私の事を心から愛してくれた、あなたに感謝を言いたい!
私は10年以上前から、メールをしている男性がいる。
彼の顔も、名前も知らないのだけど、、、?
私は、彼の事を心から愛している。
他の人に話したら? 笑われるからこれは、私だけの秘密。
彼は現在65歳、奥さんは病気で私とメールを始めた時には
亡くなっていた。
元々、病気がちな奥さんだったが、家の階段から落ちて
首を骨折、全治半年入院して退院する予定だった。
そこに、コロナウィルスの患者が同じ病室に居て、コロナに
かかって3日で亡くなったと私は彼から訊く。
彼は、最後の最後まで奥さんの顔も見れずじまいだったらしい。
そんな時、私は彼のSNSを見て彼に直接メールをした。
彼は、私の言葉で救われたと言ってくれたわ。
・・・何度か?
二人で会おうという話も出たのだが。
やっぱり、会うのは少し怖い。
私の想っている男性じゃなかったら?
一瞬で冷めてしまうんじゃないかと思ったからだ。
きっと、彼も同じ気持ちだったんだと今は思う。
私達は、いつも他愛無い話で盛り上がった。
『おはよう! 今日も、元気かな?』
『私は、元気ですよ。あなたは、元気なんですか? 風邪をひい
たりしてないですか?』
『僕も、元気ですよ。今日の晩ご飯は何を作るの?』
『寒いから、お鍋にしようと思ってるのよ。』
『じゃあー僕も鍋にするかな?』
『あなたと同じものを食べているかと思うと? 気持ちが
なんだか? 繋がってるみたいに感じますね。』
『そうだね。』
『どんなに離れてても、気持ちはいつもあなたの傍に居ますよ。』
『・・・なんだか、照れるな。』
『・・・言った私も、照れてますけど。』
『そういうところが、僕は君をかわいいと思うんだ。』
『えぇ!? 褒めてくれてるの?』
『そうだよ! 僕はいつも君を感じているんだ。』
『嬉しいわ!』
『ずっと、僕達の関係が変わりませんように、、、!』
『うん、そうね。』
『あぁ!』
・・・他愛のない話から、私達はお互いの気持ちを言葉にして
伝えあっていたわ。
面と向かって言うと? 恥ずかしい事も、文章なら伝えられる。
今では? 【熟年離婚】も多いと聞くけど?
私達には、関係のない話。
ひとつ屋根の下で一緒に居ても、お互いの気持ちがすれ違う
事はたくさんあるわ。
顔を見合わせれば、ケンカばかり。
思ってる事も、相手に言えないでそのまま離婚。
それって? 相手に自分の気持ちを伝えてないから気持ちが
通わないだじゃないかしら?
長く一緒に居ると? 男の人は何も言わなくても自分の事を
妻は分かってくれていると誤解している。
妻は? 夫が何も言わないから、もう自分に気持ちがないと
誤解している。
そんな結婚生活で、楽しい訳ないじゃない!
まだ、知らない人と一緒に住んでる方が話す事も多いはずよ。
お互いが不安な中で、“浮気”を陰でしてるんじゃないかと疑う。
もう、既にお互いの事を信用していない。
気持ちが、不安定になってる証拠よ!
そんな夫婦生活なら? 私は望んだりしない。
今の方が、何倍も彼を愛していると想えるんですもの。
・・・でも?
急に、ぱったりと彼からのメールがなくなった。
私は、突然の事で動揺している。
私達の想いは、ひとつだったはず!
それなのに、急にどうして?
あなたに、何があったの?
*
・・・ある日。
彼から、突然メールが来たのは? 3ヶ月後だった。
『僕と会ってくれませんか?』
『・・・・・・』
『一度で、いいんです。』
『・・・ははい。』
私は、10年以上メールだけの関係だった彼と会う事になった。
私は、“少女”のように心躍らせていた。
ドキドキしながら私は、彼が決めた待ち合わせ場所に行く。
そこに待っていたのは、、、?
【彼の息子さんだった。】
『スミマセン、父のメールに貴女とのやり取りがたくさん
残されていたので、どうしても一目会って見たくて...。』
『・・・い、いえ。』
『父は、3ヶ月前に心臓発作で亡くなりました。』
『えぇ!?』
『そうですよね、びっくりされましたよね。』
『・・・あぁ、ははい。』
『あなたとのメールの最後は、楽しい会話で終わってましたから
まさか!? 父が亡くなってるとは思ってもみなかったでしょう。』
『はい。』
『随分と、父とは仲がよかったみたいですね』
『・・・でも、一度も彼とは会った事がないんです。』
『えぇ!?』
『私達は、メールのやり取だけでした。』
『そうなんですか、父らしいです。』
『せめて! 最後に彼と会って、感謝の気持ちを伝えたかったわ。』
『・・・そうですね。』
『こんな時に、ごめんなさい! 彼の写真か何かありますか?』
『えぇ! 携帯に父と写った写真がありますよ! 見ますか?』
『はい』
彼は、私が想っていた通りの男性だった。
優しそうな笑顔で、彼は写真に写っていたわ。
『この写真、もしよければ私の携帯に送ってくれませんか?』
『勿論、いいですよ! 父も喜ぶと思います。』
『ありがとう。』
彼との“想い出は”どんな事があっても忘れない!
私の大切な記憶なんですもの...。
最後までお読みいただきありがとうございます。




