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あの日の恋(×3)が終わってくれない!~思い出の美少女たちと再会したら、恋の続きが始まりました~  作者: 柚本悠斗@小説家
二章 一色夏鈴

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第7話 ショッピングモールデート

 家を後にして自転車を漕ぐこと三十分。

 俺は約束の時間より二十分ほど早くショッピングモールに到着していた。


 改めて、ここは俺たちの住む花崎市内に複数ある大型商業施設の内の一つ。

 地方ならではの広大な敷地と駐車場を完備した県内最大級のショッピングモールということもあり、休日になると市内外問わず多くのお客さんが集まる場所。

 カップルには一日遊べる人気のデートスポットでもあった。


「さすがに夏鈴はまだ着いてないよな」


 駐輪場に自転車を置いて中央入り口へ向かう。

 すると入り口の前、遠目に夏鈴の姿が目に留まった。

 夏鈴も俺に気づき笑みを浮かべながら手を振っている。


「お待たせ。ずいぶん早いな」

「りっくんに電話した時、実は出掛ける準備を済ませてあったんだよね。りっくんの都合が悪くても一人で買いに来ようと思って。今日は付き合ってくれたりがと♪」

「俺の方こそ。買いに行こうとは思ってたんだけど、一人だと腰が重くてさ」

「わかる。あたしにとってはテスト勉強がそうだから。勉強しなきゃとは思うんだけど一人だとサボっちゃう。だからテスト勉強の時にりっくんを誘ったんだよね」


 確かに、気の重さ的には似ているのかもな。


「誘ってもらったお礼に、またテスト勉強に付き合わないとな」

「やった。約束だからね!」


 夏鈴は嬉しそうに笑みを浮かべる。

 そんな夏鈴の服装はショートパンツにへそ出しのワンショルダーのトップス。

 いつものピアスにチョーカーも付け、ばっちりメイクも決めているのは、学校も猫まみれの作業もない完全オフの日限定のお洒落モードといったところ。

 完璧に着飾った今時の高校生ギャルといった感じ。


 なによりチラっと覗いている綺麗なおへそが高ポイント。図らずも目にしているへそチラは、うなじ、透けブラと並ぶ男子高校生厳選・夏の三大風物詩の一つ。

 この夏はぜひともコンプリートしたいところ。

 俺の煩悩はさておき、隣に並ぶのを躊躇うほどの美少女だった。


「あたしの服になにか付いてる?」


 俺の視線に気づいた夏鈴は自分の服に視線を落とす。


「ああ、いや。そうじゃなくて……夏鈴の私服は何度も見たことがあるけど、今日ほどお洒落な格好をしてるのは初めてだからさ。良く似合ってるなと思って」

「ほんと!? りっくんに褒めてもらえて嬉しいな♪」


 嬉しそうに金髪を揺らす姿が微笑ましい。


「りっくんも好青年って感じで似合ってるよ」

「それならよかったよ」


 お洒な夏鈴のお眼鏡にかなったようでひと安心。

 というのも、前に悠香とホームセンターに買い物デートに行った時、お洒落をしてきてくれた悠香に対し自分があまりにも適当な格好をしていたことを後悔したから。

 あれ以来、女の子と出掛ける時は小奇麗な格好を心がけている。

 お洒落とか苦手だから清潔感重視だけど合格っぽい。


「じゃあ、行こっか♪」

「ああ」


 二人並んで中央入り口を抜けて館内へ。

 ショッピングモール内は朝一にも拘わらず大勢の人で溢れかえっていた。


 ベビーカーを押している若い夫婦や家族連れ。友達同士で遊びに来ている学生や、ご年配の団体客。中でも一番多いのは高校生や大学生と思われるカップルだった。

 夏休みで浮かれているのか人目も憚らずイチャついている恋人たち。

 腕を組んだり腰に手を回したり、見ているこっちが恥ずかしい

 なんて思っていると。


「……いいなぁ」


 ぽつりと言葉を漏らす夏鈴。

 俺の腕をじっと見つめたかと思うと。


「えいっ」


 小さな掛け声とともに俺に腕に自分の腕を絡めてくる。

 絡めてきたというか、密着する感じで抱き着いてきた。


「えっと……夏鈴さん?」


 思わず丁寧語で尋ねたのは驚いているせいだろう。

 肘に感じる柔らかな感触を意識せずにはいられない。


「ほ、ほら。みんなこうしてるし!」

「確かにしてるけど、それは恋人同士だからだろ?」

「わかんないよ。友達同士とか兄妹とかもいるかもしれないし」


 その可能性がゼロとは言わないけど相当低いと思う。

 男女の友情が成立するかは永遠のテーマだけど、腕を組むほど仲が良いとしたら友達以上恋人未満だろうし、兄妹だとしたら仲が良すぎて別の意味で心配になる。

 個人的な好みだけど近親相姦物じゃ興奮できない。


「恋人じゃなきゃ腕を組んじゃダメってこともないでしょ?」

「まぁ、それはそうだけど……」


 俺が煮え切らない態度を取っていたからだろう。

 夏鈴は口を尖らせながら不満そうな瞳を向けてくる。


「……悠香とは手を繋いでたくせに」

「えっ——」


 まさかの言葉に思わず絶句。

 瞬間、背中に冷や汗が噴き出した。


「な、なんで知ってるんだ……?」

「先月末の夏祭り、あたしも友達と行ってたから。さすがに邪魔しちゃ悪いと思って声は掛けなかったけど、二人が手を繋いでるのを見ちゃったんだよねぇ」

「ち、違うんだ。あれは——」


 なにも違わないけど反射的に言い訳が口から零れる。

 すると夏鈴は自分の人差し指を俺の唇にそっと添えた。


「問い詰めたいわけじゃないから安心して。色々大変だったのは知ってるし、事情があったんだろうなって察してる。ただ、あたしもりっくんと仲良くしたいだけ」

「…………」


 そう言われると断る理由が見つからない。


「まぁ買い物に付き合ってくれたお礼だと思って堪能してよ♪」


 夏鈴は具体的になにをとは言わずに思いっきり俺の腕に押し付ける。

 さすがにこの状況じゃ断れないし、思春期男子的にも断りたくない。


「みんなの前では控えてくれよ」

「うん。ありがと♪」


 お言葉に甘えつつ柔らかな感触を味わいながら歩き出す。


「ところで、水着売り場ってどこにあるんだろうな?」

「テナントで入ってるショップでも取り扱ってるみたいだけど、今の時期は東館にある催事場で水着フェアをやってるんだって。そっちに行ってみよ」

「そうだな」


 そんな会話をしながらレストラン街を抜けて東館へ向かった。

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