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第13話 菫さんも参戦

「自己紹介も終わったところで本題に入るけど、最終的な目標は喫茶店として再開。当時のように子供たちと猫たちの憩いの場として活動する。その方針でいいよな?」

「うん。いいと思う!」


 悠香に続いて夏鈴と莉乃さんも頷く。


「となると、なにから始めるかだけど——」

「はーい!」


 すると夏鈴が被せ気味に声を上げた。


「とりあえずは片付けじゃない? あたしが一人で片付けてた途中っていうのもあるんだけど、まずは必要な物と不要な物を分けて捨てるところからだと思う」

「夏鈴さんの言う通りだと思います」


 そう答えたのは莉乃さんだった。


「お恥ずかしい話、祖父母が亡くなってから全く手を付けていないんです。家族ですらなにが残っているか把握していないので、整理整頓から始めるのがいいでしょう」

「ある程度片付かないと掃除のしようがないもんね」

「まずは片付け。その後に掃除って感じ?」


 確かに三人の言う通り。


「みんなが提案してくれた通り片付けから始めよう。平日は学校があるから土日のみ。とはいえ、みんなも予定があるだろうし必ず作業できるとは限らない。その後も色々な作業が控えてるのを考えると、夏休み前に入る前は終わらせたいところだな」

「四人もいるんだから、きっと大丈夫だよ」

「わたしも悠香さんの意見に同感です」

「あたしに任せておけば大丈夫♪」


 なんとも頼もしい限り。


「でも、そうなると一つ問題があるな」


 それは今日の話し合いに向けて下調べをしていた時に気づいたこと。


「おそらく相当な量のゴミが出ると思う。家庭のゴミなら収集所に出せるけど、お店から出るゴミは事業ゴミといってクリーンセンターに持ち込まないとダメなんだ」

「りっちゃんの言う通り、種類によっては産業廃棄物扱いになります」


 さすがにクリーンセンターまで徒歩で運ぶのは遠すぎる。

 四人でうんうん唸りながら頭を悩ませていると。


「私が車を出してやろう」


 不意に玄関の方から声が聞こえて振り返る。

 すると壁に寄りかかっている菫さんの姿があった。


「え……もしかして菫さんですか!?」


 夏鈴はびっくりした様子で声を上げる。

 そうか、夏鈴は高校が違うから知らないのか。


「嘘!? なんで菫さんがここにいるんですか?」

「菫さんは俺たちの通う高校で教師をしてるんだよ」

「ほんとに——!?」

「夏鈴と会うのは五年半ぶり、元気にしていたか?」

「はい。また会えて嬉しいです!」


 夏鈴は喜びのあまり菫さんに抱き着く。


「それにしても、ずいぶんな変わりようだな」

「菫さんのアドバイス通り頑張った結果です!」

「だとしても、さすがに変わりすぎだろう」


 ……菫さんのアドバイス通り?


「ていうか、変わりようなら菫さんも負けてませんよ?」


 二人の話はさておき、それは俺も激しく同意。

 また話が長くなるから触れないでほしいけど。


「詳しい話は凛久から聞いている。我が家にある軽トラを出してやるから安心しろ。毎回片付けに付き合うのは無理だが仕分けしておけば暇を見て運んでやろう」


「「「ありがとうございます!」」」


 菫さんの申し出に嬉しそうに声を揃える三人。

 俺もみんなに続いてお礼を言おうとした時だった。


「ちなみに当時、私は凛久の恋愛相談に乗ってやっていた」

「「「れ、恋愛相談!?」」」

「ちょ、菫さん——!?」


 まさかの展開、菫さんまで暴露バトルに緊急参戦。

 しかも一番やっかいな話題をぶち込んでくれた。


「菫さん、凛久の恋愛相談って——」

「ちょっと詳しく教えてください!」


 案の定、思いっきり食いつく悠香と夏鈴。

 二人は我先に尋ねようと菫さんに詰め寄る。


「ちょっと、あたしが先に聞くんだから邪魔しないで!」

「夏鈴こそ、先に尋ねたのは私なんだから下がってよ!」


 またまた張り合う二人を横目に菫さんに小声で尋ねる。


「手伝ってくれるのは嬉しいんですけど……嫌がらせですか?」

「ずいぶんな言い草だな。私とて猫まみれのお世話になった一人。思い出の場所を残したい気持ちは一緒だ。まぁ修羅場を覗き見したい気持ちが一番だがな!」

「やっぱりそれが本音じゃないですか!」


 菫さんの悪趣味はさておき、おかげでゴミ出しの問題は無事解決。

 こうして役者は揃い、翌日から猫まみれ再建計画が動き出した。

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