怪獣の国
少年は空想をすることが好きだった。
巨大な龍。剣と魔法の世界。美しい妖精のいる世界を夢見ていた。
しかし現実の世界ではそんな生物や不思議なことはおきるはずもなく、親に「空想ばかり耽っていないで勉強をしなさい。勉強しないといい会社に就職して立派な大人になれないよ」と怒られる。
少年は現実の世界が嫌いになっていった。
そして本を読み空想にふけり家に引きこもっていると少年は一つの本に出会った。
それは、まさしく自分が今置かれた状況のように、 現実の世界に嫌気がさした少女が 異世界への入り口をみつけてその世界で楽しく暮らす という内容の本だった。それを見た少年は感動して
異世界への入り口を探すのだった。
すると少年は本当に異世界への入り口を見つける。 少年の胸は高鳴った。そして少年は そこへと入っていった。
するとどうやらその世界は本で見た世界とは違い 魔法もなければ美しい草花や美しい妖精 などいなくて、目の前には気味の悪いブヨブヨとしたピンク色の樹木が生い茂った森があり、山脈のように巨大で全身が鱗でおおわれたゾウのような奇怪な生物などが居るのだった。
急に怖くなった少年は入り口へと戻るのだが そこには入り口はなくなっており絶望するのだった。
すると足音がきこえる 一人二人ではなくたくさんの足音が...
そしてどこからか緑、黄色、赤などいろとり どりのバケモノたちが現れた。バケモノたちは 「ニンゲン、ウマイタベル」と少年を見て したなめずりをした。
少年はバケモノ達にかこまれてしまった。
どうやらこのバケモノ達は少年を食べるつもりらしい 少年は恐怖で腰が抜けてしまった。
すると遠くから失が打ちこまれた バケモノ達はそれにおののく。
「にげて!!」という声がきこえた。
少年はその声にしたがい混乱するバケモノ達をかきわけ とにかく逃げた。
すると先には少女がいた。
さっき矢を放った少女だろう。
少年は少し安堵した。
すると少女は少年と一緒に走りながら 「しばらくすると怪獣がまた追っかけてくるわ」と言った 。
「怪獣?あいつらのこと?あいつらはなんなの?ここはどこなの?」と少年は少女を質問責めにした。
少女は間髪いれず少年に対して「あんた質問ばっかね、助けてもらってお礼もいえないの!私は命の恩人なのよ」といい放った。
少年はムッとした別に助けてと頼んだわじゃないのにただわからないから聞いたじゃないかと少年は思った。
少女はつづけて「まぁいいわここはあなたが棲んでた世界じゃないわここは怪獣と呼ばれるバケモノが支配する世界。
彼らは凄く獰猛なの。でも頭はそんなに良くないけど国をつくっているわ。
そして人間が 大好物でここに迷い込んだ人間をたべちゃうのよ」と少女は話した。
すると怪獣が 設置したらしい罠が発動して二人を網でとらえた。
その後しばらくして怪獣達が追いついた。「オイツイタ ニンゲンフタリ タベル」 といいながら二人を網からだそうとしたすると怪獣達は 少年の抱えている本に気づいた「コレハ、“チエノショ 」どうやら驚いている様子だ。
「チエノショモッテル ニンゲンタべレナイ」といいなにやらざわつき出した。
すると二人は王のいる城へとつれていかれた。
するとそこには他の怪獣とは比べものにならない巨大な怪獣が玉座に座っていた。
「お前が知の書を持つものか、残念だお前たちにチャンスを与えなければならないとは、しかし、しきたりなのでしかたがない」
「しきたり?」と少年がいった。
「ああそうだ知の書を持つものが訪れたときその者をもといた世界へ帰す権利 を与えるというものだ。」
少女は言った「私達!帰れるのね!」と。
「ああ、だがおいそれと帰すことはできないお前達には恐ろしい3つの試練に 挑戦してもらうそれをクリアすればお前達を無事もとの世界へ 帰そう。しかし失敗した場合お前らを食う」
少女の顔が曇った。
王は笑顔をうかべながら「さあ どうする?この試練うけるか?」と少年達にたずねた。
少年は「帰るチャンスがあるなら」と思い 、「その試練受けるよ」といった。
国王は頷き「いいんだな?よしでは第一の試練の説明をしよう」と言った。