25 初の教育体験
25 初の教育体験
僕は地上に戻る前に
広場やトイレ、手洗い場に側溝を堀り
地面の下に一旦、
それらの汚水を集められる場所を作り
そこで、スライムが浄化した水を
下の遺跡に流れるように
作り終え
上に戻るとドナがバッカと部屋割りを済ませ
みんなそれぞれの部屋に移動していた。
「え~と・・・後は、あれか・・・」
と村の広場は大分、広く作ってあるので・・・
ボコボコボコ!
ズズズズズズズズ!!!
「うん・・・こんな感じかな?」
と村の広場に壁がない簡易的な屋根が付いた
車庫のような・・・学校を作った。
(・・・この黒い壁で書くか・・・)
と一面だけ、建てた壁を黒い色に変えていくと
「レイ様~!それはなんですか~?」
「なんで、そこだけ一段高いんですか~?」
「そこだけ、なんで黒い壁を作ったんですか~?」
と黒い壁と教壇に立った僕に、
ヒヨコと分裂しまくったスライムたちを
抱えたり、頭の上などに乗せた
子供たちが集まってきたが
「今日からここで、文字の読み書きや簡単な計算を
教えるんだよ!
また、変なのに騙されたら大変だからね!」
と説明すると
バッカが
「レイ様!それは私達、大人も良いでしょうか?」
「いいよ!でも、大人って何人位?」
「全員です!」
と村中の人間がこの小さなバラックのような
学校に続々と集まってきた。
「こんなに希望者がいるの?
・・・じゃあ、もっと広げようか?」
とズズズズズズズズと
みんなを動かさないようにその場に座れせ
学校を大きくしていく。
ズズズズズズズズ!
僕の立つ場所はそのままに
「きゃッ!」
「なんだ?なんだ?」
「レイ様が遠ざかっていく!」
とみんなの位置をどんどん高くし
ローマ時代の半時計の劇場のような
学校を作った。
そして
僕はその一番下の教壇から指先に魔力を込め、
その指を口の前へ持ってくると
「あ~・・・あ~・・・
聞こえる?(音量増幅中)」
と手を上げると
「「「「「「「「は~い!!!!!」」」」」」」」」
大人も、子供も笑顔で元気よく手を上げた。
「元気があって宜しい!(音量増幅中)」
と僕は黒板に白のチョークで
カッ!カッ!カカッ!
[ R E Y ・ L I S T S E T ]
「まずは、文字からだ!これは、僕の名前!
君らの主人、レイ・リストセットだ!」
と僕はそのまま、文字の授業に入っていった。
そう!この世界、数字は一緒で、
文字はローマ字のアルファベットだ!
「では、次は僕に続いて発音を
繰り返して下さい!
リピート・アフター・ミー!!!
(音量増幅中)」
カッ!カッ!カカッ!
[ H I T O D U M A ]
「人妻!」(僕)
「「「「「「「「 ひ と づ ま 」」」」」」」(みんな)
カッ!カッ!カカッ!
「廃課金!」
「「「「「「 は い か き ん !」」」」」」」
カッ!カッ!カカッ!
「隣の熟女!」
「「「「「 と な り の じゅ く じょ! 」」」」」」
これまで筋肉を鍛え上げる事しか興味がなかった・・・
否、教育を受ける機会を得られなかった獣人たちが
やっと、文字、計算を覚える必要性を
痛烈に感じていた矢先に
それらを学べる好機が訪れたと確信したためか
乾いたスポンジが水を吸収するかのように
知識を吸収していった
だが、教える方がかなりのポンコツなため
「え~・・・それでは、これらの意味について
説明する!
まず、人妻とは・・・そう、安らぎと背徳の・・・」
と訳のわからん授業を進めていった。
そして、その日の夕方
一通りの必要事項の授業を終え、
広場の芝生の上で
「分からない!」
としつこく言ってくる人がいたので
「バッカ!何度言ったらわかるんだ!
子供たちは出来てんじゃん!
1+1は2なの!そういう物なの!
なんで、2じゃないって言うんだよ!」
「だってこのリンゴとこっちのリンゴだと
大きさも違うし、味もこっちの方が旨いし
なにより、値段が違います。
同じ1個とは考えられません!」
「なんで?なんでそうなるんだよ、もう!
アルファベットはすぐ覚えらてたのに!
あ~・・・じゃあ・・・
この銅貨1枚とこっちの銅貨1枚!
