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魔獣使役で魔界生活~転生した先は魔王軍幹部の悪魔族でした~  作者: UMA未確認党
第8章 魔物集め編

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70話 ドタバタ遺跡探索!

 アルファ帝国西部に存在する古代遺跡。これは今から数千年前アルファ帝国がアルファ帝国としての形をとる前に存在した何かしらの古代文明を象徴する遺跡であり、中では超古代の意匠を偲ぶことができることで有名である。

「しかし…森の中にこんなに巨大な遺跡が隠されてるなんてな…」

 ラクサスは周囲を見回すと辺りは深い森林に囲まれている。そして視線を戻すと目の前には巨大な壁がそびえ立っている。

「しかし外から見てもこんな遺跡があるようには見えなかったぞ?いくら地図があるとはいえ」

 いくら深い森林とは言えいくら何でもこんなに巨大な遺跡があったら砂漠の中に高層ビルを立てるようなもので遠くからでもすぐにバレてしまうだろう。それが実際には近づくまで存在には気づかなかった。

 彼は片手に持った地図に目を向ける。とある古物商から買い叩いた破れかけの地図の紅い点は遺跡の場所を示している。森の中にあるとされているが外から見たら遺跡があるような感じはない為、ばったもんでも掴まされたんじゃないかと疑問に思ったほどだ。どうせ個人で遺跡を発掘したいような命知らず向けの非公式な地図だ。子供だましの可能性も大いにあると見たのだが…

「ご主人様、実際に騙されたと思って行ってみるものですね。これだけの巨大遺跡が手つかずの状態で放置されているのですよ」

「私費でこれを買ったのは俺だがな…ネオンちゃんよ。てかこれだけデカいなら後で魔王陛下にでも奏上して公式に調査団でも派遣してもらう方がいいんじゃねぇか?」

「いいえ。ちょっと調査するくらいですから問題ないと思います」

 ネオンはそう言って親指を立てる。

「問題ないって、まぁええか…」

『そうです!早く行きましょう!ラクサスさん!』

 マンドラゴラ達もそうネオンを支持する。




 ラクサスが霊剣を手に入れた場所はかつて何百年も前は要塞であったため、多くの生活の跡が残されていたが、この遺跡はと言えばどこから入れば良いのかがぱっと見では入口が分からない。

「何だよこの遺跡…墳墓か何かか?」

「墳墓って…そりゃぁねぇですぜ。旦那」

 ラクサスは後ろから来た声に振り返った。そこに居たのは柄シャツを着た小男だった。

「バロン?バロンじゃねぇかどうしてこんな所に!まさかお前も魔物退治を?!」

「探査って…俺の職業を忘れたんですかい?アルファ帝国のギルド最高幹部にしてボルケニア支部のギルドマスターですぜ?この手の遺跡はギルド全体で探査するって言うのが筋でしょうや。なんせ何か眠ってるのかさえも分かんないんですからね」

 バロンはギルド会員証を振りながら言った。

「ふぅん…ってことは何だバロンの部下も来てんのか?」

「まぁ正式には組合員なんですがね。ウチからも冒険者パーティを少々…本来はアルファ帝国ギルドのトップのフラン嬢が指揮するはずだったんですがね。闇商会掃討の任務が降るや否や『遺跡探しなどやってられるかァ!』って調子で血気盛んなホムラ嬢と手つないで仲良く掃討に向かって行ってしまいまして…それで穴埋めとしてNo2の俺が向かわされてるんでさぁ。後が不安で…しかも今回別のメンバーも来てるし…」

 バロンはため息をついた。どうやらどこの世界でも血気盛んな人間に振り回される苦労人はいるらしい。ラクサスがバロンの状況を慮っていると「おっラクサスっちじゃん!」と言う別の声がしてくる。

 現れたのは黄色の髪をポニーテールにした女子である。服は今までにないほど軽装で背中にはリュックを背負っている。

「ライカ!『御三家のライカ』じゃねぇか!何でエルフのお嬢様のはずのお前がこんなところに」

「そんなのウチがボルテシアのギルドマスターだからに決まってんじゃん!」

「ギルドマスター?あぁ…ボルテシアのギルドマスターって御三家の娘がやってんのか…」

 他の街の事情などよく知らないラクサスは自然と納得する。

「まぁウチとしてはあのメスゴリラに来られても遺跡壊れるだけだから来なくても構わないけどね~あと遺跡は大体火気厳禁だしそう言った意味でホムラちゃんも怪しいかな?」

「マイナ嬢…それ以上は事実陳列罪で訴えますぜ。あの人がうっかり遺跡を壊す未来が見えますんで。ホムラ嬢に関しては知りませんがねぇ」

 バロンはそう苦笑する。しばらくして二人のギルドメンバーたちが荷物を運んでくる。

「バロンさん!ライカさん!総員準備が整いました!」

「うむご苦労」

 バロンは後ろの隊員を見た後でラクサスに向き直る。

「それでどうです?せっかくの機会だ。ラクサスの旦那も一緒に遺跡探索するというのは」

「あ~いいかもね。どうせフランさん入れてトントンの勢力だったしそれいなくなったし。新勢力活用してこ~!」

「よしそれで決まりと言うことでまぁ。皆さん方!このラクサスとか言う四天王の倅も参加するんでよろしくお願いいたしやす!」

 そう言ってニコニコしたバロンとライカはラクサスの肩を両側から組んで無理やり引きずっていく。

「う~む…何かヤバイのに巻き込まれたかも」

「大丈夫です。ご主人様に近づく悪い虫は駆除しますので」

『おいギルドのパーティーたち!らくさすさんはすごい人なんだぞけいごつかえよ!』

 いつの間にかネオンとマンドラゴラ一味も乗っかっている。こうしてドタバタ遺跡探索が始まったのであった。


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