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聖帝記~聖なる御子の邪神討滅記~  作者: めるりん
第1章 神託の御子
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第7話 御子疑惑と両親について

「まず初めに聞いておきたい。ホーリーウェポンという魔術はもう使えないというのは本当かい?」

「はい、一生涯に一度だけ聖剣を作り出せるという魔術ですのでもう使うことはできません」

「バルドル聞いたことはあるか?」

「いや、俺も聞いたことはないな。[六華の絆に]聖属性魔術師がいたな。マリーアお前さんは聞いたことはあるか?」

「いえ、私も聞いたことはございません。私の聖適正だと足りないから教えられなかっただけかもしれませんが」

「話に割りこんで済まないが、俺の話を聞いてくれるか?」

「なんだアルニス、関係のある話なら大歓迎だぞ」

「うん、昔読んだ本に聖剣がどのように生まれるのかを書いた本があったんだ」

「続けてくれアルニス」

「それによると聖剣は神の加護を受けた御子が生涯に一度作りだす。とまさに今回の件と似たことが書かれててな。アフェットは誰かにこの魔術を教わったのか?」

「ええっと、あれ? おかしいです。母からは勿論誰からも教わった記憶がありません」

「恐らくだがアフェットはどの神のかはわからないが御子なのだろう。それならアフェットの聖魔術の強さも納得いく」

「なるほどな、聖都にも確認が必要だな」

「アフェットは対邪神の為に善なる神が遣わせた切り札なのかもしれんな」

「今後の護衛の手配も考えねばならんか」

「ご、護衛ですか?」

「護衛というか俺がアフェットを色々鍛えるつもりだ、属性魔術についても頼りたくないがあいつに頼ってみる。断られることはまずないだろうしな」

「あいつ?」

「男同志が一緒にいると喜ぶやつがいるだろう」

「あいつか」「あれね」「実力は確かだな」「男同士で二人でいると凄い目でみつめてくるんだよなー」


 よくわかりませんが、ダースティアでの属性魔術の師匠は決まっているようです。


「あとはこの魔石か」

「アフェット君。聖布の作り方はだれから?」

「母から教えていただきました」

「地方のいち神官が作れるものではないはずだが、アフェットの両親の名前を教えてくれ」

「はい、父はアモスといって元冒険者です。母はフィリアといいます」

「アモスって魔王討伐のメンバーのアモスかよ!」

「じゃあフィリアは聖女フィリアか」

「父は赤子の時にスタンピートで死んでしまい、母上も病弱だったので過去の話はあまり聞いたことがないのでわかりません。」

「ふふん。こういう時はメロウさんの出番よ!アモスはミノタウロスの魔王を討伐した時の両手剣を使う剣士ね。フィリアもそのパーティーに加わって魔王の呪いを受けたのよ。アフェットを生めたのは奇跡的なことよ。ではここでアモスとフィリアの歌を一曲!」

「一曲は長いのでキャンセルでお願いします」

「ひどい!」


「うん? てことはアフェットはラッシュと知り合いなのか?」

「はい。その通りですがラッシュが何かしでかしたのでしょうか」

「まあしでかしてそうではあるが、崩剣のアッシュといえばSランク冒険者だしな」

「なんでアモスの息子だとラッシュの知り合いってことになるんだ?」

「なんでってラッシュの今の愛剣こそがかつてアモスが使っていた聖剣ブルートガングだからな」

「アフェットは聖剣譲っちゃったのか?」

「あのシーンも良かったわね。キマイラ相手に剣が折られなすすべもなく立ち尽くすラッシュにアフェットがブルートガングを投げてラッシュが空中で受け取りそのままキマイラを切り倒したところはよかったわー」

