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第弐拾漆話:教頭室にて(布田月教頭視点)

豪華絢爛な教頭室に鎮座する希少動物の皮で出来た椅子に座りながら私はコーヒーをたしなんだ。


こんな職業についていてなんだが、私は子供が大嫌いだ。事実、私が執務しているこの部屋の壁は防音仕様になっている。


それゆえに滅多に子供をここに入れさせないのだが孫の和瑠男だけは別だ。


「今頃、吾の奴小便漏らしてくたばってるだろうなぁ。ざまあないぜ!」


「ふっふっふ、そりゃあそうさ。あいつが攻略に入った荻窪迷宮はそもそも吾をおびき寄せるための罠なのだから。」


「運良く吾がくたばれば俺がナターシャとかいう愚かなエルフ少女から神秘薬を奪い取って真紀ちゃんを復活させてめでたくゴールインだ!」


「そうすれば、政治家とのつながりもできる。布田月家はこの学園どころか国をも支配できるぞ!フフフフ、はーっはっはっは!!」


将来の自分を想像して高笑いをしているとドアの叩く音で現実に引き戻された。


「失礼するアル。」


まったく、こんな時に誰だ忌々しい。


「・・・入れ。」


入って来たのは最近雇い入れた秘書で名を山園優香、満洲帝国出身の赤いチャイナドレスを着た見目麗しい美女で日本人と中国人のハーフだ。


「じゃあ、俺はそろそろ授業に戻るね。」


「おう。」


秘書は孫が去ったのを確認すると猫なで声で話した。


「教頭先生、例の物売ってくれるって本当アルか?」


私は欲望の赴くままに彼女の肢体を眺めながら言った。


「ああ、本当さ。私は約束を破らん男だよ。」


彼女はそのふくよかな体を押し付けながら抱きしめて来た。役得とはこのことだ。


「本来は他国に譲渡してはいかん決まりになっているが、バレたとしても君の故郷は我が国の同盟国だ!何とかなるさ。まあ、そもそもバレることはないと思うがな。」


「嬉しいアル!これで、我が国の公立学校にも導入できるネ!」


私は歯茎を見せながら彼女の頭をなでた。


「よし、行くか。保管庫へ・・・。」


「ハイね。」


廊下を歩いてふと横をみるとそばを歩く彼女が不穏な表情をしていた。


「どうした?」


「早く装置が保管されている倉庫に行くアルよ。でないと間に合わないネ。」


「何をいう。噂によれば荻窪迷宮は攻略難易度が尋常ではない速さで上昇し続けていると聞く。恐らく今の攻略難易度は1級、証拠品である魔素発生装置は迷宮の最下層・・・つまりラスボス部屋だ。いくら帝国軍が総力を挙げても攻略はできんよ。」


「その・・・荻窪迷宮が攻略されちゃったアル。」


「なん・・・だと?!そんなの誰かが流したデマじゃないのか?」


「デマなんかじゃないネ。ナターシャの精霊が言ってたから間違いないアル。」


「そうか、君も精霊(詠唱)魔法の使い手だったな。しかし、だれが攻略したんだ?吾か?」


彼女はそこまでは分からないと首を振った。不安とイライラが募っていく。


「なぜだ?答えろ!!」


彼女は少し怯えながらも話した。


「め、迷宮攻略の報がナターシャの精霊から伝えられたのを最後に音信不通になったアル。だから知らないネ・・・。」


「ちっ、使えん者どもめ。」


私は彼女に合わせるように足早に倉庫へと向かった。

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