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あの日の恋(×3)が終わってくれない!~思い出の美少女たちと再会したら、恋の続きが始まりました~  作者: 柚本悠斗@小説家
二章 一色夏鈴

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第5話 夏鈴も一緒に

「もしかして都合が悪いのか?」

「悪いわけじゃないんだけど……」

「実は泳げないとか?」

「ううん。そんなことない」


 色々聞いてみても夏鈴は言葉を濁すばかり。

 だけど行きたくないわけじゃなさそうな印象を受ける。


「無理にとはいわなけど、せっかくの機会だし夏鈴にも来てほしい。再建活動の骨休めにもなるし、なにより夏鈴がいてくれた方が盛り上がって楽しくなると思う」


 楽しいことは一人よりも二人、二人より大勢の方がもっと楽しい。

 きっと再建活動に限らず遊びでもムードメーカーになってくれるはず。


「……わかった。あたしも一緒に行く!」

「本当か?」

「うん。りっくんにそこまで言われたら断れないでしょ♪」


 夏鈴は悩んでいたのが嘘のように笑みを浮かべた。


「決定だな。各々準備をしていてくれ」

「「「はーい!」」」


 菫さんの言葉に元気よく返事をする女子三人。

 さっそくスマホを取り出して海水浴場について調べ始める。


 宿泊先のグランピング施設のホームページを見たり、近くにある鮮魚市場について調べたり、他にも近隣の観光スポットを調べながら盛り上がる夏鈴たち。

 そんな姿を横目に菫さんに尋ねずにはいられない。

 三人が調べている間に小声で聞いてみる。


「……それっぽい理由を言ってましたけど、本当の目的はなんですか?」

「ずいぶんな言い草だな。おまえたちに夏休みを謳歌してもらいたい気持ちも、参考になればと古民家カフェの視察を提案した気持ちにも嘘はない。ただ、観音山でのナンパ待ちが惨敗だったことで気づいたんだ。一人よりグループの方が声を掛けられやすい。であれば、美少女JKを撒き餌にして海で男を捕まえる方が早いとな!」

「そんなことだろうと思いましたよ!」


 俺は協力しないと釘をさしておこうと思ったんだけど。


「まぁ、凛久が私を貰ってくれるなら海に行く必要はないんだが——」

「全力で協力させてもらいます!」


 我ながら手のひら返しが酷すぎる。

 自分の身と将来を案じれば全力で協力を申し出ずにはいられない。


 そうだった……前に菫さんから『三人のうち誰とも結ばれなかったら私と付き合ってくれ』と、か弱い草食獲物を狙う肉食動物よろしく迫られていたのを思い出す。

 最初は半分冗談と言っていたけど気づけば三割。つまり七割本気らしい。

 俺の将来のためにもナンパでいいから素敵な相手を見つけてください。


「良い返事だ。頼りにしているぞ!」

「はい……」


 菫さんの振り下ろす手と一緒に過剰な期待が肩にのしかかる。

 今ほど荷が重いと言う言葉の意味を理解したことはないかもしれない。

 まぁ……クズすぎる元彼を引きずり続けるよりよっぽどマシか。

 それとなく無理のない範囲で協力してあげよう。


「あたし、水着持ってないから買わなくちゃ」

「私も。海に行くのは初めてなんだよね」

「わたしも新調しようと思います」


 菫さんの企みはともかく、三人の水着姿か……。

 思春期男子としては期待せずにはいられない。


「じゃあ、改めて——」


 夏鈴はスマホをしまうと右手を差し出す。

 俺の妄想はさておき、改めて全員揃って一致団結。

 みんなで夏鈴の手に自分の手を添え今度は菫さんも重ねる。


「海水浴旅行まで再建を頑張ろう!」

「「「「おー!」」」」


 さっそく掃除道具を片手に店内に散る俺たち。

 今から旅行が楽しみで仕方なかった。

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