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城の冷戦  作者: 折原
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情報のスペシャリスト : 牟洟

情報のスペシャリスト : 牟洟


学生時代、此奴は高嶺の花と呼ばれていた。


それも“無色透明 ”の何色にでも染まる事の 


出来る素晴らしい高嶺の花と。


高嶺の花は成績優秀。運動神経抜群。


性格・容姿…全てが完璧な美人だった。


でも裏を返せば性格には難があった。


此奴は八方美人だった。


良い意味で人の前で態度を変え沢山の好意を


受けて成長していた。


でも牟洟はとある一件を境に消えていった。


その一件と牟洟の存在は時間が流れるうちに


皆の記憶から徐々に消え去っていった。




僕の君への復讐の準備は整った。


あとは君を殺していじめてきた奴を殺る。


残るは探すだけ。僕はあれ以来昔の者とは、


あまり好んで連絡を取って居なかった。


強いて言っても荒野ともう1人…


探すことが得意な情報のスペシャリスト…


『頼みたいことがある。此奴を検索。』


『大阪の××駅の駅弁1つと烏龍茶を箱。』


『ああ。わかった。今度送る。』


『パソコンに送った。駅弁速攻で頼む。』


駅弁偏食家の美女。


彼女もまた君と一緒に僕を裏切った1人。


今は復縁して良好だ。


情報の女神様。


無色透明、高嶺の花の略称を文字って


彼女は自分の名を「牟洟」と名乗っている。


彼女はある一件を境に連絡が途絶えていた。


だが、数年前から連絡が取れる様になった。

僕からしたら都合の良い事で助かっている。




数日後、僕は牟洟から送られてきた場所を


頼りに君が居る場所へ向かった。


そこに君はちゃんと居た。


君の薬指には光り輝くリングが付いていた。


僕の心にはリングがぶっ刺さってきた。


君の隣には僕の知らない男が居た。


僕はあの頃みたいに去る様に逃げ帰った。


僕はここ数年でなにも変わっていなかった。


君と違ってあの頃から時が止まっていた。


でも僕は君を殺ることで変わるのだ。


ここからが本番だ。準備は全て整った。


僕の復讐劇に再度幕が上がるのだった。





別れとは自分には関係ないと思っていた。


でも意外と関係のあることだと気付いた。


「あ、あの…ありがとうございました。」


彼女に昨日、突然言われた言葉。


この言葉の意味は翌日になりすぐ分かった。


彼女は転校することになっていたのだ。


ウチは最後に感謝を伝えられて終わった。


正直、なにも出来なかった自分が憎い。


もっと彼女の為になにか出来たはずと色々と


考え込み悩んでいる自分も居る。


でもこれでいじめが終わるならマシかなと


安堵していた。彼女がウチらと離れて遠くで


幸せな人生を送ってくれるなら嬉しい。


そんな事を思った矢先…いじめは再開した。


今度のターゲットは彼女の味方だった彼。


あぁ…ウチは逃れた。良かった。


そんな自分のことを考える心の自分も居れば


次も手を差し伸べるべきなのか…あぁ……


前、彼女を助けた時の心もある。




「だ、大丈夫ですか…?…これ…どうぞ…」




人生の分岐点は意外と多くあるものだ。


今度は間違える事なく進めるのだろうか。


また自分に自問自答する日々が始まった。


何時になれば正しい分岐点に進む事ができて


正当な幸せを得る事が可能なのだろうか。


もしかしたら自分は正しい分岐点にどれだけ


多くの時間が流れても迎えられない。


そうなのかもしれない。




今日も自分は彼女のことを頭の隅に考え、


毎日同じように考える日々が繰り返される。



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