーナー。

 水着も下着も大差がないと思う思春期男子にとって、ここは立ち入るどころか素通りすることすら許されず、せいぜい遠目に眺めて楽しむのが精一杯の素敵空間。


 もし男で来られる奴がいるとしたら彼女という名の通行証を持つリア充のみ。

 それはさておき、すごいな……空間を埋め尽くすように飾られた水着の壁。三百六十度のパノラマを望む水着の森に迷い込んだ俺は、さながら煩悩の国のアリス。

 なんてバカな例えはさておき、まさに圧巻の品揃え。

 永遠に眺めていたい気分なんだけど。


「なんで女性の水着売り場に男の子がいるの?」

「彼女と水着を買いに来るなんて仲がいいわね」

「あらまぁ、最近の高校生ってませているのね」

「ちっ……私なんて見せる相手もいないのに!」


 最後のお姉さん、菫さんと気が合いそうですね。

 なんて感想はさておき周りの女性客の視線が痛すぎる。


「じゃあ、俺は男物のコーナーを見てくるよ」


 お互いに買い終わったら連絡することにして離れようとした時だった。

 夏鈴は逃がさないとでも言わんばかりに組んでいる腕に力を籠める。


「一緒に選んで♪」

「一緒にって——俺が夏鈴の水着をか!?」

「あとでりっくんの水着も選んであげるからさ」


 夏鈴は有無を言わさず俺を引きずりながら奥へと進む。


「ちょ、ちょっと待ってくれ夏鈴!」


 なにを言っても無駄だと思うけど念のため聞いてみる。


「夏鈴が平気なら付き合うけど……恥ずかしくないのか?」

「恥ずかしい?」


 夏鈴は『なんで?』と言わんばかりに首を傾げる。


「これは男の考えというか疑問なんだけど……水着も下着も布面積的には似たようなものなのに、なんで水着は恥ずかしくないんだ?」

「ああ、そういうことね」


 夏鈴は納得した感じで続ける。


「下着は隠すためのものだから恥ずかしいけど、水着は見せるためのものだから平気って感じかな。男の子にはわからないかもしれないけど意識の違いって大きいよね」

「なるほど……」


 わからなくはない気がする。

 それで言えば男も似たようなものだよな。

 人前で裸になるのは恥ずかしいけど、温泉に入るのに裸になるのは恥ずかしくない。むしろ裸になるべき場所で一人だけ服を着ている方がよほど恥ずかしい。

 そんな感じの心理に似ているのかもしれない。


「もちろん、水着姿が恥ずかしいっていう女の子もいるから、みんながみんな同じってわけじゃないと思うけど。それに、あたしの場合はりっくんが相手だから」

「なるほど。仲の良い男ならそこまで恥ずかしくないか」

「それもあるけど、そうじゃなくて」


 そうじゃなくて?


「自分の水着姿を見てほしい男の子を前に恥ずかしがってられないでしょ? こうして誘ったのだって、りっくん好みの水着を一緒に選んでほしいからだしさ」

「な、なんか……ありがとうな」


 相変わらず感情表現が直球すぎて面を食らう。

 さすがに照れるけど、そこまで言われたら断れない。


「というわけで、りっくんはどんな水着が好みなのかな?」

「どんなって聞かれても……女の子の水着姿なんてスクール水着しか見たことないし、女性用の水着ってめちゃくちゃ種類が豊富だから考えたことないな」


 下着の好みについては何度も考えたことがあるけど。

 なんって言ったら全力で軽蔑されそう。


「じゃあ、あたしは何色が似合うと思う?」

「色か……そうだな」


 夏鈴のポジティブな性格を考えればイメージカラーは明るめな印象。

 パステル系の色も悪くないけど、大人びた容姿とスタイルをしていることを考慮すると派手すぎると逆に幼く映る。となると、普段付けている髪留めと同じ紫色とか?

 近くに飾られている薄紫色の水着を着ている姿を想像する。

 うん……金髪との相性もいい感じだと思う。


「あくまで俺の好みだけど、紫色とかどうかな?」

「オッケー。じゃあ、紫色を中心に色々試着してみるね♪」


 手当たり次第に紫色の水着を集める夏鈴を眺めながらふと思う。

 そもそも水着って試着していいものなんだろうか?

 直接肌に着けるものだし洋服とは勝手が違いそうだと思って尋ねると。


「トップスは直接着けていいけど、ボトムスは下着を履いたまま試着するの。今日は試着するつもりで来たから水着用のアンダーショーツを持ってきたんだ」


 なるほど、それが試着のマナーらしい。


「順番に試着するから待っててね♪」


 夏鈴は大量の水着を抱えながら試着室へ入っていく。

 中から響いてくる布のこすれる音を聞いていると、図らずも着替えている姿を想像してしまう。薄いカーテンを挟んだ向こうには今まさに着替え中の夏鈴の姿。


 緊張と興奮と水着への期待で心臓が人生最高潮に高鳴り中。

 しばらくすると、カーテンが開き水着姿の夏鈴が現れた。

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