表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔獣使役で魔界生活~転生した先は魔王軍幹部の悪魔族でした~  作者: UMA未確認党
第3章 魔女の秘薬編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/70

16話 やっぱり山は危険やな

ライドの実を持参したカバンに詰めてラクサスとアンジェラは池の向こう側に行こうとした。

すると、ポチに草が絡まっていた。

「クケェ~…」

ポチは非常に苦しんでいる。

「ちょ、俺のポチが!」

「あ、あれは人食い草ね…あ!別に人食い草ってついてるけど普通に動物なら何でも食べるし…別にライオンみたくかみ砕くわけではないわ。あの葉っぱの先に出ているあの棘で栄養を吸うの…あの型の種は…」

「ああああ!うるさいこの植物オタクが!早くさっきの湖面を歩いて渡る術をかけてくださいよ!」

「ったくもう分かったわよ。ほらついて来なさい。」

そう言ってアンジェラはラクサスの手を取って湖面をスケートのように滑り始める。

「急ごしらえだから、手を離さないでね。手をはなしたら湖の底で400年放置よ。」

「いや何その地獄!400年も放置されるの?腐らない?」

ラクサスはブツブツ文句を言いながらも湖面を渡り切った。

「クケェ~。」

ポチは主人が来て安心したらしく再び甲高い声で鳴いた。しかし二人はそれに構っていられない。

「このまま近づいたらあの草にもっとおいしい餌を与えることになるわね。」

アンジェラは腕を組んで考える。ラクサスは矛を構えて草を斬っていく。

「おら!早くポチを解放しろってんだ!バカ野郎め!」

しかし相手も相手だ。美味しい餌を簡単に敵に渡すわけがない。すぐにポチに絡みつくどころか矛を伝ってラクサス側にも食指を伸ばそうとする始末だ。その一方でアンジェラは手を出さずにノートを読んでいた。

「ちょっとアンジェラさんも何かやってくださいよ!」

「今探しているからちょっと待ってね。」

そう言ってアンジェラはしばらくノートをぺらぺらめくっていたがふとある記述を見つけるとノートをパタンと閉じた。そして湖の中に左手を突っ込んだ。そしてかき回す。

「私は錬金術師でもあるけれどその本質は魔術師よ。だから…四大元素の水を使うくらい!」

そうアンジェラが叫ぶと湖面が荒れ始める。周囲にそよ風すらないのに湖面は大嵐でも来たかのような荒れようである。

「もうすぐ来るわ…」

すると、湖面から急にラクサスが両手で抱えられる程度の魚が出てきた。

「これは鯛ね!ほら!早くそれを受け取って草の中に投げなさい!」

「は、はいっ!」

ラクサスはアンジェラから投げ渡された鯛をその勢いそのままに体をひねるようにして奥の草に投げ入れた。

すると…人食い草達は急に獲物をその鯛に切り替えた。今までポチを苦しめていた草もすぐに標的を変更した。

「い、今助けるぞ!」

「クケェ~!」

ラクサスはポチのもとに走るとそのまま背中に乗って走り抜けた。

「これで解決ね。」

アンジェラはサムズアップをしてくるのでラクサスも渋々返す。

ふと、ラクサスが鯛を見てみると既に骨しか残っていなかった。

「ひっ…これが人食い草の威力…」

「工夫すれば防衛にも使える物になりそうなんだけれど、生憎まだ研究が浅いらしいのよ。だから囮作戦を実行したの。」

アンジェラはそう言って本を閉じた。

しかしこの時二人は知る由もなかったのである。さっきの魔術がどんな影響を及ぼすかを…


「ぐがぁ…」

恐ろしい鳴き声が湖面の中から聞こえて来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