「聖剣自体がラッシュに使われたがってそうだったのでそのまま譲ることにしました」

「BランクだったラッシュがSランクまで駆け上がったのはブルートガングを手に入れてからだったな」


 知りませんでしたがどうも両親は英雄だったようです。


 分配関係の話はよくわからないので信用しお任せすることにしました。


「なんかたった数日で色々あったわね」

「本当ですね。メロウは歌の題材が増えたのではないですか?」

「いっぱい増えたわ、アフェットが御子だったっていうのが一番の収穫ね」

「御子っていうのは皆さんが言ってただけですよ、実際に神託のようなものは受けていませんし」

「そういえば御子って神託受けてなるのよね、村のちっさい教会じゃだめとか?」

「神々が教会の大きさを気にするとは思いませんが」

「もしくはアフェットの実力不足ね」

「それはありえそうですね、ふぁ、今日はもう眠いですね」

「ここ数日色々あったからね、今日は早いけど寝ちゃいましょう。お休みアフェット」

「おやすみなさいメロウ」


 その夜は大きな月を背後に立つ女性の夢をいつものように見て寝ました。


 いつもの夢を見ることが出来たので翌朝は気分よく起きることができました。


「アフェット、まだ寝てる?」

「今丁度起きたところですよ」

「お、寝起きがいいわね。いつもの夢を見れたの?」

「はい、いつもの夢を見ることが出来ました」

「もしかして、それって夢見の神託なんじゃないの?」

「しかし、何も託言をいただいていませんが」

「神託貰ってるけど、眠ってて何も覚えてないだけだったりして」

「もしそうだとしたら私は自分の信仰を疑わなければなりません」

「アフェットの信仰神ってルナ様よね」

「はい、私の名前も愛を意味する言葉になっていますし、愛を司る月の女神ルナ様を信仰しています」

「大きな月を背に立つ女神っていったらルナ様だし本当に神託なんじゃないの?」

「仮にそうだとしたら、夢の内容を覚える方法を誰かに教えていただかないといけません」


 メロウとの楽しい食事を終えて集会所に向かうべく家をでます。


「絶対神託だと思うんだけどなぁ」

「ふふ、まだその話を引きずっているのですか?」

「神託を受けたのか?」

「アルニスさん、おはようございます」

「ああ、おはよう。それより神託と言っていたが」

「メロウが言い張るだけなんですけど、私の夢の内容が神託ではないかと」

「よかったら内容を聞いてもいいか?」

「はい、大きな月を背に立つ女性がただいるだけなんですが」

「それはルナ様か?何かを示唆しているのかもしれないな。ダースティアに行ったら知り合いの司教に話してみよう」


 そうこう話をしているうちに集会所に到着しました。


「おう、お前ら来たか、朝早いな。何度も説明するのは面倒だから他のパーティーが揃ってから今回の報酬についての話をする。その辺に適当にいろ」

「適当といわれてもな、書類だらけで座る場所もないじゃないか」

「だから、適当って言ってるんだ。適当に書類どかして座ってろ。適当に座っているのが面倒なら書類整理しててもいいぞ。」

「俺は適当に座っておく」

「書類はどう分ければいいのですか?」

「実際に討伐したお前らを抜いて、更に冒険者とそれ以外と騎士団で分けて冒険者は更にランクで分けろ」

「では、そのように纏めてみます」

「正直助かる。俺は区切りがついたから飯食ってくる」

「わざわざ手伝うこともないのに、まあギルドマスターから良い印象を盛られるのも大切だ。俺も手伝うか」


 そうして書類を整理しながら他のパーティーが来るのを待つことにしました。


 書類を見ると騎士が10名。冒険者がアルニスさん達も入れると50名も助けに来てくれていたことを嬉しく思いました。


 書類の整理をしていたところアルニスさんに話しかけられました。


「しかしこの規模のスタンピートを死者0人で済ませたのは快挙だな」

「そうなのでしょうか?」

「俺は到着した時には逃げることも考えていた」

「村長達も棄村を考えていたみたいですね」

