表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔獣使役で魔界生活~転生した先は魔王軍幹部の悪魔族でした~  作者: UMA未確認党
ラクサスの牧場生活編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/70

38話 ラクサスの牧場物語 序章

ラクサスは屋敷の前で無言で肉を投げる。するとグリフォンのポチが寄って来る。

「クケェ~!」

そう言ってポチは肉をついばむ。そして飛び立った。

そしてラクサスは無言でブラシを持って来てグリフォンの毛を梳き始める。後ろから声が聞こえる。

「ちゃんとやってるかしら?」

「ああ、ちゃんとやってるよ。」

そう言ってラクサスは振り向いて答える。ラクサスに声をかけてきたのはアンジェラである。

「てか何でこんな仕事をしなければならないんすか!俺もっと華々しい役職が良かったんですが。」

「知らないわ。でも少なくともあなたに向いていることは確かよ。」


ラクサスは牧場で魔物たちの世話をする。ラクサスの役職は牧場長である。

「確かに向いてるとは思います…ですが!」

ラクサスは周囲を見渡す。周囲には誰もいない。

「俺一人で全部やるのはおかしいだろ!!もう少し分担しやがれコノヤロー!」

ラクサスは大声で叫ぶ。

「まぁまぁまぁまぁまぁ。」

アンジェラがなだめる。

「全く……つーか俺一人でやる仕事量じゃねえだろこれ……」

ラクサスは魔物たちを見て呟く。

ラクサスは広大な牧場を見て言う。目下の課題は労働力の確保だ。

「仕方ないわね…これあげるわよ。」

アンジェラはまた麻袋を出してくる。

「これを畑に植えなさい。さすればあなたに幸せが…」

「待ってください。宗教勧誘じゃないんすから……で?この種は何ですか?」

「植えて見れば分かるわよ。全く最近の若いのは早漏でいけないわね。」

「ぶん殴りますよ?」


アンジェラが地面に種を植えるとそこからにんじんが生えて来た。

「成長速すぎんでしょ!何だこのにんじん!」

「これはにんじんじゃないわ。マンドラゴラよ。もうすぐ出て来るわ。」

「は、はぁ…」


そこから二人はニ十分待ったが全く出てくる様子が無い。

「あの…いつ出て来るんですか?」

「これは…きっとあなたがにんじんって言ったから拗ねたのね。」

「めんどくさ!そこまで気を使うの?」

「今は労働環境にも厳しい目が向けられているもの。謝りなさい。」

そうアンジェラが謝罪を促す。

「ご、ごめんなさい…これでいいか?」

すると地面から30匹ほどのマンドラゴラの群れが出て来た。

短い手足が可愛らしい。

「早く隷属魔術をかけなさいよ。でないと逃げ出すわよ。」

アンジェラがマンドラゴラを見ながら言う。

「あ、はい…」

隷属魔術をかけられたマンドラゴラの群れはスコップを取ると辺りを耕し始めた。

「おお、すごいな……」

ラクサスは感心する。マンドラゴラはラクサスの手からブラシを取るとグリフォンの背中を掃除し始める。

「お、おお……ありがとう……」

ラクサスはマンドラゴラの頭を撫でた。

「じゃ、アドバイス代払ってくれるかしら?」

「え?金取るんすか?」

「当然よ。私は慈善事業はやらないわ。」

「嫌ですよ。こっちが払って欲しいくらいなのに。」

「チッ……まぁいいわ。何か用があれば来なさい。」

そう言ってアンジェラは去って行った。


マンドラゴラは両手でバケツを持って水を汲んできたり、霊剣を研いだりしている。

「よしよし、お前ら等だけが助けだよ。」

ラクサスはマンドラゴラを撫でる。本当に今いる連中で一番頼りになるのはコイツらぐらいかもしれないと真面目に思っている。

「しかし…親父はどうしたんだ?しばらく前から全く姿が見えないけどさ……」

ラクサスは空を見上げる。今日は晴れている。雲一つない青い空だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