最終話 喜の巻 P.S.
笑いながら里見村へ帰る伏夜と八ニャン士を、白装束の猫上様は暖かく見守っていた。満足している猫上様のその笑顔は、何かを成し遂げたかのようだった。
「ホーッホッホ! いやぁよかった、よかったのう」
しかし、隣で不服そうにしていた風ニャン神と雷ニャン神が猫上様にいきなり怒鳴る。
「よかったよかったって、おい! 猫上のとっつあんが言っていた話と全く違うじゃないか!」
「何が簡単に修業が終わるから、とりあえず里見村に来いだよ! 今回は全然簡単な修業じゃあなかったよ!」
「え? 何がじゃ?」
何かとぼけている猫上様に、ついに風ニャン神と雷ニャン神はキレる。
「とぼけんじゃねぇぞ! 俺はいきなり飛んできた白い矢が刺さって、持っていた猫水晶が大爆発したんだぞ。 しかもあれは猫水晶じゃなく、とっつあんが渡した爆弾だっていう話しじゃねえか。 そんなこと俺は聞いてねえぞ!」
「僕なんか光り輝いた8本の剣が一気に体に刺さって、しかも見たことない黄金色の化け猫に殺されそうになったんだぞ! あれはさすがに僕も怖かったよ」
2人からいきなり怒られた猫上様は、嫌な汗をかきながらいい訳をする。
「いやいや。 ああでもやらんと、あいつらは遊んでばかりで全く修業せんのだよ。 でもお前たちのおかげで、八ニャン士も少しは強くなったではないか!」
「まったく! 八ニャン士は普段は性格がバラバラで弱いくせに、8人そろうと強くなりすぎるんだよ」
「そしてまさか戦いの途中で大猫神様が助言して、俺たちを殺そうとしたじゃねぇかよ! だいたい大猫神様だって、ペロンチョやゲロッパが俺たちだってこと知ってただろ?」
「ホーホッホ! 心の広い大猫神様は、いいかげん洞窟の戦いを早く終わらせたかったのじゃろ」
大猫神様のことを思い出し、風ニャン神と雷ニャン神は改めて青ざめていた。
「やっぱりこの世で1番怖い猫は、猫の守護神の大猫神様だってことだな」
「ああ、本当に恐ろしい。 これからも大猫神様には絶対に逆らわないように気をつけようぜ」
「おぬしらも調子に乗りすぎるんじゃ。 あの洞窟の戦いなんぞ適当にパパッと終わらせればよかったのに、いつまでもしつこく戦いおって。 洞窟の影に隠れて見ていたワシの気持ちも考えんかい! ハラハラしとったわ」
「だって無敵の俺たちがあいつらに簡単に負けるなんて、それはなんだか悔しいじゃん」
「あと想像以上にあいつらが修業で強くなりやがったから、ついついムキになったんだよ」
「ホーホッホ! まあ、そんなところが本当にお前たちらしいがのぉ」
風ニャン神と雷ニャン神は帰る前に猫上様に言い放つ。
「今回の猫剣士の修業はとても疲れたよ。 もう猫上のとっつあんの言うことなんて聞かないからね!」
「早く、くたばりやがれ。 このクソジジイ!」
「ホーッホッホ! またあいつらの修業の時は、お前たちを呼ぶからよろしくな。 それじゃあ、バイビー!」
猫上様はそう言いながらさっさと神社の中に入って行った。
その素早く神社に逃げる猫上様を見て、風ニャン神と雷ニャン神は目が点になる。
「まったく、猫上のとっつあんはいつも軽いなぁ」
「今度猫上のとっつあんに合ったら、メチャクチャ懲らしめてやろうぜ!」
「フフフ。 雷ニャン、そろそろ僕たちも帰ろうか!」
「そうだな。 風ニャン、これから八ニャン士の活躍が楽しみだぜ!」
「ハハハ!」
そして里見山に風が吹き雷が鳴ると、2人は笑いながらまたどこかへ消えて行った。
本当に終わり
あのペロンチョとゲロッパは、猫上様と風ニャン神と雷ニャン神が仕組んだ修業でした!
真実はどうであれ、八ニャン士が修業で少し強くなって良かったですね。
伏夜と八ニャン士の物語は、これからもまだまだ続きます。
戦え! 里見八ニャン士!
また次回まで、お楽しみニャン!