「[暴風の斧]も[六華の絆]も恐らく廃村での避難民を連れての撤退戦の可能性も考えていたと思うぞ」


 アルニスさんと防衛に失敗していた時の話をしていた時にアランさんとローザさんが現れました。


「おはようございます、アランさん、ローザさん」

「もう、おそようの時間だがな」

「お前さんらが早すぎるんだよ、これだからエルフと神官は」

「二人ともおはよう。ギルドマスターはどうした?」

「ずっと働いていたみたいで今は朝食をお召し上がりの最中です」

「じゃあ適当に座ってまってるか」

「アフェットに感謝するんだな」

「なにが?」

「アフェットが書類整理したから座る場所がある」

「相変わらずギルドマスターは書類の整理が苦手なのね」


「パーティーの他のメンバーの方はどうしたのですか?」

「全員連れてきても手狭になるだけだしな」

「魔王戦が心理的にも負担が大きかったようなので今日は休ませているわ」

「俺でも少し疲れがぬけてないのに、アフェットが元気一杯なのが不思議だぜ」

「いつものように見る夢がありまして、それを見ると身心の疲れが翌日に残らないのです」

「なんだそりゃ、俺もみたいぞ」

「昨日の話からすると神託なの?」

「ですが、何も伝えられないのです」

「その辺はアフェットとも話したんだがダースティアの知り合いの司教に相談しようと思っている」

「夢見の神託ってあたしは素敵だと思うんだけどなー」

「肝心の託言の内容が分からないとどう行動すればいいか」

「そりゃそうだわな」


 メロウ、アルニスさん、アランさん、ローザさんと取り留めもない話をしているとギルドマスターがエーギル様を伴って戻ってきました。


「おう、待たせてすまんな。アフェットとアルニスは書類の整理ありがとよ」

「本題に入ってしまおう。アフェットは知っているかわからないが、スタンピート等の大規模災厄では参加者全員に報酬が渡ることになる。その中で特に活躍をした者には多めに報酬がいくということになる」

「アフェットからすると遅れてきて何もしてない連中に見えるかもしれんが、その辺は我慢してくれ」

「いえいえ、村の危機の為に急いで駆けつけてきて下さった方には感謝しかないですよ」

「ふむ。英雄症候群には掛かっていないようだな」

「英雄症候群ですか?」

「お前さんみたいな若者が大業を成すと万能感を持ち周りを見下すようになる一種の病気だな」

「アフェットがそんな勘違いしたら、あたしが引っ叩いてあげるわよ!」

「じゃあその辺はメロウに任せよう」

「報酬の受け取りに関してだが二種類の方法がある」

「一つはゴブリンキング討伐の功と手に入れたゴブリンの魔石と回収した武器を実際の金額に変えて二等分したあとアフェットやメロウを含めた14人で分割する方法だ。もう一つはスタンピートによって乱れた魔物達の討伐を待ってからそれを加えて二等分する方法だな」

「利点としては最初の案の方が早く処理がすむ。後者の方は金額が増える。ってとこだな」

「それとゴキブリキングの魔石については価値を保留させてもらいたい。金額の査定が終わり次第14人に渡せるように手配しよう」

「パーティー間の話し合いもあるだろうから一旦下がって考えてみると言い」

「あの、質問があるのですが」

「うん?なんか疑問があるのか」

「後者の場合だともらえるお金が増えるということですが、私たちも討伐に加わるということでしょうか」

「いや、討伐に加わる必要はない。お前達がゴブリン共を蹴散らせたお陰で本来の生息位置からずれた魔物を狩ることになるから多少楽になるのだ」

「その分を上乗せするってことだな」

「そうだったのですね。ありがとうございます」


 私達は一旦集会所から出て話し合うことになりました。


 お昼も近いので村に一軒しかない食堂で食事しながら話し合いをすることになりました。


騎士一人につき従者が4名つくので騎士団からきているのは50名+副団長と副団長の従者になります。行軍が遅れるので兵士は連れてきていません

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