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里見八ニャン伝  作者: ワタベミキヤ
猫剣士立志編
15/44

第15話 孝の巻

『孝の玉』を持つ八ニャン士のニャン斗。

里見村7番地にある大社長の豪邸に住んでいる。


イケメンと金持ちとグルメを売りとしている。

ケンカが大嫌いだが、キモイとダサイを言われると豹変して暴れ出す二重人格。


左腕に星の模様がある。

やぁ良い子の皆んなぁ、こんにちは!

僕は里見八ニャン士のイケメン猫剣士、ニャン斗さんだよ!


僕はねぇ、里見村の中で1番のお金持ちで1番イケメンな猫なんだぁ。

あまりにもイケメンすぎるからぁ、村の人たちは僕に嫉妬しまうから困ってしまうよ。

今日はねぇ、イケメンな僕の1日の過ごし方を良い子の皆んなにだけ内緒に教えてあげるねぇ。

あ、決して他の友達に言っちゃダメだよぉ。

だってさぁ、君のお友達が僕に嫉妬してしまったら困っちゃうじゃないかぁ!


ある晴れた日の朝。

暗い部屋のカーテンと窓を開けて、爽やかな風と暖かい日差しを体いっぱいに浴びて僕の1日が始まるんだ。

こんな素敵な朝なのに、またベットに横になって二度寝ゴロゴロニャンニャンするのはとても贅沢で気持ちいいよねぇ。


「まさにイケメンの僕にふさわしい朝だよ」


それからしばらくして、僕はフカフカのベットから降りて熱いシャワーを浴びるんだぁ。

お肌に優しいシャワーヘッドから出る柔らかいお湯は、嫌なことを全てを洗い流してくれるから好きなんだよぉ。

そして鏡に映る濡れ髪の僕の姿が、イケメンすぎてウットリしてしまうよぉ。


朝食は分厚いトーストとスクランブルエッグ、そして香りのいいエスプレッソがお気に入りなんだぁ。

もちろん鰹節に醤油をかけた猫飯(ねこまんま)だって嫌いじゃないけど、洋食の方がイケメンのこの僕にピッタリでしょ?


人は僕のことを『変わり猫』だと思うかもしれないけど、そんなの僕は気にしないんだぁ。

だってぇ、自分の人生は自分だけのモノだからぁ!


ゴーイング・マイ・ウェイ! 

ゴーイング・ニャン・ウェイ!


僕は自分が信じた猫の道を進んで、このままイケメンのニャン斗さんを好きでいたいのさぁ!


僕の家は里見村1番の豪邸なんだぁ。

いろいろな悩みや揉め事なんて、だいたいお金で解決できると思っている。

この世の中平和がいいに決まっているし、皆んなが喜ぶ顔を見るのが1番好きなのさぁ。

だから僕は、里見村の皆んなと一緒に楽しく暮らしたいんだよ!


え? なんで僕がこんなに金持ちかって?


僕のダンナ様はねぇ、里見村にある鰹節の総代理店の社長さんなのさぁ。

特に猫が多いこの里見村では鰹節が欠かせない食べ物だから、会社の売り上げは毎年右肩上がりなんだよぉ。

尊敬しているダンナ様の出勤を毎朝お見送りして、その後で奥様と猫ジャラシで適当に遊ぶんだぁ。

そして、ようやく僕のイケメンの1日が始まるのさぁ。


さてさて、今日はどんな女猫ちゃんと遊ぼうかなぁ?