大きさも重さも微妙に違うけど
価値は同じだろ?」
「違います!そっちの綺麗な方が
使い勝手が良く、長持ちします!」
「な・・・・?!」
(元々、闇金が持ってきた粗悪で汚い銅貨を
大量に買わされて、
「キレイにしたら、高く売れるよ!」
とか騙されてこうなってるのに・・・)
と思うが、すぐにキレずに
(ダメだ!これで、キレてたらダメだ!
落ち着け!落ち着くんだ!レイ!)
と自分をなだめ・・・
「ふ~・・・強情だな~・・・
・・・・・・・・・・・・・
わかった・・・こうしよう・・・
そこで腹筋しろ!」
「えッ?ふ、腹筋ですか?」
「そう!腹筋!早く!」
「・・・はい・・・わかりました・・・」
とバッカは渋々地面に仰向けになると
「はい!1回!・・・はい!2回!
今何回やった?」
「2回です・・・あッ!」
「そう!それ!1回足す1回は2回!」
と言うと
「ありがとうございます!レイ様!」
と泣きながら
納得したバッカはどこかへ行ってしまった。
(まったく・・・脳筋だな・・・
明日は引き算で掛け算と行こうと
思ってたのにどうするんだよ?
・・・・・・・・・・・・・・
・・・9人で9回ずつ素振りでもさせるか?)
と思っていると
「レイ様~!買ってきましたよ~!」
とミーアが楽市から馬車を何台も引き連れて
帰ってきた。
「おおぉッ!お帰り!あった?」
「ありました!ありました!
これだけの小麦があれば
当分は大丈夫でしょう!」
と山のような小麦の袋に塩、油やらなにやらを
たくさん買ってきてくれた。
ミーアが持ってきた大量の食糧を
ドナとバッカに頼んで、みんなに
建物の中へ運び入れてもらった。
「それにしても、凄いの作りましたね・・・
ところで、レイ様?あれらの手洗い場の汚水は
どうしてるんです?」
「ちゃんと、処理して下の下水まで流してるよ!
さっき、下まで穴を開けに行ったんだよ!」
「えッ?ここからあんな深くの遺跡まで
穴を開けたんですか?
・・・しかも、処理まで・・・」
「そう!このすぐ下で一旦、処理してから
さらに下に送ってる!」
「へ~・・・凄いですね・・・
普通、地区ごとに・・・あッそうだ!」
とミーアが馬車から袋を持ってきて
ゴソゴソと中から
「・・・レイ様のご注文の・・・
はい、これ!」
とミーアが僕に大きな一冊の本を
渡してくれた。
「おッ!本じゃん!ありがとう」
と異世界特有のぶ厚い皮で表紙が
作られたかなり年季の入った本だが・・・
「あ、あの・・・ミーアさん?・・・」
「なんでしょうか?」
「これ・・・どこで買ったの?」
「楽市です。雑貨を売ってたお婆ちゃんが
旦那さんの物を処分してました!」
「そ、そうなんだ・・・
ところで僕、魔導書をお願いしなかった?」
「はい!しましたね!ですから、それを!」
「・・・いや、あの~・・・悪いんだけど・・・
・・・これはね~・・・付与師用の魔導書だね・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「うん・・・まあ、いいや、これで!
・・・ありがとう・・・」
その日の冒険者ギルド ギルド長室
コンコン!
「ギルド長?今、いいですか?」
とドアの向こうで受付のクリームが
呼んでいる!
「おー!どうした?」
ガチャッ!
「すいません!ギルド長!
今日、ミーア様とレイ様に地下の遺跡の
調査お願いしました?」
とドアを軽く開け、首をちょっとだけ出して
ギルド長に話かけた。
「遺跡の調査?・・・いや、してないぞ!
なんでだ?」
「いえ、新人さんパーティーが
今日、地下の常時討伐依頼をしに行ったら
氷の刃で貫かれたビックラットを
見つけたそうなんですよ!
それで、魔力検査機で調べたら、
レイ様の魔力だったので・・・」
「ふ~ん・・・ちょっと遊びにでも
行ったんじゃないか?
レイ様は買い物は禁止になったと
ご領主様からもお達しが来てたし・・・」
「そうですか・・・
ところで、氷魔法を使えるとなると
レイ様は2階層の魔法が使えると言う事なので
ギルドのルールでは、
必然的にDランクになるはずですが・・・」
「おおッ!そうだったな!
じゃあ、それで頼む!」
「かしこまりました~!
では、失礼しま~す!」
ガチャッ!
とクリームは頭を引っ込めドアを閉め、
下へと降りて行ったが
ギルド長は
「・・・んッ?レイ様っていくつだったかな・・・
まっいいか!」
25話終わり




