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第参拾伍話:屋敷突入

ぐふふ、吾の奴いい気味だぜ。お前は俺を怒らせたばっかりに魔物に追い掛け回され、挙句の果てにこの俺に真紀ちゃんを奪われる!


吾の野郎があそこまで強く出てくるのは想定外だったが・・・。


俺はこうしてのんきにおやつを食べて、あの藪医者からの吉報を待つだけで念願の彼女を手に入れることができるんだから。


それにしてもあの糞女神、魔法の世界だってのにチート能力や魔法をあげないなんてな。


でも、俺は前世で叶わなかった真紀ちゃんを自分の物にすることができるし、基本何しても前世同様爺さんが色々やってくれるからな!


「まったく!人生は最高だぜ!!」


その時、家のダイヤル式電話が鳴った。


俺は意気揚々と昔懐かしい電話の受話器をとった。


「もしもし?」


『私だ和瑠男くん。作戦は大成功だ。そっちに行くからそこで待ってなさい。』


「おうよ!俺は優しいからいつでも待ってるぜ!!」


そう言って俺は受話器を置いた。


「へっへっへ・・・楽しみだぜ。」


―――主人公視点―――


「ここが和瑠男の家・・・。」


警護車の中で俺はいろいろ教わった。


後世の大日本帝国では、国にある一定以上の金額の税金を納めている者、冒険者で且つ国家レベルの功績を称えられたものなどが爵位を持つことができるそうだ。


布田月家はこの後世世界では伯爵位を持っていて理由は前者だ。


だが、内務省の調査によるとその金は裏取引で手に入れたものが9割を占めるらしい。


捜査に踏み込めない理由は、政治家や内務省の中で力のある者が布田月家に与している割合が多く、証拠もつかみにくいためだという。


ちなみに、麻生さんや真紀ちゃんのお父さんにはそう言った勧誘が無いと聞く。


御剣さんに理由を聞くと、あらかじめ自分が可愛くて尚且つ発言権が強い奴を狙っているのだそうだ。


まったく、どこまで腹立つ連中なんだ。


「気を引き締めて行こう吾君、なにが起きるかわからないわ。」


「そうだね。真紀ちゃん。」


真紀ちゃんは神秘薬のおかげで全回復したので、病院側に退院の手続きと病室で起きたもろもろの事情を話すと、受付の人は青ざめたまま何度も頭を下げた。


何事かと聞きに来た院長とおつきのナースに至っては他の患者がいるにも関わらず、その場で土下座をして謝罪した。


「よし、みんな準備は良いか?」


俺の言葉にその場にいる全員が頷いた。


「吾君は、念のために後ろへ。」


「うん。」


本当は前に出て戦いたかったが、また変な暴走をして真紀ちゃんを困らせるのはいやだったので真紀ちゃんのお父さんの言に従うことにした。


警察局の人間が周囲をぐるっと囲み、茂みなどに隠れたタイミングで父さんがインターホンを鳴らした。


「うーい。」


中から、和瑠男の間延びした声が聞こえた。


「わしだ。堀戸じゃよ。開けておくれ。」


すかさず副院長が後ろから声をかけた。


「おう!ついに来たか!待ってろ今開けるぜ!」


ここは魔法のある世界、もしかしたら俺を見たとたんに強力な魔法を放ってくるかもしれない。最後の最後まで油断はできないぞ。


周りも同じ気持ちなようで全員に緊張が走った。

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