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9話 遺跡探査の準備

ハンナとヨーゼフが去った後でラクサスとエリスはマサムネに向き直った。

「では、これより遺跡探査に向かうぞ。荷物を準備して西門前に集合だ…」

そうラクサスは小声で話す。


しばらくしてラクサスが荷物とグリフォンを連れて来た。先にエリスがいて

「遅いわよ!いったい何してたの!」

と怒っている。

「悪いな。グリフォンを連れてくるのに時間がかかって…」

そうラクサスは頭をかく。そこにマサムネがやって来て

「やっと来たか…」

と声をかける。そして

「ん?ああグリフォンか…聞いているぞ。グリフォンを配下に加えた悪魔がいると…」

ラクサスの噂は既にマサムネにも届いていたらしい。

「ありがとうございます。それで乗って行かれますか?」

そうラクサスは聞く。マサムネはため息をつき。

「その必要はない。小生の能力で行く…」

と述べた。

(我の能力?そういえばこの人の能力知らないな…)

ラクサスがそう思っていると、マサムネは右手を地面につき、何か唱え始める。

「偉大なる魔人よ。我に移動許可を…」

すると地面の影が一瞬で広がってラクサスとエリスを呑み込んだ。

「うわぁぁぁぁ!」

「安心しろ。死にはしない。少々影に呑まれるだけだ。」

マサムネはそう冷静に言う。

「小生の魔術は『影』非常に単純で影に関する事ならほとんどできる…今から影を伝ってワープするぞ……」

そう言うとマサムネは目を閉じて集中する。ラクサスとエリスは気を失ってしまった。



「お目ざめください。」

「ん?」

ラクサスが目覚めたのは硬いベッドの上だった。どうやら気を失っていたらしい。目覚めた場所は宿屋のようだ。ラクサスは顔を横に動かす。すると狭い部屋の壁際にマサムネが寄りかかって立っていた。

「起きたか…ここは探査する遺跡の最寄りの街の宿屋だ…お主たちが小生のワープ中に気絶したので宿屋に運んで来た次第だ。」

「は、はぁ…」

ラクサスはまだ混乱している。

「何をポカンとしている。急げ…お主が気絶していたせいで予定が遅れている…と言っても相方の吸血女もつい先ほど起きたばかりだ。」

マサムネは小声でしかし的確に急かしてくるので、ラクサスは慌てて

「は、はい!」

と返事をするしかなくなった。

(この人威厳あるな…)


エリスは宿屋のロビーで待っていた。

「遅いわよ!何をチンタラしてたの!このチビ!」

そう言ってエリスはプリプリキレる。

(よし、この女いつか殺そう。)

ラクサスは心の中で強く決めた後でエリスに声をかける。

「悪いね。ちょっと気絶していて…」

「全く、ほらそこに直りなさい。そこのテーブルに町長がいるでしょ。」

「分かったよ……」

ラクサスは気のない返事をしながらテーブルに座った。テーブルの向こうには恰幅のいい男性が座っている。

「いや~。まさかマサムネ様が来て下さるとは……」

そう言って男性は頭を下げる。

「いや、心配する必要はない…魔族は自身が出来ることをするのみ。」

マサムネはそう言う。

「それで…遺跡の方の様子が最近おかしいということだが…」

そうマサムネは本題に入る。それを聞いて町長は顔を下げる。

何でも最近あの遺跡から夜通し音がするらしい。それで町人が何人か調べに入ったが一向に戻ってこないとのこと。

そのためか遺跡に近づく者すらいないとか。

「あの辺りに畑がある者は怯えて耕作にすらいけません。何とか調査していただけませんでしょうか。」

町長が頭を下げる。

「無論だ…その調査を行うのが我らの任務……」

マサムネはそう町長に返答する。

「大丈夫です。俺たちがぜひとも解決しましょう!」

ラクサスはそう誓った。

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