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8話 魔王軍の影武者参上!

ラクサスは魔王城で魔王ハンナに膝まづいていた。

と言うのも初めて呼びつけられたからだが…

「で、ラクサス。貴様に与える最初の任務じゃが…」

「はい、何でもお申し付けください。」

一体どんな任務だろうか。まさしく酷い任務でないと良いとラクサスは内心怯えていた。

「遺跡調査じゃ。」

「いせきちょうさ…?」

ラクサスはぽかんとした顔をする。

(てっきり勇者でも嬲り殺してこいとでも言われるのかと思った…流石にこの幼女様も酷くはないか)

「ん?どうかしたか?」

「い、いえ!」

ぽかんとしていたのを気付かれたラクサスはハンナに取り繕う。

「うむ、魔界に眠る遺跡じゃ。そこで何かしらの大きな動きがあるらしいのでな。調査に行って来て欲しい。」

そう言ってハンナはラクサスに地図を投げる。そこには大きな×印があった。ここは魔王領の端側にあり、少々危険が伴うがハンナはそれを見越して依頼してきている。

「分かりました。このラクサス・バレンタイン。命に代えても遺跡の調査をしてまいります!」

「うむ、貴様らには期待しているぞ!」

(ん?貴様ら?貴様らって今この場には俺しかいないんじゃ…)

ラクサスは大きな疑問を持つ。

「疑問に思っているようね!アンタと一緒に行くのはアタシよ!」

ラクサスの背後に聞きなれた声…

「エリス…お前…」

後ろに立っていたのは吸血姫ことエリスだった。彼女はラクサスには目もくれずハンナに膝まづいて言う

「陛下。この吸血姫エリスがきっと遺跡の探査を終わらせて見せます。その際にはぜひ私を最高幹部に…」

「あ~!あ~!すみませんね陛下!すぐにこの阿呆を連れて行きますので!」

この前までラクサスに見せていた態度は何だったのかものすごく畏まっているエリスに少々腹が立ったラクサスは大声で妨害する。

後ろで舌打ちをする音が聞こえるが無視する。事態に気を病んだヨーゼフが口を開いて

「ま、まぁとりあえずお二人ともきちんと先輩の言うことを聞いて頑張ってくださいませ。」

とアドバイスする。それを聞いたエリスが

「え?先輩?行くのは私たちだけではないのですか?」

と言うのでラクサスは可笑しくなって

「バカだねアンタ。まだ新米同然の俺たちがそうそう行けるわけないだろう。」

「そう、冒頭のところは聞き逃してあげるわ。感謝しなさい!」

「はいはい。」

相変わらず二人の仲は険悪だが…ハンナは続ける。

「という訳で、出て来て!マサムネ!」

ハンナが自分の隣に向かって話す。

(そこには誰もいないはずだが…)

そうラクサスとエリスが思っていると、突然ハンナの影が怪しく光り出した。

「な、何だ!」

ラクサスは茫然としている。ハンナの影はぐにゃぐにゃ歪み、影の中から何かが出てきた。

「こ、これは手か‥‥」

影の中から手が出てきた。まるで落とし穴の中から這い出すように何者かが影から這い出て来た。

「ふぅ…表に出て来るのも久しぶりだ…」

上半身が出てきたところでその男は声を小さく発する。黒髪で左目には眼帯もある。まさしく現代日本で言えば伊達政宗と言う名がふさわしい。

「我が名はマサムネ。通り名は影武者なり!」

黒一色の男だ。それは髪だけの話ではない。和服と思われるものは帯に至るまで漆黒で埋め尽くされ腰に下げられた日本刀に至るまでが黒だ。まさしく黒の化身と言っていいだろう。

「小生はマサムネ!先代魔王陛下から影武者の通り名を与えられ魔王軍を文字通り陰で支えること80年!世界最強のリッチなり!」

マサムネと名乗った男は日本刀を鞘から抜き、漆黒の刀身を掲げる。

「あなたが…アタシたちの上司?」

「うむそうだが?何か疑問でもあるのか?」

「いえ。よろしくお願いします。」

エリスの問いにマサムネは刀を鞘に収めながら答える。

「では頼んだぞ!」

ハンナは3人にそう言う。

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