そんな優雅な朝の時間を過ごしていると、突然僕の首についている『孝の玉』が光った。

それは八ニャン士のニャン助くんからだったよ。


「イケメンニャン斗くん、おはようん。 ニャン斗くんは今日も元気かなん?」

「やぁニャン助くん、おはよう! いきなり連絡してぇ、今日はどうしたのかなぁ?」

「お願いがあるんだけど、いいかなん。 イケメンのニャン斗くんにしかお願いできないことなんだよん!」

「ハハハ、朝からいきなりお願いってどうしたのさぁ。 僕にできることなら、遠慮なく言ってくれよぉ」


すると、ニャン助くんは照れながら僕に話したんだ。


「ニャン斗くんの可愛い女猫ちゃんを、誰か俺に紹介してくれないかなん?」

「女猫ちゃん? それは僕の大好きなファンクラブの可愛い女猫ちゃんたちのことかぁい?」


ニャン助くんが言っている『女猫ちゃん』って、僕のファンクラブにる女猫ちゃんたちのことなんだ。

そのファンクラブの女猫ちゃんたちは、皆んな僕のことが大好きなんだよ。


「こんなお願いなんてん、村で1番のイケメンニャン斗くんにしか言えないじゃないかん!」

「そうだねぇ。 村で1番のイケメンの僕しか、ニャン助くんの希望を叶えられないかなぁ」

「だからさぁん、ニャン斗くん頼むよん。 俺に女猫ちゃんを紹介してくれよん!」


僕はねぇ、人から頼まれると断れない猫なんだよぉ。

お人好し、いや『お猫好し』ってよく言われるけど、そんな自分が嫌いじゃないんだよねぇ。


「まぁ、友達のニャン助くんの頼みならば仕方がないなぁ。 じゃあ、今日のランチで女猫ちゃんと合コンでもしようかぁ?」

「マジでん、行く行く〜ん。 イケメンニャン斗くん、ありがとん。 ニャン斗くんは優しいなん!」

「ハハハ、僕は優しいイケメンのニャン斗くんだからねぇ。 じゃあ、後で会おうねぇ!」


それから3人の女猫ちゃんたちをレストランに呼んで、ニャン助くんとランチの合コンをしたんだ。

純粋で素直なニャン助くんは、僕の可愛い女猫ちゃんの前でドキドキしてたよ。


「やぁ、僕のファンクラブの可愛い女猫ちゃんたち! 今日は僕の大切なお友達のニャン助くんを紹介するよぉ。 皆んなぁ、よろしくねぇ!」

「どうも〜ん、忍び猫のニャン助で〜すん!」

「キャ~! ニャン助く〜んったら、か〜わ〜いいニャンニャンニャン!」

「もう、ニャンニャンニャン!」


それからニャン助くんは3人の女猫ちゃんと楽しく食事をして、僕はとても嬉しかったよ。

でも今日の合コンはニャン助くんが主役だから、僕はニャン助くんのポイントを上げる為に一生懸命がんばったんだ。 本当に僕は優しいよねぇ。


「そういえば、ニャン助くんは猫アイドルが大好きなんだよねぇ。 最近は何が流行っているのかなぁ?」

「キャ〜! ニャン助くんって、猫アイドルが好きなんですか〜? か〜わ〜いい!」

「そうなんだよん。 今1番流行っているのは、やっぱり『アフタヌーン猫娘(ねこむすめ)』だねん!」

「キャ~、ヌーンムスだぁ! ヌーンムスはか〜わ〜いいニャンニャンニャン!」

「もう、君たちも可愛いニャンニャンニャン!」

「さすが猫アイドルオタクは情報が早いねぇ。 そのアフタヌーン猫娘ちゃんは、僕より人気者なんだねぇ」

「で〜も〜ヌーンムスより~、ニャン斗くんの方が人気者で〜す! イケメンニャンニャンニャン!」


せっかくニャン助くんのポイントを上げようと思ったのに、女猫ちゃんたちは僕の方しか見てくれないんだよぉ。

まぁ僕がイケメンすぎるから、それは仕方ないことなんだけどねぇ。


「ハハハ、そりゃそうだよぉ! 僕はイケメンで人気者だからさぁ! ねぇ、ニャン助くん?」

「ニャン斗くん、そうだねん。 ハハ・・ハ・・・ハ」


いけない!

ニャン助くんより僕の方が盛り上がっちゃうとマズイから、またニャン助くんのポイント上げる為に頑張ろう。


「そういえばさぁ、ニャン助くんは忍術が得意なんだよねぇ。 里見村ではニャン助くんの忍術はとても評判だって聞いているよぉ」

「キャ〜! 可愛いニャン助くんって、忍術とか得意なんですか〜? か〜わ〜いいニャンニャンニャン!」

「いやぁ、僕の忍術はそうでもないよん。 でもねん、僕の主人であるダンナ様は、あの『忍者ウットリくん』の遠い親戚なんだよん!」

「キャ~、忍者ウットリく〜ん! ニンニンニン! ニャンニャンニャン!」

「もう、君たちも可愛いニャンニャンニャン!」

「あの有名なウットリくんの親戚だなんて、ニャン助くんは凄い猫じゃないかぁ!」


だけど、また女猫ちゃんはニャン助くんよりイケメンの僕の方しか見てないんだよ。

まったくぅ、困った可愛い女猫ちゃんたちだなぁ。


「で〜も〜忍者ウットリくんより〜、ニャン斗くんの方がイケメンで〜す!」

「ハハハ、そりゃそうだよぉ! 僕はイケメンで人気者だからさぁ! ねぇ、ニャン助くん?」

「ニャン斗くん、そうだねん。 ハハ・・ハ・・・ハ」


それからニャン助くんは可愛い女猫ちゃんたちといい感じになって、楽しい合コンが終わったんだ。


「ニャン斗くん、今日はありがとん。 合コンとっても楽しかったよん!」

「いやぁ、最後にニャン助くんも可愛い女猫ちゃんと仲良くなってよかったねぇ」

「やっぱりイケメンのニャン斗くんは、里見村で1番のイケメンだねん!」

「いやいやぁ、八ニャン士の仲間でもあるニャン助くんの為ならこれくらいこれくらい!」

「やっぱりイケメンのニャン斗くんは、猫男の中の猫天使だねん!」

「いやいやぁ、猫天使だなんてそんなそんなぁ!」

「やっぱりイケメンのニャン斗くんは・・・もういいやん」


ニャン斗 コケる。


「もういいんかいっ! もっと僕を褒めてよぉ。 僕は褒められるのが大好きなのさぁ」

「本当に今日はありがとうん、じゃあねん!」


ニャン助くんは喜んで帰って行ったよ。

そのニャン助くんの喜んで走って帰る姿が、僕はとても愛おしかったなぁ。


「あんなにニャン助くんが喜んでくれてよかったよ。 里見村にまた1人笑顔が増えて、僕は嬉しいなぁ」


ニャン助くんの姿が見えなくなると、また僕の『孝の玉』が光ったんだ。

今度はねぇ、八ニャン士のセクシーニャン子ちゃんからの連絡だよぉ!

大事なお友達のニャン助くんが喜んでくれた後、今度はニャン子ちゃんから連絡が来ましたねぇ。

イケメンで人気のニャン斗くんは、またニャン子ちゃんの願いを叶えてくれるのでしょうか?

ところであの『鰹節の総代理店』って、そんなに儲かるんですかね?


次回「叶の巻」をお送りします。

なんと、あのセクシーニャン子がニャン斗に愛の告白?


お楽しみニャン!


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